エスピラル(MS)
えすぴらる
特殊部隊「サーカス(Thou-Cus)」が運用する「サウザンド・カスタム」シリーズの1機に数えられるモビルスーツ。パイロットはディーヴァ・ダッダ。
可変MS「コルニグス」の簡易型として開発された開発未認可機。簡易型とは言えコルニグスのコンセプトを強化する方向で開発が進められており、本体にミノフスキー・クラフトを搭載する事で機体を浮遊させ、胴体側面に配された二基のリング状パーツに、推進システムと高出力ビーム砲を装備した同型のアーム(その内二本は腕として使用する事からマニピュレータを装備する)を合計六基配置し、このアームを高速で移動させる事によって複雑な機動と全方向への射撃を両立させている。
内蔵されているビーム砲とジェット推進は高圧かつ高出力で一発でもファントムの防御を揺るがし、機動性もファントムと同等かそれ以上である。リングについてるアームの基部や肩アーマー、関節は360度可動し、あらゆる方向へ向けることができる。
本来は宇宙用の機体として開発されていたが、アーム全てに推進装置を内蔵した結果として推進剤(熱核スラスター用燃焼剤)の積載容量不足から稼働時間の低下を招いてしまい、更にパイロットがこの複雑なシステムを使いこなせば使いこなす程に、稼働時間が短くなってしまうという致命的とも言える欠点が露呈してしまう。この事から、推進システムを空気圧縮式のジェット推進システムに換装することで解決させた。しかしながら、当然これは大気が十分にある環境――つまり地上でなければ運用不可能な機構であるため、正式な採用を見送られたという経緯を持つ。
劇中においてハロロからは「既存の技術を組み合わせただけ」という低評価を受けているが、宇宙世紀100年代において、ミノフスキー・クラフト搭載機は頭頂高が30mを越えていた事や、上記コルニグスの大気圏内用追加ユニットにさえ通常の熱核スラスターしか搭載されていなかった事を鑑みると、本機の細いボディフレーム内にミノフスキー・クラフトを搭載させた技術力は、驚異的と評していい。
開発部の目下の目的は、この技術的な問題を克服し、この機体を宇宙で使用できるようにする事にあると言える。