概要
サイレントヒルシリーズ第5作目である『サイレントヒルゼロ』の主人公。
トラビスと表記されている場合もある。
濃い無精髭が目立つ粗野な雰囲気の容姿を持ち、過去のトラウマから他人との関わりを避けている孤独な男。しかし、ヒッチハイクに無償で応じるなど根は心優しい性格で、逃げ遅れた子供を助けるべく火災現場に飛び込むほどの勇気も併せ持っている。
サイレントヒル市郊外の道路で謎の少女・アレッサと出会ったことを機に怪異へ巻き込まれるが、同時に「鏡に手を触れる事で『鏡の中の世界』=『裏世界』へ移動する能力」に目覚め、この能力を利用してサイレントヒルからの脱出を目指すことになる。
幼少期に母親のヘレンから虐待され、無理心中を図られた辛い過去を持っている。
ヘレンはある時期から「鏡の国の住人」の声を聞くようになり、その声がトラヴィスのことを「悪魔の子」と評した為、彼を殺そうとしたのだという。ヘレンはその後、サイレントヒルの療養所(サナトリウム)へ隔離されたらしく、現在の安否は不明。療養所の裏世界では母親のイメージが具現化したクリーチャー「ママ」と対峙することになる。
更に父親のリチャードは妻の豹変ぶりに苦悩して首吊り自殺を遂げ、幼いトラヴィスはその死体を一晩中眺めていたという陰惨な思い出も持っている。自殺現場であるリバーサイドモーテルの裏世界では父親のイメージが具現化したクリーチャー「サッドダディ」と対峙することになる。
また、ヘレンの発言通り、心の奥に強い凶暴性・残虐性を秘めている事が示唆されており、それがクリーチャー、「ブッチャー」として具現化している。リバーサイドモーテルでの戦闘でブッチャーを倒すことには成功するが、一定数以上の敵を殺害するとバッドエンドに突入。トラヴィス自身がブッチャー=殺人鬼だったという衝撃的な結末を迎えてしまう。
グッドエンドでは、自身の過去のトラウマと自己の残虐性と向き合い乗り越えたことで、トラックの走行メーターを本作のタイトル通りゼロにして(リセットして)新しい人生のスタートを切る。
赤ん坊を抱えたアレッサの幻影に見送られながら、相棒のトラックとサイレントヒルを立ち去るのだった。
そしてアレッサが腕に抱えた赤ん坊こそが、この後メイソン夫妻に拾われることとなるシェリルである。
システムの都合による最強化
近接攻撃用武器が数回使うだけで壊れる・使い捨ての投擲アイテム(小型のブラウン管テレビ、鉄製の重りなど常人ならば一つ持つだけでやっとな代物)があるなどの理由で、ゲーム中では大量の物資を入手する事になり、最終的には「トラックなど必要ないのでは」と揶揄されるほどの荷物(歴代最重量)を持って歩き回る羽目になる。
あるいは、武器が壊れるのではなく、武器を数回使っただけで壊してしまうほどの(とてつもない)腕力を有していると解釈することも出来るかもしれない。
また、従来のピストルやショットガン、狩猟用ライフルに加え、アサルトライフルや大口径のマグナム拳銃など極めて強力な銃火器を手に入れる機会がある。更に武器が尽きた際には素手での格闘攻撃も可能なため、場合によっては「ラスボス(神の化身)を素手で殴り倒す」という荒業までも可能。
これらの要素から、「サイレントヒルシリーズ史上最強の主人公」と評する声もある。
余談
- シリーズ第6作『サイレントヒル:ホームカミング』では年齢を重ね(50代)、かなり顎髭が濃くなった姿で登場。主人公・アレックスのヒッチハイクに応じて彼をシェパードグレンに送り届けている。
- 映画2作目の『サイレントヒル リベレーション3D』でも、ラストシーンにファンサービス的な形で登場。主人公・ヘザーらのヒッチハイクに応じている。同映画は『サイレントヒル3』に相当する作品だが、トラヴィスは加齢した姿ではなく『ゼロ』準拠の若い姿で登場している。