カルメロ(MS)
かるめろ
特殊部隊「サーカス(Thou-Cus)」が運用する「サウザンド・カスタム」シリーズの1機に数えられるモビルスーツ。パイロットはマーメイド・ヌブラード。
水中戦仕様の開発未認可機。海が無い(=大量の水を自由に使えない)木星に於いて、大量の水の中で活動する機体を設計する事は困難であったが、過去の地球侵攻にあたり、沿岸部から都市部を攻撃する事に対する有効性に着目した開発部が、「水中で接地した状態で遠距離攻撃可能な機体」として考案した機体がこのカルメロである。
背部に折り畳まれた展開式の脚部ユニットを有し、これを展開する事で水底に接地し、海上であっても安定した長距離砲撃を行う事が出来る。カルメロ自体は小型機に分類されるが、脚部を展開した際の全高は30mに達する。
防御力に関しては、水中に潜んでしまえば水が緩衝材となるという事もありあまり重要視されておらず、水陸両用モビルスーツが接近戦を仕掛けてきたとしても脚部に装備された8基の水流ジェットエンジンを用いる事で敵の接近を拒み(カルメロ自体は接地している事から水流に流される事はない)、巨大な脚部はそれ自体が巨大な質量を持った「凶器」となりうるが、水流は側面に向けて発生させる事が出来ないという欠点を有する。
なお、地形(地域)によるが、一般的に水深30m程度となるのは沿岸から2,000~3,000mという極近距離であり、ミノフスキー粒子下とはいえセンサー有効半径内に探知される距離である(当時代はゾロアットでさえセンサー有効半径は30,000mに達しており、軍事基地の場合は当然更に広がる)。加えて、静止状態での精密狙撃という運用思想上、目標の狙撃後は即、海中へ離脱しなければ、海上に出ている上半身が簡単に攻撃に晒されてしまうため、「一騎当千」というよりは市街地(センサーによる警戒を行っていない地域)へのテロ行為、または敵沿岸部拠点への威力偵察を想定した機体と見なすべきである。
無論、深度のある海域も高速で航行可能ではあるが、木星開発陣が地球環境に対してい未だに理解が浅い事が災いして、深海では重い頭部の方が下になってしまう仕様となってしまっている。よって、離脱のための長期潜航および潜伏の際に木星出身パイロットが受けるストレスは、「1Gが24時間かかるだけでもつらい」というベルナデット・ブリエットの言葉から察するに、凄まじいものとなるため、強靭な精神力と忍耐が要求されるのは想像に難くない。
遠距離攻撃用の機体という事で、携行武装には長射程の専用ビーム・ライフルを装備する。本武装は木星戦役時にクロスボーン・ガンダムX-2改が「バスター・ランチャー」として運用していた装備と同型のようだが、カルメロ本来の武装か、X-2改のものを流用したのかは不明。