プロフィール
概要
帝国領侵攻作戦時第1艦隊司令官、当時の階級は中将。第1艦隊は首都警備や治安維持を任務とする艦隊で、帝国領侵攻作戦には参加しなかった。
帝国領侵攻作戦敗戦の責任を負った統合作戦本部長シドニー・シトレ、宇宙艦隊司令長官ラザール・ロボス両元帥、宇宙艦隊総参謀長ドワイト・グリーンヒル大将などの首脳部の総退陣にともなって統合作戦本部長に就任し、大将に昇進。
新たに宇宙艦隊司令長官に任じられたアレクサンドル・ビュコック大将とともに同盟軍の再建に乗り出す。
しかし、残された同盟軍艦隊は第1、第11各艦隊、第13艦隊を母体とするイゼルローン要塞駐留艦隊のほかにはラルフ・カールセン少将、ライオネル・モートン少将、サンドル・アラルコン少将らが指揮する独立艦隊がいくつか存在するのみであり、新たな制式艦隊は司令官もいなければ、艦船も人材もない悲惨なありさまであった。
宇宙歴797年、統合作戦本部の1階ロビーにおいて、現役復帰を直訴したアンドリュー・フォーク予備役准将に銃撃され負傷し、長期の療養を余儀なくされる(本部長代行には次長であったドーソン大将が就任)。クブルスリーの入院を機に「救国軍事会議」によるクーデターが起こる。
退院後、現場復帰するがすでに発言権はなく、トリューニヒト派の圧力を受け辞任、退役。
後任はトリューニヒトに受けがいいドーソンが就任するが、小心・陰気な性格が現場の艦隊指揮官には嫌われていたという。
人物
温厚な人柄で筋の通った性格の持ち主。士官学校を優秀な成績で卒業したのち、堅実な成果を挙げいずれ軍のトップにつくと目されていたが、アムリッツァでの敗戦を受け早まった。ヤンを高く評価しており幕僚総監としてそばに置くつもりだった。
政治的なことを語ることはないが反トリューニヒト派に属しており、「ヤン・ウェンリー査問会」が極秘に開かれたおりにはビュコックともども知らされておらず、フレデリカからその事実を知らされたビュコックは「大海のなかに孤立する岩」と自嘲している。
名言
作中では統合作戦本部長就任後にフォークの暴挙で重傷を負わされるしか出番はないが、その数少ない場面が非常に印象的である。アムリッツァ星域会戦の失態で予備役から現役復帰を求めるフォークに正規の手続きを踏むように言い聞かせ、それでもクブルスリーの権限での特別扱いを求めるフォークに対して、
「フォーク予備役准将、君は何か誤解をしているのではないか。私の権限は手順を守らせるところにあるので、手順を破るところにはない」
「まず君は守るべき手順を守る事から始めることだ。でなければ復帰したところで協調を欠くことになるだろう。君にとっても周囲にとってもそれは不幸なことだ、悪いことは言わんから出直しなさい」
この正論は彼の軍の首班・組織人としての信念を現していると言えるだろう。しかし、この正論をフォークは聞き入れられず、銃撃されるという結果を招いてしまう。石黒版OVAでは、この場面が唯一の登場シーンとなっている。