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概要編集

古墳時代を舞台に「日本最古のヒーロー」カムヤライドの活躍を描く。


その時代背景ゆえ漢字や読み仮名は現代ではなじみの無い物が多い。


あらすじ編集

紀元2世紀。葦原中国の南、筑紫日向国に、宇宙から巨大な何かが墜ちた。


後に天孫降臨と呼ばれるその事件を境に島中の土壌は汚染され、各地の土着信仰と混ざり、八百万の神の形をとった土くれの怪物国津神を生み出し、人々を脅かし始めた。

この未曾有の災厄を収束させるべく、日向国に起源を持つヤマト族は、各地の国津神を破壊しながら東征を続け、やがて全ての国津神を討伐する。そして強大な王権をもって国を築き、葦原中国を平定した。


それから時は流れ、4世紀。

熊襲の長・カワカミタケルを討伐して「ヤマトタケル」として名を上げるべく、挙兵し筑紫へ赴いた朝廷の王子・オウスは、異形の何かへと変生し、人を超えた力を手にしていたカワカミタケルたった一人に軍勢を壊滅させられ、ただ一人生き残ってしまう。

自由を奪われ、あわや凌辱されると思われた矢先、カワカミタケルはオウスの首に掛けていた埴輪に触れた途端に爆散する。

そこへ、筑紫へ発つ前に安芸で出会い、埴輪をくれた陶芸家の男・モンコが現れ、カワカミタケルは「神」に力を授かったと語る。


そしてオウスの目前で神殺しの戦士・カムヤライドへと変身し、地面を破って現れた巨大な国津神と戦い、破壊して小さな埴輪に封印した。


紆余曲折の末、復活した国津神を倒してそれぞれの本懐を遂げる為、モンコとオウスはバディを組み、日本中を巡る旅に出る。


登場人物編集

主人公編集

モンコ

飄々とした雰囲気の青年陶芸家。日本全土に埴輪を流行らせる事を目指して旅をしている。過去の記憶をほとんど失くしており、自身がなぜ変身能力を持っているかを覚えていない。変身能力の副作用なのか、水に浮かない体質になっている。

  • カムヤライド(神逐人)
    • モンコが変身する、長い触角と全身を覆う赤い鎧が特徴の戦士。天孫降臨の影響を受けていない聖なる土「旧き土(グリッタ)」でできた埴輪「輝旧土(カグツチ)」を「ライド」の掛け声とともに右足で踏みつけ、地面に混ぜることで変身する。海上など土のない場所では変身できないが、土さえあればごく少量の土埃でも変身可能。
    • 身軽さを活かした徒手空拳が基本スタイルで、主に足技を多用する。
    • 右足には触れた土を自在に操る力が宿っており、地形を変えたり自身のカカシを作ったりと、トリッキーな用法で戦局を目まぐるしく変化させる。
    • 仮面から発する光線で国津神の体に前方後円墳型の鍵穴を穿ち、そこへ右脚から展開されるカギをキックの要領で挿し込み、そのまま体をひねって「施錠」することで、国津神の巨体を元の土くれに還元し、本体の神格を小さな埴輪の形に封印する。
  • ノミの宿禰
    • 伝説の力士として伝えられているが、本作では土器造りの一門「ハジ一族」のかつての親方でモンコの正体とされる人物。ロクロを使わないにもかかわらず誰よりも正確にきれいな皿を作り上げる神業のごとき腕前を持つ。

オウス/ヤマトタケル

ヤマト王家の皇子の一人。中性的な容姿の美少年で、頻繁に土蜘蛛の触手プレイの被害に遭う。

熊襲制圧が自分の功績ではなく、他の国津神との戦いでもモンコに終始頼りきりだった事から、「ヤマトタケル」を名乗る事に消極的だったが、国津神「大高殿(タカバルドン)」との戦いを経て、改めてヤマトタケルを名乗り、神の暴威に脅かされる民を救うべく改めてモンコの旅に付いていく。

