概要
- 専門用語の簡単な解説
- 自然放電(しぜんほうでん)
- 「自己放電(じこほうでん)」とも。放電の一種で、電池本体を機器から取り外している(=電気回路を形成していない)状態でも、電池内部で起こる化学反応などで電池容量が時間の経過とともに減っていく現象。
- メモリー効果
- 二次電池の欠点のひとつ。電池を放電終止電圧のまで放電せずに充電すると、放電中に充電開始した電圧付近で起電力が顕著に下がる現象。分かり易くいえば「電池切れまで電力を使い切らず電池残量40%まで消費した状態で残量50%まで充電、そこから30%まで消費しようとすると、残量40%付近で電池の出力が下がってしまう」こと。〈出典;メモリー効果 - Wikipedia〉
eneloopとは、三洋電機が開発した乾電池型ニッケル水素電池のブランド名である。
従来のニッケル水素電池には「自然放電が多い」「メモリー効果がある」「乾電池と比べてコストが高い」といった欠点があった。しかしeneloopでは、素材の改良などで、自己放電の少なさと充電回数の多さを実現。またメモリー効果についても通常の使用では「気にするな」といえるレベルまで低減されているとのこと。
二次電池でありながら長期間の保存に耐える、継ぎ足し充電が可能であるという特徴を有し乾電池型であるため汎用性も高い。充電することで繰り返し使えるうえ乾電池並に使い勝手が良いことから、現在ではマンガン乾電池、アルカリマンガン乾電池、ニッケルカドミウム乾電池を置き換える存在として広く用いられている。
2013年以降は三洋電機を子会社化したPanasonicによって販売されており、Panasonicの充電式EVOLTAと併売されていた。これ以降に開発された充電器は、EVOLTAと共通使用できる設計がなされている。
なお2023年4月より混乱を避けるため、EVOLTAはPanasonicブランドの使い捨て乾電池(マンガン乾電池とアルカリマンガン乾電池)の上級クラス名称とする形式に変更。充電式EVOLTAはeneloop系に集約・統合された。リニューアル後の価格は全体的に値上がりしているが、電池の容量も向上している。パッケージは紙巻きに変更されプラスチックの削減に繋げている。
ラインナップ
乾電池型二次電池
- 上級モデル
- eneloop pro
- 単三型「BK-3HCD」は2500ミリアンペア毎時、単四型「BK-4HCD」は930ミリアンペア毎時と、充電容量が高い。乾電池式デジタルカメラやストロボスコープ、乾電池式モバイルバッテリーなど消費電力の高い機器に適する。
- 中級モデル
- eneloop
- 単三型「BK-3MCD」は2000ミリアンペア毎時、単四型「BK-4MCD」は800ミリアンペア毎時の標準的な性能。オールマイティに使える。単一型の「BK-1MCD」、単二型の「BK-2MCD」も取り扱っている。「EVOLTA スタンダードモデル」はeneloopの上位クラスに分類されていた。
- 廉価版
- eneloop lite
- 単三型「BK-3LCD」は1050ミリアンペア毎時、単四型「BK-4LCD」は680ミリアンペア毎時と、充電容量が低め。リモートコントローラーや時計、電子式温度計や電子湿度計などの消費電力が少ない機器への使用を推奨している。大容量が足枷となるソーラーライトにも適する。「EVOLTA お手軽モデル」はeneloop lite相当の性能区分だった。
関連
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パナソニック関連
パナソニック以外
外部リンク
エネループ(ニッケル水素電池) - パナソニック商品情報