「総統のお誕生日には、3つの星の制覇をプレゼントできましょう」
CV:柴田秀勝
概要
『宇宙戦艦ヤマトIII』にて登場したガルマン・ガミラス帝国の軍人。「ガイデル提督」とも呼ばれる。シリーズ内でヤマトに完勝した数少ない人物。
ガルマン・ガミラス帝国が銀河系の東西南北4方面に派遣した軍のうちの一つ、東部方面軍の総司令。東部方面軍前線司令部という宇宙要塞から各軍の指揮を執っている。
西部方面軍のヒステンバーガーが思うように成果を挙げられないのとは対照的に、部下のダゴン将軍率いる第18機甲師団艦隊の快進撃もあって、4方面軍でも特に大きな成果を上げており、デスラーの覚えもめでたい。
地球とガミラスの関係を知らなかったためガミラス人ではなくガルマン人であると思われ、2024年11月刊行の小説『宇宙戦艦ヤマト黎明篇』にて公式でも明言された。
経歴
東部方面軍の総司令として多大な戦果を挙げており、会議ではデスラーから乾杯されるなど、順風満帆な状態だったが、太陽系でダゴンがヤマトに敗走すると状況が変化。東部方面軍で最も戦果を挙げていたダゴンは、ヤマト相手に何度も敗北を重ねることになる。それでも東部方面軍としては初期の目標をほぼ達成していたため、デスラーからの信頼は揺らいでいなかった。
やがてダゴンが戦死すると、自ら対ヤマトの陣頭指揮に出ることを決意。子飼いともいえるフラーケン大佐の次元潜航艇ガルマンウルフ号の招集し、策を張り巡らせてヤマトの鹵獲に成功する。
しかし、意気揚々とデスラーに報告したのも束の間、報告内容を聞いたデスラーは突如として激怒。
「何故ヤマトの名を早く伝えなかった……ガイデル!(中略)オリオン椀最辺境の恒星系には手を出すなと言ったはずだ!!」
それもそのはずで、デスラーはかねてより太陽系には手を出さないように彼に言い含めていたのである。しかし、その真意を理解していなかった(教えていなかったデスラーも大概だが)ガイデルは、ダゴンが地球へ侵攻しようとしたことを咎めることなく、バース星攻略の邪魔をされたためという理由でヤマトと敵対する道を選んでしまった。そしてデスラーに対しては「こよなく美しい星と、その星の手強い戦艦」としか伝えていなかったため、状況を把握できないデスラーから止められることもなく自ら崖っぷちまで突き進んでしまったのだった。
デスラーに雷を落とされたガイデルは途端に恐縮し、デスラーの指示で本星とヤマトの直接通信を繋いだ。また、デスラーがヤマトを本星に招待した時「ガイデルに案内させよう」と言っているので、彼が本星までの道のりを教えたものと思われる。
その後は一切劇中に登場せず、デスラーを激怒させる大失態を犯した後の彼の進退については不明なままフェードアウトする形になった。
時を経て『黎明篇』第2部「マリグナント・メモリー」で再登場。デスラーを激怒させてしまったとはいえ、それまでの多大な成果を鑑みて処刑や更迭は免れたらしい。
『完結編』冒頭の大災害「銀河交叉」の後、ガルマン・ガミラス帝国が「マゼラン・エクソダス」という計画にて国家単位でマゼラン星雲まで疎開することになった際、銀河系に残ることを選択した同胞の生命・財産の保護を担う「銀河系総督府」を設置。ガイデルはその責任者たる「銀河系総督」という役職に就いている。また、総督府はガイデルがかつて運用していた東部方面軍前線司令部を流用している。
愛沢ひろしの漫画版『ヤマトⅢ』では、ヤマトを鹵獲するまでは概ねアニメと同じだが、その後デスラーの指示でそのままヤマトとともに惑星ファンタムに向かう。
しかし、その動きを感知したボラーが、ファンタムに監禁しているシャルバート星のルダ王女を渡さないために総力を挙げて出撃し、ルダ王女を乗せたヤマトを攻撃してくる。ガイデルはヤマトをシャルバート星に向かわせ、自らは宇宙要塞で盾となってボラー艦隊を足止めする。援軍のデスラー艦隊が駆け付けた時には、要塞は破壊され、ガイデルも戦死していた。
余談
- 初期設定名は「ドーナッツ」。
- 当初の『ヤマトⅢ』全52話プロットでは後半でもドーナッツの登場する回があるため、おそらくそこで再戦する予定だったと思われる。見方を変えれば打ち切りになったおかげで勝ち逃げできたともいえる。
- 『宇宙戦艦ヤマト2199』でガル・ディッツ提督が登場するまで、ガミラス系国家で唯一「提督」と呼ばれる人物だった。しかし提督とは通常海軍の将軍のことなので、海軍(艦隊など)以外も統括する立場であろう彼を提督と呼ぶのが正しいのかというと微妙なところ(むしろ艦隊指揮官のダゴン将軍の方が似つかわしいともいえる)。