概要
エベンス大佐とは、田中芳樹の『銀河英雄伝説』の登場人物である。
CV:池水通洋(石黒版OVA)/石井康嗣(Die Neue These)
病的な軍隊至上主義者であり、視野の狭さが目立つ人物でもある。
銀河帝国との捕虜交換直前、同盟軍は主流派のトリューニヒト閥と、非主流派の反トリューニヒト閥の間に深刻な対立が起こっていたが、
「クーデター作戦計画書」をもってアーサー・リンチ少将が帝国から帰国。
成功の確率が高い「クーデター計画」に査閲部長・ドワイト・グリーンヒル大将、情報部長・ブロンズ中将、第11艦隊司令・[「ルグランジュ>ルグランジュ(銀河英雄伝説)]]中将ら軍首脳部が加担、
エベンス大佐やアンドリュー・フォーク予備役准将、クリスチアン大佐、ベイ大佐、バグダッシュ中佐などの将校も参加し「救国軍事会議」が結成された。
クーデターは、フォークが統合作戦本部議長・クブルスリー大将を狙撃した時から始まる。
同盟軍宇宙艦隊司令長官・アレクサンドル・ビュコック大将をはじめとする軍部や政府の要人たちが次々に逮捕・拘束され、主要基地も反乱軍が制圧、クーデターは成功するかに思えた。
しかし、首都ハイネセンから遠く離れたイゼルローン要塞駐留艦隊司令・ヤン・ウェンリー大将が「クーデターに反対する」ことを表明し、艦隊を率いて首都ハイネセンに侵攻を始めると、
首都ハイネセンでは同盟評議会議員・ジェシカ・エドワーズが「反クーデター市民集会」を主催、集会を監視していた反乱軍が市民を武力鎮圧、エドワーズが死亡させ多くの市民を死傷させるに至った。
この事件により民心は「救国軍事会議」から離反し、第11艦隊も壊滅したことにより「救国軍事会議」の敗北は決定的なものとなった。
敗北を認めたグリーンヒルら「救国軍事会議」首脳部を前に、リンチは
「クーデター作戦計画書は帝国軍宇宙艦隊司令長官・ラインハルト・フォン・ローエングラム元帥が門閥貴族との戦いを同盟に邪魔されないために作った」
「帝国の野心家(ラインハルト)に利用された」
「お前たちが恥をかくところが見たかった」と暴露、
エベンスはなおも
「ハイネセン市民を人質にとる」ことを主張したが、
グリーンヒルに
「これ以上の抵抗は国に禍根を残す」
「自殺するのも、軍法会議を受けるのも個人の自由だ」
として敗北を受け入れることを決定した。
直後、激高したグリーンヒルはリンチを射殺しようとしたが、逆に撃たれて死亡、
リンチもエベンスらに撃たれて死亡した。
この直後、エベンスは「作戦計画書を焼却する」ことを指示、ヤンとの通信にのぞんだ。
「クーデターは帝国を倒すために挙国一致体制を作るための一時的なものであり、帝国を倒せば民政に戻すつもりだった」
これに対する、ヤンの返答は冷ややかだった。
「帝国との戦争は長く続いているが、いまだ終わることはない。帝国を滅ぼすまでと言うが、貴官らはいつまで一時的な挙国一致体制をつづけるつもりか」
ヤンの返答に、エベンスも返答に窮したが、考えを変えることはなく、
「救国軍事会議万歳」と返答を返した直後、自殺してしまった。