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グレープ君

ぐれーぷくん

グレープ君とは、埼玉県の東武動物公園で飼育されていたフンボルトペンギン(1996/4/16〜2017/10/12)。とある出来事がきっかけで、一部では「二次元に恋したペンギン」とも呼ばれていた。
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概要

東武動物公園で飼育されていたフンボルトペンギン。性別は雄。

名前の由来は、個体識別のために左羽に付けられた紫色バンドから。


性格は非常に甘えん坊とのことで、かつて足を怪我した際に飼育員みんなから優しくされたことが忘れられないのか、元気になってもエサである魚を自力で捕ろうとせず、飼育員に口元まで運んで食べさせてもらっているらしい。


1996年4月16日生まれ、後述のコラボ企画の時は21歳。

ペンギンとしてはかなりの高齢で人間に換算すると80歳程である。そのため、一部では「グレープおじいちゃん」「グレープ爺」「グレ爺」などとも呼ばれている。

フルルに恋?

彼が話題になったのは2017年4月、メディアミックス作品『けものフレンズ』とのコラボレーション企画の一環として、作中に登場する「フレンズ(動物をモチーフにした女の子のキャラクターたちの総称)」のイラストパネルが、園内のそれぞれの動物がいる各エリアに設置された。


その中で、フンボルトペンギンをモチーフにした「フルル」のパネルは、グレープ君たちの居るペンギンエリアのド真ん中に設置された。以来、グレープ君はフルルのパネルをしげしげと見つめたり、近くに寄り添って離れなくなるなどの反応をみせるようになった。また、諸説あるものの、「背筋を伸ばして上を向きながら羽を広げて鳴く」というフンボルトペンギンの求愛行動らしき動きも確認された。


同エリア内にはグレープ君以外にも複数のフンボルトペンギンがいるがこうした反応を見せたのは彼だけであり、このことが観覧客の間で話題となりSNSをはじめとするネット上で「二次元に恋したペンギン」として取り上げられるようになった。


アニメ版でフルルの声を担当した築田行子氏もこうした話題を受け、自身のTwitter内で彼の写真に触れて「フルルモテちゃってる♡」とコメント。プライベートでも直接動物園まで足を運んだこともあり、フルルパネルの横でグレープ君を抱きながらのスリーショットも撮影されている。


なお、彼がこのような行動に至った理由は諸説あるが、同園の飼育員である山田氏(以下やまだおにいさん)は当初「高齢で視力が衰えているため、パネルを飼育員と勘違いしているのではないか」とコメントした。しかし、その後本物の飼育員が直接世話をしたり持ち上げてパネルから離しても元の位置に戻り続ける姿が見られている。さらに、微動だにしないパネルを5ヶ月以上飼育員と勘違いし続けるというのは、高齢であっても流石に考えづらい。

以上のことからフルルのパネル自体を気にしていることは間違いないと思われる。

専門家によれば「本当に恋しているかどうかは不明だが、特別な感情を抱いていることは確か」とのこと。


群れから離れて一羽きりでパネルに寄り添う姿や、閉園時安全のために柵で隔てられている間も彼女に視線を向ける姿など、こうした彼の「一途な恋」とも見て取れる行動に感化されるファンも多かったようで、Pixivにおいても両者を題材にしたイラストが数多く投稿されている。とくにフルルとのコンビ・カップリング系のイラストが大半を占める(とうぶどうぶつこうえんコンビ)。ちなみに、アニメキャラクターと実在の動物のカップリングは、あらゆるコンテンツを見渡しても異例中の異例である。


実際地元の新聞報道によれば、最初のコラボが行われた4~6月の園への来場者数は前年比の約2割増となったが、ペンギン舎に限定するとなんと約20倍という驚異的な増員となり、グレープ君の人気の凄まじさが窺える。

悲しい過去

こうした彼の人気を受けて、同園では5月20日に前述の築田氏をゲストに招きトークショーが行われた。その中で、グレープ君の現在に至る経緯がやまだおにいさんにより語られた。


グレープ君はもともと東京都の羽村市動物公園で飼育されていた個体であり、2006年3月に東武動物公園でペンギン舎がリニューアルオープンされたことを機に、2007年に奥さんのミドリと一緒に引っ越してきた。

