概要
てんとう虫コミックス12巻及び、藤子・F・不二雄大全集7巻に収録。
これを体に貼られた人は裏でコソコソやっていたことを大勢の前でおおぴらにやってしまうようになる。
ストーリー
スネ夫は道で会ったジャイアンに「よっ人気歌手。これからテレビ局?」とおべっかを言い、「お前の冗談はいつも気が利いてるな」と言われると、「君の歌には敵わない」と褒めて返し今度のリサイタルはいつかを聞くと共に楽しみにしていることを言った。上機嫌になったジャイアンは陽気に歌っていたが、一方のスネ夫は「バカはおだてやすい」と陰でクスクス笑っていた。
その後スネ夫は壁に咲いていたバラの花を切ってしずかにプレゼントし、「綺麗な花は綺麗な人にこそふさわしい」と言い、更にその後、玉子に会うと「会うたびに若くなっている」とおだてた後、既に宿題を済ませ夕方までに塾を3つも廻ることを伝えた。
これに感心した玉子は、自分は恥ずかしい思いをしたとのび太にスネ夫を見習うよう言ったが、のび太がそれを否定。スネ夫が塾へ行くと言ってはサボっていること、先生におべっかを使っているから叱られずに済んでいることを言ったが、玉子は友達のことをそんな風に言うもんじゃない、自分の人柄が疑われると聞く耳を持とうとしなかった。
のび太は本当のことだと訴える中ドラえもんは、うわべだけ飾っている人間はいつかぼろを出すことを言ってなだめに入ったが、のび太は待っていられず今すぐスネ夫にぼろを出させようと出て行ってしまった。そこでのび太は、とばっちりがこっちへ来ないようせめて一言文句を言うことを決めたが、道で会ったジャイアンに新曲の感想を聞かれた際、そんなことと言ってしまったために「俺の芸術をそ・ん・な・こ・とだと!?」と怒らせて殴られてしまい、「スネ夫の爪の垢でも煎じて飲め!」と言われた。
更にその後、しずかにスネ夫の居場所を尋ねた際もスネ夫のことをバカ野郎と言ったために、その言い方は酷すぎると言われ、逆にスネ夫はとっても優しくてデリケートな心の持ち主だと言われてしまった。花一本もらったぐらいでそんなに嬉しいのかと怒ったのび太は、自分もバラの花を取ろうとしたが持ち主の女性に見つかり花泥棒と間違われてしまった。
そこに通りかかったスネ夫は「僕の友達が花泥棒だなんて恥ずかしい」と代わりに謝ったことでのび太は逃れることができたが、悔しい思いをしたためドラえもんに泣き付くこととなり、事情を聞いて怒ったドラえもんは「ウラオモテックス」を取りだした。
その後のび太はこれを、主婦たちと話しているスネ夫の背中に張り付け、スネ夫はいきなり「ケチケチするなってんだよ、こんなに咲いてるのに」と言い出し、「僕なんか毎日取ってるんだ」とバラの花を次々と取って持ち主の女性を青ざめさせ、今度はそれをしずかの部屋に大量に投げ入れると、「ただで花をやってるんじゃないぞ。僕が宿題を見せろと言ったら、嫌な顔すんなよ」と曝露。更にジャイアンに新曲を聞くよう言われると、「うんざりだなあ。バカのご機嫌取り取るのも楽じゃないさ」と言ってしまい殴られることに。
これを見たのび太はスッキリし、このことをドラえもんに報告し一安心していたが、ズタボロになったスネ夫が「おばさん、またシワが増えたね。できの悪い息子を持つと苦労するんだね」と玉子に言ったため、「はっきりと本当のことを言われてママは恥ずかしいわ」と、のび太は再び叱られることになってしまい、ドラえもんは「難しいもんだなぁ」と腕組みをしながら首をかしげていた。
アニメにおける原作との主な相違点
大山版は1979年6月29日に、水田版は2016年6月19日にそれぞれ放送している。
1979年版
- スネ夫やのび太が静香の家を訪ねた時、静香は1階のリビングにいる。
- ドラえもんがウラオモテックスを出す際、のび太に説明するシーンが追加されている。
- スネ夫が薔薇の持ち主に「彼(のび太)には僕からもよく言っとくので」と話したが、ウラオモテックスを貼られたスネ夫が薔薇を大量に盗み、薔薇の持ち主が怒っている。なお、原作と違い、主婦達は登場していない。
- 薔薇の花を静香の家のリビングに投げ込んでおり、スネ夫が「ただで花をあげてるんじゃないんだぞ。宿題を見せろと言ったら、嫌な顔をすんなよな静香!」と文句を言い、スネ夫が去った後、静香が「キィー!スネ夫なんて大嫌い!」と怒って窓を閉めている。
- ジャイアンの新曲を聞いて「馬鹿のご機嫌を取るのも楽じゃない。」と言った後、「下手くそな歌を聞いてると、吐き気がするんだよ!」と暴言を吐き、ジャイアンに追われている。
2016年版
- スネ夫が静香の家に訪れた際、玄関で静香に薔薇を渡している。
- 「スネ夫が他人の家の庭を無断で抜け道にしている」という設定が追加されており、その家の飼い犬・ジロウはスネ夫が通り抜けしている事を知っており、スネ夫に唸っていたが、スネ夫はジロウに餌を食べさせて黙らせた。
- のび太がジャイアンに殴られた後、よろけながら歩いていた際、ジロウに襲われ、ジロウの飼い主に「貴方ね、いつもウチの庭を通り抜けているの。もうやめてちょうだい!」と怒られている。
- のび太が静香にスネ夫を訪ねるシーンで静香は2階の自分の部屋にいた。
- スネ夫が薔薇の持ち主と話すシーンで主婦やジロウとジロウの飼い主もいる。スネ夫が薔薇の花を盗んだ後、ジロウに「ジロウ、いちいち吠えずに家の庭を通り抜ける位させろよ。お前を黙らせる為にいつも餌を持ち歩いているんだぞ。」とバラし、飼い主は驚いていた。
- 薔薇を投げ込んだ先は風呂場であり、入浴していた静香は顔を出してお礼を言ったが、スネ夫に文句を言われている。
- 静香の家から出た後、スネ夫が買い物途中の玉子と出会い、「おばさん、また小じわが増えてる。」「出来の悪い息子を持つと苦労しますね。」と言い、それを聞いた玉子はショックを受けてその場に立っていた。
- ジャイアンから「新曲を聞いてくれ。」と言われた際、スネ夫は「耳が腐るよ!」と言っており、最初はジャイアンは気付かなかったが、ジャイアンが歌った時に「酷い歌だ!迷惑を通り越して公害だよ!」と叫び、ジャイアンを怒らせている。その後、スネ夫が「うんざりなんだよ!馬鹿のご機嫌を取るのも楽じゃないよ!」と暴言を吐き、さらにジャイアンを怒らせている。
- 一連の出来事の後、のび助が誤ってウラオモテックスを付けたことで営業でトラブルを起こしかけるオリジナルエピソードが挿入されている。のび助と部長は取引先の会社で社長から輸入する予定の最高級の紅茶を頂くが、ウラオモテックスの効果でのび助が「これは安物の紅茶だ」と言ってしまう。社長は紅茶が安物と気付き、「君のおかげで騙される所だった。ありがとう」と、のび助にお礼を言っている。