概要
コナミのホラーアドベンチャーゲーム・サイレントヒルシリーズの第三作目。
主人公の少女「ヘザー」を操作し 、探索・戦闘・謎解きなどを行って、物語を進めていくゲーム。
前作までとは異なり、物語中盤まではサイレントヒル市外が舞台となる。
後半からはサイレントヒル市に舞台が移り、第一作・第二作に登場した場所も登場する。
本作のストーリーは『サイレントヒル』第一作の続編にあたり、第一作に纏わる登場人物・設定などが物語の主軸になっている。
そのため、第一作をプレイしておくと、過去作オマージュ要素などがより楽しめる。
前作に比べてグラフィックが大幅に強化されており、キャラクターのモーションや表情変化、裏世界の悍ましさなどは、次世代機が登場するまでシリーズ最高級のクオリティだった。
あらすじ
はいはい わかってる
私も愛してる 父さん
主人公「ヘザー」はショッピングモールに買い物に訪れていた。
父に電話し、これから帰る旨を伝える。
ありふれた日常風景。
そこに探偵を名乗る男が現れる。彼は言う。
君に会ってほしい人がいるんだ
とても大切な話なんだ 君の出生に関しての
しかし見知らぬ男の言葉にヘザーは耳を貸さない。
探偵から逃れようとショッピングモールを歩いて回っているうちに、ヘザーは
人間を食い殺している巨大な怪物に遭遇する……
登場人物
ヘザー
本作の主人公。十代の少女。時折見るおぞましい悪夢に悩んでいる。
やや短気で口の悪い、どこにでもいるような少女。
根は優しく、父親を慕っている。
彼女の出生にまつわる秘密が、本作の重要な鍵となっている。
その秘密を思い出した果てに、彼女を待ち受ける運命とは・・・
私に何を思い出せというの?
ダグラス・カートランド
ヘザーの前に現れた不審な探偵。
「ヘザーに会わせたい人物がいる」と言いつきまとってくる。
悪意はないようだが……
2周目にコナミコマンドを入力すると……
重ねて言うと悪意はないようだが……
ヴィンセント・スミス
家路を急ぐヘザーの前にふらりと現れる謎の人物。
にやにやと嫌らしい笑みを絶やさない不気味な男。
ヘザーを導くような言動をするが、真意は謎に包まれている。
クローディア・ウルフ
ヘザーに何かを思い出すよう促す謎の女。
彼女こそが異常事態を巻き起こした張本人のようだが、その目的は……?
思い出して 本当の貴方を
レナード
ヘザーの訪れた病院にてクローディアに閉じ込められていると助けを求めてくる男性。
彼女たちと同じ教団に所属するも対立関係にあるらしい。
元々過激な信者で入院理由はそこにあるらしいが……?
スタンレー・コールマン
レナードと同じ入院患者。
顔も知らないのにヘザーと会うのを心待ちにしていたらしく、日記にその想いをしたため、病院探索をする彼女に助言を繰り返す。
日記の横にはプレゼントの人形も置かれているが、持っていってもらえないことは不満らしい。
「1」にてはぐれた娘・シェリルを探してサイレントヒルの街を彷徨い歩いた主人公。
ヘザーは探索する中で彼の残した痕跡、そして想いを見ることとなる。
クリーチャー
これまでのシリーズにおける「クリーチャー」は登場人物の心理や妄想が、サイレントヒルの神秘的な力によって具現化したものだった。本作における怪物は必ずしもそうではないようだ。
ひょっとすると、本当は怪物などではないのかもしれない……
なお、登場するクリーチャーの種類はシリーズ最多となっている。
クローサー
本作で初めて遭遇するクリーチャー。前作の「マンダリン」が地上に降り立った姿とも。
体躯は非常に巨大であり、初見のプレーヤーは圧倒される事だろう。しかし、動きは緩慢で、見た目ほどタフでもない雑魚キャラ。
一応ゲームが進むごとに体力が増したり、再生能力を得るなど強化されていく。
巨大な腕をコークスクリューパンチのように打ち出してくる。
動きは鈍いが、片腕に仕込まれた刃に当たると大ダメージを受けるので油断は禁物。
奇妙な鳴き声をあげながら、ひょこひょこ歩きでにじり寄ってくる怪物。
動きは緩慢で、攻撃方法もごく近距離からの飛び掛りと頭突きくらいしか無いのでさほど脅威にはならない。出現場所によってサイズが異なる場合がある。
pixivでは、その容姿や挙動から一部ファンに愛されているようだ。
実はビーフジャーキーが好きだったりする。
ダブルヘッド
頭が縦に割れた腐った犬のような怪物。
高速で動く犬型の敵は、本作のような旋回操作が遅いホラーゲームではしばしば強敵となる。この怪物も例外ではない。
捕捉しづらい素早さと、遠吠えで仲間を呼び寄せ複数体での連携攻撃でプレーヤーを翻弄してくるが、アイテムのビーフジャーキーを設置することで足止めできる。
ペンデュラム
ヘザーの頭上ほどの高さを浮遊する怪物。
常に耳障りな金切り声をあげつづけている。高い位置にいるため、打撃武器が当てづらい。
また、銃撃に反応してカウンターの突進攻撃を仕掛けてくる強敵。大小のサイズ違いが有り、デカイ方はよりやっかい。
インセインキャンサー
醜く太った人間のような姿の怪物。
普段は眠っているが、近くを通ったり攻撃すると目覚めてしまう。疲れやすいのか、しばらくするとまた眠り始めてしまう。
体力が高いうえに、ダメージを回復する能力があるので手早く倒す必要がある。スタンガンが弱点。
スラーパー
裏世界に出現する怪物。
常に地面を這いずっているために打撃攻撃が当てづらく、複数体登場することが多いため、挟撃や袋叩きに遭う事も多い難敵。しかも死んだふりをするのでトドメの踏みつけに対してカウンター攻撃で転ばされることも。
ただし、肉が好物なのでビーフジャーキーで足止め出来る。
病院に登場するゾンビのナースのような怪物。
鉄パイプで殴りかかってくるタイプと、拳銃を撃ってくるタイプがいる。動きは緩慢だが攻撃力は高い。特に拳銃はガードも出来ないため極めて危険。
本作ソフトのケースを開くと、デカイ拳銃をもってヌラリと立っているナースが表紙に印刷された説明書と強制的にご対面する事になる。怖い。
スプリットワーム
ショッピングモールの裏世界でヘザーの前に立ち塞がる巨大なボスクリーチャー。
縦に裂ける巨大な頭部と内部の隠されたもう一つの顎が特徴。難易度ハード以上の場合、ヘザーを一口で呑み込む即死攻撃を繰り出してくる。
その特徴は第一作に登場したあるクリーチャーを思わせるが……?