そう、彼は子持ちの妻帯者だったのだ(子供は別の動物園にいる)。


一般にフンボルトペンギンは一度つがいになった夫婦は終生連れ添うものとされているのだが、2012年頃、なんとミドリはペンギン舎の「デンカ」という若いオスに乗り換えて子供を作ってしまい、それからというもの、グレープ君は群れに混じらず一人でポツンとしていることが多くなったらしい。一体、彼はいかなる心境で日々を送っていたのだろうか……。


本来ペンギンの社会でも浮気は禁忌とされ、これを犯した者は群れから疎外されることが多いらしいが、このケースではミドリとデンカは平然と群れの中で暮らし続け、被害者のグレープ君がのけものにされるという不思議な逆転現象が起きていた。


ちなみに上述のミドリとの間にできた子供は「はんぺん」といい、卵の時点で江戸川区自然動物園に送られ、先輩フンボルトペンギンのつがいに養子として育てられていたのだが(卵を入れ替えることで、つがいは実子として認識して育てる。人為的な托卵といえる。これは新しい個体を導入し、近親交配を避けるための措置である)、なんと彼も成長後に義母を寝取って義父から奪うというとんでもない暴挙を犯している(卵の時点で実親と離れ義父母のもとで孵化したため、はんぺん自身や義両親はじめ周囲のペンギンにも彼が養子という意識がなく、義父母こそを実親と認識していたはずであることから、彼は浮気に重ねてかなりの禁忌を犯したことになる)。実の両親とは面識が無いはずだが、実母の血の濃さを感じさせる話である。なお、余談になるがミドリとつがいになった「デンカ」のほうも、2018年1月にまだ8歳と言う若さで急死している


妻も子も奪われ一人ぼっちになってしまったグレープ君だが、これなら子供のことは知らないままの方が幸せなのかもしれない。むしろここまで来ると、かつてミドリと結ばれてしまったことが彼にとって最大の不幸となってしまったような気も……。


ネットではこの情報が伝えられるや「三次元の女で酷い目に遭った」「二次元に逃げるのもやむなし」「幸せになって欲しい」など、同情の声が広がったのであった。


粋な計らい

こうした世間での人気の急上昇、そしてグレープ君自身の熱意に後押しされてか、東武動物公園もけものフレンズとのコラボ期間中に園内のレストランでグレープ君とフルルのコラボメニュースイーツ「恋するグレープ」「ずっと見つめていたいんだ」を限定発売したり、グッズショップでも缶バッジやクリアファイルなどのコラボ商品を売り出すなど、このカップルを猛プッシュした。また夏場には日当たりの良いパネルの前に居座り続けるグレープ君のために専用の日陰を用意するなど、動物園の飼育動物としてはまさに破格の待遇で接していた。


そしてこれまで2度行われてきたコラボは6月25日9月3日にそれぞれ終了し、フレンズたちのイラストパネルも園内から撤去されることとなったが、なんといずれもフルルのパネルだけはコラボ終了後も展示を継続することが決定した。コラボ終了前にはグレープ君の心情を思いやってフルルパネルの存続を願う声がネット上に溢れていたが、この決定に多くのファンが歓喜し東武動物公園を賞賛、築田氏もTwitterで安堵と感謝の声明を出した。


これについて東武動物公園は「グレープ君の気持ちを考えて存続を決めた部分も、少しはありますかね」と語り、今後けものフレンズとのコラボの予定は無いとしながらも、グレープ君が飽きるまでパネルの展示を続ける方針を明かした。

テレビ出演

  • スーパーJチャンネル・・・2017年9月5日「恋するペンギンに“神対応” そのお相手は・・・?」と取り上げられた。
  • めざましテレビ・・・2017年9月14日、「めざましじゃんけん」のクイズ版「もの知りじゃんけん」にて、「東武動物公園のペンギン「グレープ君」が恋をしたと話題に お相手は?」と出題。選択肢は「飼育員」・「看板」・「ハト」の3択。どれも違うと言いたいところだが、正解は「看板」。ちなみに、この時じゃんけんの相手だったのは加藤一二三であった。

最期もフルルに看取られて

体調に異変が見られた為2017年10月11日から入院、静養していたが、翌12日14時30分ごろに静かに息を引き取った。享年21歳。死因は老衰と腎不全。13日朝に東武動物公園公式Twitterより発表された

