概要
家中が山積みされた大量のゴミ(不用品)で埋まり、さらには家の外まではみ出している状態のこと。多くは住民自身が何らかの事情でゴミを溜め込んでしまっているケースだが、中には空き家に不法投棄されているケースもある。
いわゆる汚部屋に近いが、汚部屋はあくまでワンルームで収まっているのに対し、ゴミ屋敷は家単位でゴミが詰め込まれ、かつ最悪の場合敷地外までゴミが出ている状態を指すという違いがある。
悪臭や(積み上がったゴミの)崩落、景観への悪影響、ゴミ捨て場とみなした人物による不法投棄など、近所トラブルの原因となることがしばしばある。
テレビなどのメディアで取り上げられる機会も多いが、絵面の汚さや住所特定のリスク回避からモザイク等自主規制されることも。
ゴミ屋敷となってしまう理由としては、住民がモノを拾っては自分の家に持って来る、集めることはしても捨てることはできないケースが多いとされる。
病的な収集癖(強迫性障害の一種に強迫性ホーディング、ため込み症というものがあり「捨てることに強い苦痛を感じる」状態が特徴)や身の回りのことが手につかなくなるセルフネグレクトなど、精神疾患や知的・発達障害、脳機能障害の症状が背景にあることも少なくない。
特に高齢者(特に独居)の場合、体力の低下で片付けられなくなることや認知症も関係している場合がある。
一方で、病的な状態であっても動機自体は多岐にわたり、本人がゴミ屋敷と認識していないこともままある。
例えばテレビ番組で取り上げられたゴミ屋敷の一つに、古物商を営む住民が安易に商品を引き取りすぎて在庫がさばけなくなってしまったと主張しているケースや、戦後の物資不足の時代や本人の若い頃の貧困の経験などから「いつ何が起こるかわからない」と溜め込んでしまうケース、親族や近隣住民とのトラブルから「防御」するためと主張しているケースなどがある。ごくまれだが、廃材を利用したアート作品を制作している(と主張する)人が、材料となるゴミの管理がうまくいかず外に置いたままになっている、というケースがある。
度が過ぎると、業者に有料で掃除を手伝ってもらう羽目になる。
近年は、他の近隣住民や環境への悪影響、また空き家管理などの目的で、市町村行政による『強制執行』として税金を投入して処分する事態も起きている。
しかし、病気など住民本人の背景にある事情が解決していない場合や、不法投棄の場合撤去後もすぐにゴミ屋敷に戻る事も少なくない。
ゴミ屋敷は目や肌や肺の病気、呼吸困難、運動不足、転倒、火災、ダニや蝿やゴキブリ等害虫発生等の危険があるため、こまめな掃除、ゴミの日にゴミを出すのを忘れないように。