モンコから連射のきく片手銃モードと高威力の長弓モードを切り替えられる鳥型の射撃武器「弟彦公(オトヒコキミ)」を授かる。


ヤマト王家編集

現・大王でオウスの父。かつてノミの宿禰を処刑した。

指紋が同じことからモンコ=ノミの宿禰と判断し、再び処刑しようとする。


  • オオウス

殺伐とした王室の中で唯一オウスが「兄」と呼び心を開いている人物。

時々弟が「不謹慎と取られる」と心配するぐらい艶っぽくなる。


黒盾隊編集

王家直属の精鋭部隊。その名の通り大型の盾で武装している。


  • オトタチバナ

隊長である筋肉質な女性。心意気を大事にし正々堂々とした戦い方を好む。心意気を語るときの「いい女は○○」が口癖。それなりに有名なオウスを知らなかったりモンコの策にまんまとはまったりと、頭を使うのは苦手。

    • 女盾攷(メタル)

「魂遷(ダウン)」の掛け声で離脱したオトタチバナの魂が黒金の盾に宿り、変形したもの。黒金は天孫降臨後に生まれた物質であるため、国津神を倒すことが出来るが、カムヤライドのように封印はできない。体は別だが女盾攷が受けたダメージはオトタチバナの体にも反映される。相手の攻撃をよけず固い体で受け止め、プロレスのような豪快な投げ技を得意とする。

必殺技は右手首を引き抜くことで現れる光剣「熖赫才刃(ホトホルセイバー)」。

こちらも名称や容姿から宇宙刑事シリーズなどメタルヒーローがモチーフと思われる。


  • ワカタケ

副隊長である小柄な女性。脳筋だらけの黒盾隊の軍師のような存在で、オトタチバナからの信頼は厚い。


  • その他構成員

筋肉質の大柄な男が大半。ワカタケの指示で様々な陣形を取り戦う。

オトタチバナ同様脳筋だが、積極的に攻めるより「守る」事を重視し、王と民を守るためなら国津神相手でも怯まず、それは一般衛兵や捕獲対象のモンコですら例外ではない男の鑑のような達。


モンコの関係者編集

  • ノツチ

薬師である高齢の女性。「慈善事業ではない」と治療した相手に過酷な労働を求める。記憶を失ったモンコを発見し治療した人物で、「モンコ」と名付けたのも彼女。彼には「師匠」と呼ばせている。


  • トレホ

ハジ一族の現親方。土でモンコを別人の顔に仕立てたりとかなりの腕前を持つ。土器造りの腕前の差からモンコとノミの宿禰は別人と考えていた。


  • サンゴ
  • カゼワ

トレホの弟子。サンゴは礼儀正しい男性でカゼワはギャルのような口調の女性。


「開ける者」編集

『ニ=ギ』復活を企む謎の一派。


  • ウズメ

神経質な性格の男性。日本各地で国津神を復活させている。絵は下手で彼の書いた似顔絵では判別ができない。

怪人体は両腕に鋭い爪を持ち昆虫のような顔をしている。


  • イシコリドメ

カタコトの日本語で話すワイルドな外見の女性。人を殺すことに快感を覚える。ウズメと違い大雑把な性格で彼とは犬猿の仲。

    • アマツ・ミラール

イシコリドメの怪人態。『ヤサカニヤタガミ』というアイテムで変身する。腕から放つ光線と頭部から伸びた触手が武器。防御力は低い。


  • コヤネ

土偶のようなバイザーで目元を覆った少女。基本的に人の話を聞いていないらしく話しかけられるたびに聞き返している。他人の視界を共有する能力をもつ。

    • アマツ・ノリット

コヤネの怪人態。イシコリドメ『ヤサカニヤタガミ』というアイテムで変身する。現代の楽器に似た姿をしており音で攻撃する。さらに弾丸のように爪を音速で放つ能力もある。


  • タマノヤ

髪を三つ編みにした男性。ウズメになついていて手作りの帽子を自慢したり料理を作ってあげたりしている。ウズメのほうもタマノヤにはあまりきつく言わない。怪人体は飛行能力を持つ。


  • フトタマ

メンバーのまとめ役である豊満な体格の女性。

長髪とスキンヘッドのスタイルのいい女性の二人に分裂する能力を持つ。


国津神編集

土壌に含まれる物質の影響を受けた能力を持つ。ただ破壊しただけでは数千年後に復活してしまうらしい。


  • 熊羆神(フューリー)

