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うつつまくら

うつつまくら

藤子・F・不二雄原作の漫画・アニメ作品『ドラえもん』に登場するひみつ道具の一つ。及び同作品のエピソードの一つ。
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ひみつ道具としての解説編集

藤子・F・不二雄原作の漫画・アニメ作品『ドラえもん』に登場するひみつ道具の一つ。及び同作品のエピソードの一つ。TC5巻収録。

枕型の道具で、これを使用して眠ると夢と現実を入れ替えることが出来る。すなわち眠る前までの出来事が夢となり、この枕を使用した状態で見た夢が現実となる。それだけでなく、枕の横に取り付けられたダイヤルを回すことで、夢(=道具使用後における現実世界)の内容を自由に調節することも可能。


使用者は夢と現実が入れ替わったことを自覚している。しかし作中では、うつつまくらの所有者であるドラえもんも、のび太が夢と現実を入れ替えたことを認識しており、道具使用前の記憶を保持している。これは所有者はうつつまくらの影響を受けないということなのか、(身も蓋もない言い方だが)単なるご都合主義なのかは不明。


ただし、この道具は(少なくとも原作版においては)実在していたかがはっきりしない


エピソードとしての解説編集

新学期初日、のび太は珍しく早起きし、夏休みの宿題は全て終わらせていた為、登校する時間まで予習を始めようとした。しかし、その様子を見たドラえもんは流石におかしいと思い、のび太に対して「ひょっとすると、これはゆめだよ。」と言う。


すると、どこからともなくドラえもんの声が響き渡る。ドラえもんがのび太を起こそうと声をかけており、彼が目を覚ますと夏休み最終日だった。当然、夏休みの宿題はまだ終わっておらず、ドラえもんはのび太から「せっかく調子よくいってたのに。余計なこと言うからだ!」と言われてしまう。

ドラえもんは「それは悪いことをした」と言いながら、ポケットから「うつつまくら」を取り出す。ドラえもんはこの道具を使用して夢と現実を入れ替えることを提案し、早速のび太をこの枕で寝かしつける。


のび太が目を覚ますと、先程夢で見た通りの世界が広がっていた。ドラえもんがのび太に「これでさっきの夢が現実になった。何もかも元通りだよ」と説明すると、のび太は嬉しそうに学校へ向かって行った。

しかしのび太を見たしずかは「のび太さんがいるということは遅刻!?」と言いながら大急ぎで学校へ向かったり、のび太が宿題をやって来たと言っても先生は中々信じてくれず、それどころか「体調が悪いのでは?」と言い出す始末。(他の作品でものび太は皆から馬鹿にされたり、夢だと見抜かれるリアル過ぎる夢を見ている)


そのことに憤慨したのび太は、再びうつつまくらを使用して夢と現実を入れ替える。すると夏休み最終日になり、宿題も手を付けていない状態に戻った。すると、ドラえもんは宿題をすることを面倒だと思ったのび太から「僕が天才で皆から尊敬される世界に出来ないかな?」と頼まれる。

ドラえもんはうつつまくらのダイヤルを回し、のび太の要望通りの世界になるよう調節する。そしてのび太はそのまま眠りにつき、再び夢と現実が入れ替わった。


ドラえもんが上手く調節したお陰で、のび太は大天才になる。周囲の人々からは「のび太様」と呼ばれ、転ぶだけで女の子にキャーキャー言われ、野球をすればボールが大気圏を突破するほどのホームランを打つ。その様子を見ていたプロ球団ヨメイリジャイアンズからは契約金1億円でスカウトされ、に帰れば取材の記者が殺到し、総理大臣から面会の打診があり、自室では火星行きの宇宙ロケットの研究と、正に夢のような人生になっていた。これにはさすがののび太も「ここまでオーバーになると気が引ける」という始末。


だが、のび太の卓越した才能を悪用しようと企んだ某国のスパイ2人組が現れ、秘密兵器開発の為のび太を外国へ拉致しようとする。慌てたのび太はうつつまくらで眠ろうとするが、流石にこの状況では寝付けなかった。スパイ達はのび太を銃で殴って気絶させたが、のび太が倒れた場所にはうつつまくらが置かれていて…


