「終末の贄が、空を舞っている」
『Fate/strange Fake』9巻のネタバレ注意!
全てを見通す目を持つ王は、幼き頃より己の運命を見定めていた。
純粋なる少年王は全てを見通す目で人と世界の在り方をただ見守り、傲岸なる英雄と化した王は恐怖と偉業をもって万物を踏みにじり、賢王として帰還せし王は民と共に歩む世に己の叡智と魂を捧げたと伝えられる。
ならば、その狭間は?
プロフィール
※ このプロフィールは本百科の推測であり公式によるものではないため注意。
概要
『Fate/strange Fake』に登場するアルターエゴクラスのサーヴァント。
劇中では純化されし片鱗と書いてアルターエゴというルビを振られている。
正体・経緯
現実にも伝承にも、決して存在しえなかった『狭間』。
つまりは、本来であれば有り得ざる英雄王ギルガメッシュのイフの姿である。
劇中でイシュタル&真バーサーカーにしてやられ、霊核を砕かれる致命傷を負った偽アーチャーにマスターのティーネがスノーフィールドの大地の魔力を使ってかろうじて崩壊する霊基を維持するも、それだけでは仮死状態のまま留めるのが関の山であった。
しかし、物語の序盤で「若返りの秘薬」を王から賜っていた事を思い出したティーネは、逆行の作用を持つそれを半分ほど使って処置を施す。
更にイシュタルがギルガメッシュの霊基から神性を全て奪い、冥府に旅立った直後な事。その他いくつかの要素が絡み合った結果、同一でありながら全く異質な人間として純化したウルクの王という存在に組み変えられて顕現。
奇跡の復活でありながら、同時に未知の新たな災厄として舞台へと降り立った。
人物
一人称は「我(ボク)」。 子ギルのような優しい口調で話す。
その一方で神性を全て捨て去り、人間として純化しながらもその価値観や在り方は、今までに登場したどのギルガメッシュよりも超然としており、逆に人間味が薄くなっている。
英雄王の自分については他人事のように感じている。
その姿は、一見すると人間(神)の姿をしており、齢は『若い』という印象が真っ先に来るとのこと。少年と青年の狭間である年頃の、彫刻のように均整の取れた存在である。
この地、この時代において、エルキドゥの知る如何なるギルガメッシュの在り方とも違う『何か』である。それは、エルキドゥと出逢うことなく、神々と決定的に袂を分かった王でただ1人での旅路の果てに、自分の中から完全に神の血肉を排除した英雄。そして、ただ一途に人間の完成を願う『黄金』……人間そのものを、神の座に押し上げようとする装置と化したギルガメッシュである。
若返りの秘薬を半分ほど使ったため、子ギルより少しだけ年上の少年の姿をしており、性格も子ギルと同様に敬語口調かつ礼儀正しい。しかし、それは慈しみによる優しさではなく、ただの善意に過ぎないもの。
命令ではなく純粋なる願いを伝え、それを聞かぬ者なら、あどけない表情のまま『無駄な存在』として排除する。他のギルガメッシュとは別ベクトルの冷酷さを持ち、ティーネの部下に扮したスパイをティーネの目の前で焼き殺すなど、英雄王のような慢心もない徹底ぶりを見せる。
エルキドゥ曰く『人間』。自身が存在した以上では決して訪れる事のなかった彼の結末とのこと。それはエルキドゥが生まれなかった(存在しなかった)世界の彼を意味するのだろう。
関連人物
本来であれば最愛の存在。
エルキドゥと出逢う事がなかったギルガメッシュだからなのか、エルキドゥを素通りしており、それを理解しているエルキドゥはただただ彼を見送るしかなかった。自身が存在しなかったが故に出逢う事はなかった"ギルガメッシュのイフの世界"があることに深い悲しみを感じている。
アーチャークラスの自身にして、復活する前の元の霊基。
英雄王の自身と同じく、アルターエゴの自身は英雄王を他人事のように感じているようだ。
幼い頃の自身で、もしも若返りの秘薬を全て使って処置を施していたら、霊基は子ギルとして復活していたとのこと。ただし、子ギルは半神半人であるが、アルターエゴ霊基は完全に『人間』である。
サーヴァントとしてマスターを守るが、それは慈しみからくる優しさではなく、ただの善意に過ぎない。彼がスパイを目の前で焼き殺した光景を見て、ティーネはギルガメッシュのマスター権を奪うために彼を召喚した魔術師を焼き殺した罪を思い出す。
余談
- 現時点では姿は描かれてはいないが、文章を読むと子ギル寄りの姿なのが窺える。
- 奈須きのこ氏曰く、神の力が消えて純粋な人間になったギルガメッシュはひたすら爽やかな好青年だけれど、優しさだけがない。それに必要性も感じない。天使のような微笑みを浮かべながらケイネスのビルを爆破するとのこと。