ギミア・ぶれいく内のアニメ版笑ゥせぇるすまんの第2話。お客様は浦成平一(44)。
放送初期らしくまだ作品の方向性を模索していた頃の作品でもあり、劇中屈指のカオス展開(余談参照)。なお、浦成には息子がいるが、家族の顔は一切登場しない話でもある。
あらすじ
四吾木自動車教習所で教習を受けていた浦成だったが、一向に運転は上達せず、教官にしごかれてばかり。すっかり自信喪失していた所、喪黒に面会する。彼は息子のために早く免許を取りたいと告げると喪黒がそれに協力する。
浦成が約束通り空き地で待っていると、喪黒は高級セダンを持ってきて早速、彼にそれで運転練習させるが、教習を終えればすっかりボコボコに。構わず喪黒は、あれは廃車にすると言って次は高級スーパーカーに乗ってくる。
しかもそれで夜間を利用して実地訓練までさせるが、ただでさえ運転が難しいスーパーカー(カウンタック)を乗りこなせるはずなく挙げ句に大破。それも喪黒はあのままスクラップにすると言ってのける。
後に喪黒は、酒で上機嫌になっている浦成に「今、運転してみますか」と問いかけ、今度は大型トラックに乗ってくる(しかしそれは盗難行為による乗っ取りであったため、警察の足がつく)。喪黒はバイパスでスピードを出して得意になっている浦成に「赤信号ですが突っ切りましょう」とけしかけ、パトカーを含めた走行中の車両を何十台も事故に巻き込んだ挙げ句にラブホテルに激突しトラックは大破、浦成は運転席で目を回すのであった。
喪黒は「それにしても、彼はいったいいくつの違反行為を重ねたか楽しみですねぇ」と言って立ち去っていく。
余談・補足
- あんまりに無茶苦茶で破天荒な内容だったため、関係者一同がスポンサーであった自動車会社からこってり絞られたという(DVD-BOX特典の対談より)。それで放送の最後に「交通安全を守りましょう」という注意喚起も追加された(VHSレンタル版はそれも収録されていたがDVD-BOXではカット)。
- 原作では浦成の違反行為が12項目、アニメ版ではその2倍以上になっている。不幸中の幸い死者を出していなかった(高架橋から転落した車もあったのに…)らしいが、今では後述する社会復帰すら困難な状況である(飲酒、無免許、信号無視だけで危険運転の適用対象。泥酔者に運転を慫慂した喪黒も厳罰適用となる)。
- なお、浦成平一は後の『安心カプセル』にもお客様として登場しており、そのときはきちんと自動車免許を取得していた。また年齢も7年後の51歳になっているが社会的制裁をしっかり受けたらしく、家族に顔を合わせるのも気が引ける状態となっていた(それで車中泊を繰り返していた)。ちなみに、浦成はその安心カプセルで、劇中でもワースト1、2を争う悲惨な末路を迎えている。
- 黒ィせぇるすまん時代の原作に忠実な展開のため、当時のように夜間にほとんど人気がない、車が走っていない描写となっているが、放送当時の89年だと深夜族は普通にいたので多少描写に誇張がある。