すると、どこからかドラえもんの声が響き渡る。ドラえもんがのび太を起こしていたのだ。のび太は思わず飛び起きると、スパイに襲われていたのが夢になったことを安心する。しかしその直後、夏休みの宿題がまだ終わっていないことに気が付く。

のび太から「うつつまくらを出して!」と頼まれたドラえもんだったが「うつつまくら?何のこと?えっ、そんな枕知らないよ。それに、夏休みはまだ半分以上残ってるよ」と言う。

のび太はどれが現実でどれが夢かが分からなくなってしまい、困惑するのだった。


「いったい、どれがゆめなんだ。」



余談編集

道具の実在について編集

上記の通り、原作版では「うつつまくら」は最終的に実在していたかがはっきりしないひみつ道具になってしまった。その為、原作版以外の派生作品では、この道具が存在するかどうか解釈が分かれている。


『ドラえもん全百科』(1979年7月25日発売)から『最新版ドラえもんひみつ道具大事典』(2004年1月1日発売)までの書籍では、うつつまくらは他のひみつ道具と同様に「明確に存在する道具」として解説されている。しかし『ドラえもん最新ひみつ道具大事典』(2008年9月3日発売)では、うつつまくらは「道具が登場しないエピソード」の項目で解説されている。


大山のぶ代版アニメでは、2度目ののび太の理想の夢の世界に変わったことで自分は必要ないと涙を流しながら未来に帰っていくシーンがあり、ラストの展開も異なり、うつつまくらのことは全て夢で夏休みが半分以上残っていることを知り、安心したのび太が二度寝をした後、ドラえもんが視聴者に話しかけるというメタフィクション展開で締めるという本家よりマイルドになっている。また「ドラえもんの健康診断」ではうつつまくらと思われる枕が登場している。


なお、かつて超合金で知られた玩具会社ポピーが販売していた『ドラえもんドンジャラ』の1点牌にはうつつまくらが、ひみつ道具として登場している。


水田わさび版アニメでは、ドラえもんがひみつ道具を点検している際、うつつまくらが他の道具と一緒に置かれているシーンが存在する(「シンデレラはどこいった?」等)。また、映画版新魔界大冒険』の作中でも、慌てたドラえもんが色々なひみつ道具を取り出した際(ドラえもんの石像が部屋に落下したシーン、雪山でドラえもんが「あべこべクリーム」を探しているシーン)、うつつまくらが他の道具と一緒に投げ飛ばされている


それだけでなく、アニメ版『ドラえもん』公式サイト「ひみつ道具カタログ」では、うつつまくらは他のひみつ道具と同様に「作中で登場した道具」として紹介されている。その一方、作中で存在しない道具と原作ではっきりと明言されたのは「ウルトラ・スペシャルマイティ・ストロングスーパーよろい」やシャラガムなどがある。また、そのように実在するひみつ道具のように思わせたものには、「ラッキーやかん」(水田版アニメオリジナルエピソード「ラッキーやかん」)は、同サイトで紹介されていない(ただしこのサイトは2022年6月現在、「かくれマント」及び「ウルトラストップウォッチ」等といった一部のひみつ道具について、作中で明確に存在及び登場している道具であるにもかかわらず紹介されていない)。


幻の展開編集

この『うつつまくら』だが、小学館雑誌連載当時には、もう2ページ分の展開があった。実世界に戻る前に、のび太の両親がやたら親切になって宿題を手助けする夢があったのだが、原作で作者が蛇足と感じたのか、コミックス収録時にまるまる削除された(この展開は、大全集『ドラえもん』にも収載がない。初連載時とコミックス収録時に全く展開の異なる、いわばセルフリメイクされた『水たまりのピラルク』のように、小学館学習雑誌を確認しないとわからない話の一つである)。



関連項目編集

ドラえもん ひみつ道具 ドラえもんのエピソード一覧

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