概要
頬にコヨリという鈴をつけていることが名の由来で、耳には年を表す記号の飾り、腰帯の後ろには母であるコアトリクエと同じく髑髏がついている。
父親が不明の妊娠をした母を殺すために400の弟たちと山を登ろうとしたが、生まれ出でた弟のウィツィロポチトリによってシウコアトルで心臓を貫かれ八つ裂きにされて、麓まで転がり落ちたと伝わる。
なおナワ族のメシカが、伝説の地アストランからメキシコ盆地へ移動したという神話には、ウィツィロポチトリの母として登場している。
旅の指示をしてコアテペクという水鳥や魚、カエルが棲む理想郷にたどり着いたが、ウィツロポチトリと400の弟にこの地に落ち着くことを反対され、球戯場で首を刎ねられ心臓を食われてしまった。
さらに水源も止められてしまったため、メシカはメキシコ盆地に住むことになったのだという。
創作などでは月の女神とされることが多いが、これは19世紀末に活躍したドイツの人類学者エドゥアルト・ゼーラーの説であり、根拠となる遺跡や文書は発見されていない。
1978年にテンプロ・マヨールのウィツロポチトリ神殿跡から、五体バラバラにされた姿が掘られた巨大な円盤状の石版が発見されており、図像学的にはかまどの女神チャンティコとの共通点が見いだせるという。
彼の地では生贄を捧げる際、神話のコヨルシャウキと同じく五体をバラバラにしてその石版に投げつけたと考えられている。