概要
特に注釈がない場合はクロアチア共和国のナショナルスポーツチームを指す。歴史研究の観点ではナチス時代のクロアチア独立国代表も系譜上同じナショナルチームとして扱われる。
旧ユーゴスラビア時代よりサッカーの強豪国で、今日でも科学教育スポーツ省管轄のもと国家としてユース世代からサッカー選手を育成する体制を築いている。国内プロリーグから欧州5大リーグへ選手を巣立たせて、多額の移籍金を獲得するのはクロアチア経済にとって文化的輸出資源となっている。
そのほか、テニス、バスケットボールなどで国際的に活躍する選手がいる。
サッカークロアチア代表
国章の赤白市松模様(チェッカー)をあしらったユニフォームを着用しており、愛称は『ヴァトレニ』(燃える男)。サッカー代表は象徴として国民から敬愛されている。
隣国セルビアなどと連邦制国家だった旧ユーゴスラビア時代からFIFAワールドカップでは存在感があり、2度3位決定戦で敗退するなど実力のある国ではあった。しかし、80年代からユーゴスラビア連邦内の民族闘争が激化するとサッカーにも影を落とし、1990年FIFAワールドカップイタリア大会の前にはクロアチア人中心のチーム『ディナモ・ザグレブ』とセルビア人中心のチーム『レッドスター・ベオグラード』と対戦カードでスタディオン・マクシミール暴動が発生するなど状況は混沌としていた。1990年イタリアFIFAワールドカップ準々決勝でアルゼンチン代表とのPK戦に敗れたのち、クロアチア人民族主義者の圧力から独自チームを編成する方針が進められ、ユーゴスラビア代表から離脱。クロアチア人国家としてのナショナルチーム体制がスタートした。
独立後は1998年FIFAワールドカップフランス大会で3位、2018年FIFAワールドカップロシア大会で準優勝、2022年FIFAワールドカップカタール大会で3位など、欧州の強豪国として実績を残している。とにかく耐え忍ぶプレースタイルが特徴で、劣勢であっても隙を突く、対戦相手に合わせる柔軟な戦術を是としている。またPK戦にも強く、2018年FIFAワールドカップ、2022年FIFAワールドカップでは、試合展開で押されてもPK戦で勝利を手にする試合が多くあった。
日本代表とは浅からぬ因縁があるチームでもあり、日本が初めてワールドカップに出場した1998年フランス大会以降、2006年ドイツ大会、2022年カタール大会と過去3回ワールドカップで対戦している。その結果はクロアチアの1勝2分(2022年大会はPK戦での決着であり、公式には引き分け扱い)。
代表的な選手として、2018年にバロンドール(世界最優秀選手)を受賞したルカ・モドリッチがいる。