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概要

ホラーゲーム・サイレントヒルシリーズ第5作目。PSP用ソフト。

シリーズ第1作目『サイレントヒル』の前日譚であり、7年前を描いた作品となっている。

今作はイギリスのクライマックススタジオ製作であり、コナミは開発には関わっていない。

音楽は従来通り山岡晃が担当しているが、従来作に携わっていたコナミのスタッフは殆ど製作から外れている。

日本国外版の名称は『SILENT HILL: ORIGINS』。

日本国外ではPS2版も発売されており、キャラクターのモデリングが若干変更されている。

※注意:本記事は物語のネタバレを含みます。

ゲームシステム

鏡に触れることで『鏡の中の世界』すなわち『裏世界』へ能動的に移動できるようになった点が最大の特徴。表世界では封鎖された通路を突破したり、裏世界に隠されたキーアイテムを探すため、表と裏、二つの世界を行き来しながら街の探索を進めていくことになる。

戦闘面では、従来作品の「ガード」が無くなった代わりに、敵の掴み攻撃をQTEで振りほどく事が可能になった。また、近距離武器の使用回数が有限化、一定回使用すると破損するようになった。一方で投擲用の使い捨て武器も出現し、そのぶん様々な種類の近接武器を多数入手できる。

近接攻撃の手段が多彩化したうえ、銃火器もアサルトライフルマグナムなど強力なものが追加され、更に素手での攻撃も可能なため、本作の主人公・トラヴィスはシリーズ最強の主人公と言われることもある。

主な登場人物

主要人物

今作の主人公。トラックドライバーを勤める20代の男性。

濃い無精髭が目立つ粗野な雰囲気の容姿を持ち、過去のトラウマから他人との関わりを避けている孤独な男。しかし、ヒッチハイクに無償で応じるなど根は心優しい性格で、逃げ遅れた子供を助けるべく火災現場に飛び込むほどの勇気も併せ持っている。

サイレントヒル市郊外の道路で謎の少女・アレッサと出会ったことを機に怪異へ巻き込まれるが、同時に「鏡に手を触れる事で『鏡の中の世界』=『裏世界』へ移動する能力」に目覚め、この能力を利用してサイレントヒルからの脱出を目指すことになる。

本作のキーパーソンとなる7歳の少女。

トラヴィスによって火事から救出されるも、その顔も性別判断もできないほどの全身火傷を負って死亡した…はずだが、無傷の姿でトラヴィスの前に現れ、彼を裏世界へと導く。

サイレントヒルの「教団」の司祭。39歳。

娘のアレッサに神を出産させる儀式を行っている中、儀式に使った炎で大火事を引き起こした。

  • ヘレン・グレイディ(Helen Grady)

トラヴィスの母親でリチャードの妻。

トラヴィスと同じく鏡を行き来する能力を持つ。幼いトラヴィスを悪魔だと言い無理心中をしようとした。無理心中は未遂に終わったが、その後も精神は回復せずサイレントヒルにあるサナトリウムに収容された。

  • リチャード・グレイディ(Richard Grady)

トラヴィスの父親でヘレンの夫。すでに他界している。

妻の入院後、トラヴィスとモーテル生活をしていたが、愛していた妻の変貌した姿に絶望して1961年6月12日に500号室で首吊り自殺した。幼いトラヴィスはその現実を受け入れられず、清掃員が現場を発見するまでの約10時間、ずっと父のそばで話しかけ続けていた。

主要なクリーチャー

  • ママ(Momma)

トラヴィスの母ヘレンが異形と化した姿。

天井に吊られた鉄格子に隔離されたような姿をしており、過去にガスによる無理心中をしようとした事から、ガスを使った攻撃をしてくる。

  • サッドダディ(Sad Daddy)

自殺したトラヴィスの父リチャードが異形と化した姿。

天井から吊り下がった箱に体を押し込められたような姿で、噛みつき、触手、吐血攻撃をしてくる。即死攻撃も繰り出すため非常に手強い。

ゲーム序盤に訪れる精肉店で遭遇するクリーチャー。

初登場時はそのまま立ち去っていくが、後にモーテルの調理室で交戦することになる。

名前の通り、作業用のエプロンを身に纏っており、手にした巨大なクリーバーで他のクリーチャーを惨殺・解体する習性を持っている。

単に凶暴なだけではなく、主人公・トラヴィスに対して脅迫文を送る知性も有する。また、頭部には鉄板を重ね合わせたような奇妙な仮面を装着しており、その容姿や習性はあるクリーチャーを彷彿とさせる。

ボス戦時には巨大肉切り包丁で斬りつけてくるほか、左手でトラヴィスの襟首を掴み上げてからの追撃を繰り出してくる。追撃はQTEに二回成功すれば回避できるが、二回目のQTEに失敗すると突き刺し攻撃へ移行。

これを受けると一回目のQTE成否、残り体力に関わらず即死する。移動速度が遅く、飛び道具を持たないため強力な銃火器による遠距離攻撃が有効。

最期はトラヴィスに巨大肉切り包丁を投げつけられてトドメを刺されるが、その正体はトラヴィスの内に潜む邪悪な人格が実体化した存在であったことが示唆されており、クリーチャーを一定数殺害すると解禁されるバッドエンドでは「今までクリーチャーと思って殺してきたものは人間であり、トラヴィスこそがブッチャー=殺人鬼だった」という救いのない真相が明かされる。

  • アレッサズドリーム(Alessa`s Dream)

「教団」に“神”とされる者だが、どう見ても悪魔のような姿をしたクリーチャー。

それもそのはずで、神を生むことができる人物は苦痛と激痛にまみれているというメモの通り、アレッサの苦痛が反映されたモノ。物理攻撃の他、光線や炎を使って全方位を攻撃してくる。

最後にはトラヴィスが持つアイテム「フラウロス」に閉じ込められ、未だ「教団」の元に監禁されるアレッサ本体の胎内に封印された。

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