概要
カルティケーヤは「クリッティカー(krttika)に結びつく者」を意味する。
スカンダがガンガーから生まれた時、その養育を6人のクリッティカー(すばる、プレアデス星団の神)が行ったことから名づけられた。なお、カルティケーヤ(スカンダ)はクリッティカー全員の乳房から乳を飲んだため六つの頭を持つ存在になったといわれる。
クリッティカーに育てられたカルティケーヤは星やそれに伴う運命と関係が深い神であり、グラハ(惑星)の主という地位を持ち、彼のヴァーハナである孔雀パラヴァニの名は『年』を意味する。そのため、星座の位置が一年経ってまた同じ場所に戻るのは、カルティケーヤがパラヴァニに乗って天空を駆けるためと考えられた。また、カーリダーサの「王子の誕生」でカルティケーヤが戦う相手とされたアスラのターラカはその名が『星』を意味し、詩中で彗星に擬して表現されたことから、両者の戦いは天体の運行の正常化を表現するとされる。
なお、スカンダ(カルティケーヤ)に関わる信仰は女性蔑視的な一面を持つ。顕著な例では彼の神殿は女人禁制であり、スカンダ本来の疫病神としての働きに加えて世の母たちに産褥熱をもたらし、幼児に病魔をけしかける存在とされた。これらの悪事には養母であるクリッティカーが手を貸すとされ、祭儀はスカンダだけでなくクリッティカーの心も鎮めてから行うことが定められている。
また、軍神であるカルティケーヤは戦争に最も関係があるカールッティカ月(10月~11月)の語源とされる。
女神転生シリーズのカルティケーヤ
初出は「真・女神転生デビルサマナー」で種族は“破壊神”。
デザインは孔雀に乗る槍を手にした青年で、力と速の値が高く、通常攻撃が複数回という攻撃重視の能力を持つ。
以降のシリーズにも継続して登場し、作品によっては防御相性に変化も見られるが、基本は物理攻撃に特化した性能が目立つ。
「デジタルデビルサーガ2」では、ジェナ・エンジェルの直属士官が変身する悪魔として登場。銃撃が弱点だが、敵からの命中率を5分の1に低下させる“極彩の疾風”を展開し、強力な衝撃・電撃属性スキルやクリティカル率の高い“千軍の槍”で毎ターン猛攻をかけてくる強敵である。
「真・女神転生Ⅳ」のチャレンジクエスト「博愛からの逃亡」は、母であるパールヴァティの下から逃げたカルティケーヤを追いかけ説得するというものだが、パールヴァティがカルティケーヤを抱きしめて六頭一身の肉体にしたという逸話のごとく女神の過剰な母性が彼の逃亡の発端とされている。
「D×2」では物理命中率とクリティカル率に補正が乗る固有スキル「韋駄天」を持っており、アウラゲート26層目でシンボルエンカウントする個体(パールヴァティの編成が必要)を倒してシヴァ+パールヴァティ+スパルナを多身合体させると入手可能。
なお、「ペルソナ3」や「ペルソナ4」ではアルカナ「星」のペルソナとして登場。
このアルカナが充てがわれたのも、星に関する神だからであろう。また、韋駄天からの連想からか「刹那五月雨撃」を習得するのも特徴。