グラトン
雑居ビルの裏世界で進路を阻む巨大なクリーチャー。絵本の中の怪物が具現化したもの。
絵本の中では人間を襲う怪物とされているが、ゲーム中では全く動かない障害物的な存在。
余談ながら、序盤・中盤・終盤に別れた本の読む順番を変えるとヘザーのコメントが少しだけ変わる。
ミショナリー
ゲーム中盤に登場するボスクリーチャー。
刃付きのトンファーを所持しており、正面からの銃撃をガードする能力を持つ。ヘザー(と第一作プレイヤー)にとっては仇敵とも言える存在。
終盤の教会では小型版とも言うべきスクレイパーというザコ敵が登場する。
サイレントヒルにある病院の裏世界で登場するボスクリーチャー。
元は人間で、強い力を秘めるという「印章」の守護者を自認していたが、異世界の力によってクリーチャーとなった。
異常事態の背景に関わってくる主要な存在。
記憶
ヘザーの前に幾度も武器を変えて立ちはだかる。
それは悪意ではなく、苦痛を終わらせてあげたい優しさゆえ。
神
教団の悲願。
ヴァルティエル
裏世界においてヘザーを監視している謎のクリーチャー。一心不乱にハンドルを回している。
ヘザーが力尽きると、彼女を何処かへ運び去っていく。
ゲーム中で敵対する事はないが、実は本作の黒幕とも言える邪悪な存在。
ヘザーが見る悪夢の中にころがっているうさぎの着ぐるみ。サイレントヒルの遊園地のマスコットでもある。
調べると……
ほぼオブジェクトとしての登場であり、クリーチャーとして対峙するわけではない。
本作で初登場以降、『サイレントヒル』シリーズのマスコット的存在として扱われてはいる。
コナミの他ゲーム作品にチョイ役として出たりする。
余談
『You're not here』
『サイレントヒル』シリーズでは毎回魅力的な曲が使われたオープニングデモ流れるが、本作では初のヴォーカル曲を用いたスタイリッシュなオープニングが流れた。
歌詞は劇中のあるシーンを表現した内容となっている。その為、UKロックのような湿った空気を纏った、サイレントヒルらしい歌に仕上がっている。
ヴォーカルはMary Elizabeth McGlynn(ただし別名義のMelissa Williamsonを使用)が担当した。
かねてからヴォーカル曲を用いたオープニングデモをやってみたかったのだが、本作の雰囲気に合うちょうど良い声質のボーカルを見つけるのに難儀したらしい。
この曲は本作のプロモーションにも用いられ、本作のイベントムービーを交えつつヘザーがこの曲を歌うというMVが制作された。
また、映画版第一作でもエンディングテーマとして使われており、映画の内容を反芻しながら歌詞を聞くとまた違ったものに聞こえて一興である。
豊富なオマケ要素
本作はクリア特典、隠し武器、アナザーコスチュームやジョークエンディングなどなどシリーズ最多のオマケ要素が含まれている。
みんなでうたおう!!!!!
かりんとう
「こちらがご予約の品(サイレントヒル3)と・・・あとかりんとうです」
「は!? かりんとう!?」
これは実際にあった話である。
『サイレントヒル3』が発売された2003年、コナミはプロモーションの一環として
東京都内のゲームショップに「かりんとう」を配布した。
カードゲームの100円パックの袋みたいなやつに
かりんとう一本だけ入れたやつを大量に配布した。無料配布であった。
コナミは「かりんとうというお菓子の形態が、ゲーム中に登場する “あるモノ” に似ているというのが告知グッズとなった理由」と説明している。
説明しているが。
別にかりんとうに似たモノとか一切登場しない。
何を考えてたのか。