概要
『宇宙戦艦ヤマトⅢ』に登場するガルマン・ガミラス帝国の新型正式空母である。旧ガミラス帝国の三段空母を発展させた大型艦。
デザイン担当は板橋克己。
劇中では二度もヤマトに敗れた東部方面軍のダゴン将軍へ、上官である総司令のガイデル提督が最後のチャンスとして与えた第17空母艦隊の1隻として初登場する。
この第17空母艦隊は第1作の七色星団の決戦におけるドメル艦隊のセルフオマージュでもあり、元ネタの空母が三段空母3隻に戦闘空母1隻という構成なのに対して、こちらは戦闘空母3隻に二連三段空母2隻という構成になっており、本艦は元ネタの戦闘空母ポジションにいる(艦体色が赤いのもおそらく戦闘空母に倣ってのこと)。
特徴
スペック表
- 全長:540m
- 武装:回転速射砲塔×4基
- 艦載機:
- 雷撃機
- 重爆撃機
- 双胴戦闘機
解説
最大の特徴は、三段の飛行甲板が左右に2つ並ぶ双胴型の艦体をしていること。
飛行甲板は左舷側が発艦用、右舷側が着艦用として用途が分かれている。内部は繋がっており、着艦した機体はベルトコンベアで運ばれ、艦内をコの字に移動して発艦用甲板に到着する。弾薬・燃料が補給に関しては、移動経路の途中に存在する補給装置によって全自動かつほぼノンストップで行われる。そのため発艦用甲板に到着した機体は即座に再出撃することが可能で、これによって攻撃サイクルの大幅な短縮を実現している。
なお、パイロットの扱いに関しては不明。補給中に交代するのか、それともそのまま休む間もなく再出撃するのか。
左舷の発艦用甲板先端には瞬間物質移送機を備えている。従来型のような2本のビームを照射して交差点に移送空間を作り出すタイプとは全く異なり、飛行甲板に埋め込まれたピンク色の円形テーブルの上に1機ずつ機体を乗せて転送する仕様となっている。一旦発艦させた機体を一か所に集めたうえでまとめて転送する従来型とどっちが効率的なのかは分からない。
一方で砲熕兵器に関しては、外観上は回転速射砲塔を4基備えるのみで、直接戦闘能力は皆無に等しい。
経歴
ガイデルからダゴンへ供与された後、ヤマトへの復讐戦へと出撃。
ヤマトと接触した気象観測船を観測ステーションごと艦載機で破壊し、ヤマトを誘き出し、戦闘を開始する。
ヤマトへの攻撃隊の第一陣はコスモタイガーⅡによって返り討ちに遭い撤退するが、先述した補給機能によってすぐさま再出撃。ダゴン艦隊は多数の艦載機のローテーションによる波状攻撃を仕掛ける。
コスモタイガーⅡの補給作業が追い付かないヤマトは一方的に攻撃を受け、波動エンジンが損傷し、白鳥座の宇宙気流の中に追い込まれてしまう。
ヤマトがエンジンを復旧させて宇宙気流を突破すると、今度は瞬間物質移送機で艦載機を送り込み、再度攻撃を仕掛けた。絶え間のない攻撃に思うように身動きが取れないヤマトは近場の小惑星へ避難することになる。
ここまでダゴン艦隊はほぼ有利に戦闘を進めたが、相手のしぶとさに焦れていたところへヤマトが小惑星に逃げ込んだという報告を受けたダゴンが艦隊での直接攻撃を目論んだせいで、本艦も艦隊の一翼として前進。純然たる空母でありながらヤマトの直接戦闘圏内に入るという愚行を犯す。さらにはダゴンがヤマトを鹵獲しようと色気を出し、降伏勧告で2分の猶予時間を与えたために、ヤマト側の反撃を許してしまう。
戦闘空母がショックカノンによって次々と轟沈する中、本艦は煙突ミサイルを直下からまともに食らってしまい、内部の弾薬に誘爆して爆沈した。
その後、ガルマン・ガミラス本星で行われた建国一周年を記念した観艦式を行った際にも登場。デスラー総統や彼に賓客として迎えられたヤマト乗組員の前を悠然と飛行した。