概要
同盟側登場人物。
士官学校教官、憲兵隊司令官、国防委員会情報部長、第1艦隊後方主任参謀を務めるなど後方勤務が多い軍歴を持つ。
宇宙暦796年、「帝国領侵攻作戦」で惨敗を喫した自由惑星同盟では作戦に反対したヨブ・トリューニヒト国防委員長が最高評議会議長に就任、新体制が発足した。
軍部もまた、統合作戦本部長・シドニー・シトレ元帥、宇宙艦隊司令長官・ラザール・ロボス元帥が責任をとって退役、総参謀長・ドワイト・グリーンヒル大将が査閲部長に左遷となった一方、後任の統合作戦本部長には第1艦隊司令・クブルスリー中将、宇宙艦隊司令長官には第5艦隊司令・アレクサンドル・ビュコック中将が就任、それぞれ大将に昇進した。
ドーソンが統合作戦本部次長に就任したのもこの時期とされている。
宇宙暦797年3月、クブルスリー大将がアンドリュー・フォーク予備役准将に狙撃され長期療養生活に入ると、ドーソンは統合作戦本部長代理に就任、暫定的とはいえ軍部のトップにたった。
がその直後、ドワイト・グリーンヒル大将率いる「救国軍事会議」がクーデターを起こすと、クーデターに参加してなかったビュコック大将ら軍高官を拘束、消息はわからないが、ドーソンも第1艦隊司令・パエッタ中将らと拘束されたものと思われる。
「救国軍事会議」が起こしたクーデターはヤン・ウェンリー大将率いるイゼルローン駐留艦隊に鎮圧され、クブルスリーも現役復帰したが、トリューニヒト派からの圧力などもあり病気を理由に退役、ドーソンは後任の統合作戦本部長に就任することになる。
宇宙暦798年、皇帝・エルウィン・ヨーゼフ2世が門閥貴族の残党に誘拐され、自由惑星同盟に亡命、「銀河帝国正統政府」を樹立する事件が起きる。
銀河帝国の実権を握る宰相・ラインハルト・フォン・ローエングラム公爵は帝国軍を率いてフェザーン回廊から同盟領に侵攻してきた。
迎え撃つ同盟軍は雲隠れしたトリューニヒトに替わり、国防委員長ウォルター・アイランズのもと、ヤン、ビュコック、ドーソンを元帥に昇進させ、新設した第14艦隊司令にライオネル・モートン中将、第15艦隊司令にラルフ・カールセン中将をあてる人事を行った。
ランテマリオ星域会戦で敗れた同盟軍は、イゼルローン駐留艦隊を中心に再編、ラインハルト直属艦隊を敗北の淵へ追いつめていく。
しかし、同盟軍がラインハルトを射程距離に収めた瞬間、同盟首都ハイネセンから停戦命令が発令され、帝国と同盟の間で「バーラトの和約」が締結されるにいたった。
終戦後、降伏した同盟軍幹部はヤンやビュコック、ラルフ・カールセンなどが罪に問われることがなかった一方、軍部のトップであるドーソンは身柄を拘束され、罪を問われることとなった。
以降の消息についての記述は一切ない。
人物
陰険・無能と評され、恨みを忘れない嫉妬深い人物と評されている。
よく知られていることは「第一艦隊の後方主任参謀時代に各艦のごみ箱をチェックしてジャガイモが何十キロも無駄に捨ててあったと発表し、兵士達をうんざりさせた」、「テストで成績の悪い士官学校生に勉強の有無を確認し、どう答えても嫌味で罵る」、「自身より士官学校卒業時に席次が良かった同期が降格し、部下になった際にはイビリ倒した」の三つがある。陰険な性格から「あいつがイゼルローン要塞駐留艦隊司令になったら、要塞が寄宿舎になってしまう」とダスティ・アッテンボロー少将に悪口を言われていることである。
なお時系列的に最初に登場したのは、ヤンによるエル・ファシル脱出行の前後のことであり、ドーソンは士官学校の教授で、生徒であったアッテンボローはドーソンにいびられていたことをヤンに愚痴っていた。
また、当時31歳のヤンと自分(当時50代後半)が同じ大将であることを妬んでいる節もあり、ヤンはユリアン・ミンツにそのことを気をつけるよう言われている。とはいえ、この件は「ビュコック提督みたいな方じゃないとまず嫉妬する」と忠告しているため、そこまで異常な事ではない。なお、上記のとおり初登場時のドーソンの年齢は50代後半(当時70歳になるビュコックより14歳年下)だが、ヤンはユリアンに「40代半ばくらいでは?」と語っているので、実年齢より若く見える風貌なのかもしれない。
艦隊指揮や作戦立案能力、事務能力など、おおよその軍事的能力に乏しい人物と見られているが、情報の機密保持に関しては才能があったとされ、銀河帝国皇帝・エルウィン・ヨーゼフ2世亡命の際にその能力が発揮された描写が僅かに見られる。
ただし、帝国軍の大規模侵攻に際しては「顔色と食欲を失って職務を停滞させかけた」ため、軍の首班としてはイマイチ頼りない人物だった事は間違いない。