→ 詳細は「wikipedia:インペラトリッツァ・マリーヤ級戦艦」へ
概要
日露戦争によってロシア帝国海軍は主力艦のほとんどを喪失し、1908年、海軍再建に向けた10ヵ年計画が開始され、インペラトリッツァ・マリーヤ級戦艦の建造が計画された。
「インペラトリッツァ・マリーヤ」はアレクサンドル3世の皇后、マリア・フョードロヴナのことである。
基本設計はガングート級戦艦を踏襲しているが、主砲塔の向きや副砲に若干の改良が加えられ、装甲が強化されている。防御的欠陥はそのままだった。船体が短く全幅が広く、速力は低下した。
黒海艦隊に配備することを目的に設計されたため砕氷型艦首は採用されず、「黒海艦隊型ガングート級」とも呼ばれる。
艦首にクレーンを備えているのが特徴。
性能諸元(インペラトリッツァ・マリーヤ:1915年)
常備排水量 | 22,600t |
---|---|
全長 | 167.8m |
全幅 | 27.3m |
吃水 | 8.4m |
機関 | ヤーロー式重油・石炭混焼水管缶20基+パーソンズ式直結タービン(低速・高速)2組4軸 |
最大出力 | 26,500hp |
最大速力 | 21kt |
航続距離 | 16kt/2,600浬 |
武装 | 1907年型52口径305mm3連装砲塔×4基、1913年型55口径130mm単装速射砲×20門、50口径75mm単装速射砲×4門、オチキスQF 43.5口径47mm速射砲×4門、45.7cm水中魚雷発射管×4基 |
乗員 | 1,220名 |
同型艦
1915年竣工。1916年、ドイツ海軍に撃沈された後、浮揚され本国まで曳航されたが、1925年に除籍。翌年解体処分。
インペラトリッツァ・エカテリーナ・2世→インペラトリッツァ・エカテリーナ・ヴェリーカヤ→スヴォボードナヤ・ロシア
1918年沈没処分。
インペラートル・アレクサンドル3世→ヴォーリャ→ゲネラル・アレクセーエフ
1936年解体処分。
設計を若干変更したインペラートル・ニコライ1世も起工されたが、完成しなかった。
前級:ガングート級戦艦