「秋のグレープ祭り」と題し、11月ペンギン舎にてイベントを開催することを予告した直後でもあり、多くのファンが回復を祈っていた中での訃報となった。


14日に催されたペンギントークで当時の状況が説明された。餌はしっかり食べているのに体重が減少していることが9日に分かり、10日も状態が変わらなかったため大事をとって入院、11日の夜には自分の足で立てなくなり点滴治療などを施したものの翌日亡くなったとのこと。ペンギンの死因には肺の病気が多く苦しみながら亡くなるケースが殆どである中、グレープ君は直前にも穏やかに深呼吸を行うなど苦しむ様子もなく、安らかな最期であったという。


入院に際してはフルルのパネルも一緒に移動していたとのことで、大好きなフルルに看取られての最期であった。担当していた園職員によれば「最後の瞬間まで、フルルはグレープ君を見守っていました」とのこと。


この突然の訃報に対する反響は当然大きく、Twitterで公表された翌13日のトレンドワードランキングでは一時「グレープ君」が日本全国1位、世界でも10位にランクインし、フルル役の築田氏をはじめ世界中のファンが悲しみや感謝の追悼コメントを寄せた。

グレープ君の訃報は国内はもとより、英国BBC米国CBSを始めとする36の国と地域で報道された。

pixivにおいても、彼の死を追悼するイラストが多数投稿されている。


14日~22日にはペンギン舎周辺に献花台が設置され、初日から多くの参列者が訪れ花などを手向けた。追悼式の開催も計画しているという。

更には、けものフレンズのコンセプトデザインを担当する吉崎観音氏からグレープ君とフルルの2ショット描き下ろしイラストが東武動物公園に寄贈され、同じく彼の献花台前に設置された。

この心配りには動物園関係者はじめ多くのファンが感謝の声を寄せた。

また10月20日には築田行子も献花報告をしている


そして「秋のグレープ祭り」改め「秋のグレープ感謝祭」11月11日から開催。

オリジナルTシャツの再販や缶バッジのガチャガチャが設置されたほか、なんとサプライズ企画として上記の描き下ろしイラストを使った新しいパネルが制作され、ペンギン舎の前に展示された。周囲にはPPPのメンバーやジャイアント先輩をはじめとする他のペンギンのフレンズたち、サーバルのパネルなども飾られており、夜には鮮やかなライトアップも行われている。

このサプライズもやはり大きな反響を呼び、Twitterには多くの感謝と感激のコメントが寄せられた。


さらに時は流れて2018年4月21日。東武動物公園はけものフレンズとのコラボ第3弾を開催。

当然フレンズたちのパネルも再び飾られることとなったのだが、やはりというべきか、ペンギン舎の中には上記のグレープ君とフルルのツーショットパネルが飾られた。この際のTwitterのコメントが「おかえり(^^)」であり、ファンたちもグレープ君の帰還を祝福し、今なお彼が変わらず多くの人に愛され続けていることを示した。


また、キャラクターソングアルバム「Japari Café2」の各チェーン店オリジナル特典の内、PPPとマーゲイが描かれたイラストを使った特典があるのだが、そのなかにフンボルトペンギンが紛れ込んでいる。グレープ君の特徴である紫色のバンドは確認できないため断定はできないが、その隣でフルルが紫色のジャパリまんをくわえており、もしかするともしかするのかもしれない。


更に、2018年4月25日にリリースされたPPPメジャーデビューアルバム「ペパプ・イン・ザ・スカイ!」に収録されているフルルのソロ曲「やくそくのうた」は天然な彼女らしからぬバラード調なのだが、歌の内容はまるで誰かとの再会を約束するようなものとなっている。

このアルバムを紹介するPV動画が発表されたのがグレープ君の誕生日である4月16日である事も加わり、きっと再会の約束をしている相手は……と感じ取ったファンも多い。

関連イラスト

フルルと、あのペンギン紫バンド君とフルル

センシティブな作品センシティブな作品

関連タグ

ペンギン / フンボルトペンギン

けものフレンズ フンボルトペンギン(けものフレンズ) / フルル

とうぶどうぶつこうえんコンビ

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