熊に似た熊襲の国津神。鼻とマズルに見える部分が眼球になっており、浮遊する両手のユニットと胸の三日月模様から山をも砕く熱線を放つ。カムヤライドとの戦闘ではビームをことごとく躱された末、自らがビームで吹っ飛ばした大量の埴輪が時間差で降ってきた事で起きた爆発で視界を奪われた隙に眼球を潰され、立て続けに封印の一撃を叩き込まれて封印された。


  • 御食魚神(ミケーナ)

イルカに似た那智の国津神。額から放つ破壊音波が武器。ウズメによって解放されるが、ヤマトの匂いを感じ取った事で彼に襲い掛かり、その場で粛清されてしまった。


  • 長鳴鳥神(ガーナッキ)

鶏に似た日向の国津神。常に浮遊しており、目にも止まらぬ高速で動き、頭部のムチのようなトサカを振り回して攻撃する。モンコが撒き散らしたグリッタによって動きを見切られ、オウスのオトヒコキミによる狙撃で基部を破壊された後、怯んだ隙に封印の一撃を受け、湖の水を巻き込みながら封印された。


  • 小歯魚神(サバット)

魚に似た菟狭の国津神。オトヒコキミの一射で砕け散る。正体はマナカマの触手の先が魚の形に変化したものであり、末端を潰す程度の威力しかないオトヒコキミで撃退できたように見えていただけだった。


  • 無目堅間神(マナカマ)

タコに似た瀬戸内海の国津神。瀬戸の菟狭の氏族に力を与え、土蜘蛛に仕立てた張本人。触手の先を別の物に擬態させる能力を持つ。土が無い海上で変身できないモンコとオウスを追い詰めるが、モンコはオウスの一射で海底に沈み、その泥を利用して変身。真下から封印の一撃を叩き込まれ、錠を下ろさせまいと触手を伸ばして抵抗するが、触手はオウスにより破壊され、今度こそ封印された。


  • 高大殿神(タカバルドン)

出雲の国津神。一見八本の支柱を持つ高殿が怪物化ような姿に見えるが、実際は八つの頭部を持つ蛇が逆さまになっている。全身を出雲の土に含まれる大量の鉄でコーティングしているため、物理攻撃はほとんど通用しない。ガーナッキの埴輪にオウスの矢で小さな穴を開け、勢い良く噴き出た大量の水で鉄の皮膚を切り裂かれ、円く切り取られた箇所に封印の一撃を受けて倒された。

    • 高大殿神・尾(タカバルドン・スヱ)

ヤマトタケルに憧れる青年イズモタケルが拾った土蜘蛛を倒せる土剣。正体はタカバルドンが本体が倒された時の保険として切り離していた尾。本体が封印されたことで活動を始め、使用者を乗っ取って無防備なモンコを鉄の舌で襲うが、オウスの埴輪爆弾を使った決死の作戦でイズモタケルと強制的に分離させられ、無力化された。

  • 楽々森神(ザザモーラ)

猿に似た出雲の国津神。高大殿神に素材を多く使ったため小柄だが動きは素早く、木々を利用した立体的な動きで敵を翻弄する。下半身は両手と同じ三本指の巨大な手になっており、大木すら握りつぶす握力を発揮する。オウスとの対決では、砂煙で視界を遮られるも匂いで位置を察知して彼を追い詰めるが、辺りに転がるウズメに殺されたヤマトの援軍の死体に潜り込まれて匂いを誤魔化され、モンコと戦うウズメを不意打ちしようとしたタイミングで三本目の腕を現出させたウズメにより四枚に卸され、爆散した。


  • 横去神(ヨコザラシ)

蟹に似た難波の国津神。全身が巨大な鋏になっており、人間を溶かす毒の霧を発生させる。同時に2体出現した。


  • ????

蝉に似た菟田の国津神。戦車のような幼虫の姿から戦闘機のような成虫の姿に脱皮する。成虫は音速を超えたスピードで飛行する。


  • 金字塔神(カンジット)

鹿に似た毛野の国津神。記憶を失ったモンコが最初に戦った国津神。体に硝石を含むため炎を吐く。


国津神に力を与えられ、怪物と化した人間。眼球が八つになり、背中からは蜘蛛の脚が生える。普通の人間では太刀打ちできない力を持ち、一国の主クラスの者が変生したものは大軍すら一人で圧倒する。水夫など海や水場に精通する者が変じたものは水蜘蛛(みずくも)と呼ばれる。


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