概要
出月こーじが作者のメトロイドが原作のタイアップ漫画の一つである。2000年代初頭、メトロイドフュージョンとメトロイドプライム発表に伴い始まり、メトロイドプライム3のプライムサーガ完結迄豊富にあったメトロイドフランチャイズにおけるメディアミックスの代表格。
時系列について問われた際、当時スーパーメトロイドとメトロイドフュージョンの間をイメージして執筆されたが、現在ではメトロイドアザーエムとフュージョンの間だと分かりやすいと出月こーじ氏本人が答えている。
基本的にサムス・アランが主人公であり、一貫してその圧倒的戦闘力やカッコよさを重視した作風ながら読者目線も必要という事でサムスに憧れる少年ジョイ・アポロニカももう一人の主人公として描かれ、共に活躍する。また当然ながら随所に原作シリーズのキャラクターやオマージュも散りばめられ、非常に高い評価を得ている。
登場キャラクター
言わずと知れた宇宙最強の戦士。スーパーメトロイドないしOther M後の時系列という事も合わさって既に伝説的英雄として宇宙中に知れ渡っており、その名を聞けば狼狽える者や、むしろナンバー1打倒のチャンスと戦いに臨む者等リアクションは様々。
デザインはスーパーメトロイドのバリアスーツ。続編となるメトロイドEXでは同作のノーマルスーツがメイン。
ゲームデザインやバランス上描写されてこなかった途轍も無い強さを遺憾なく発揮するだけでなく、3年近く続いた連載の中非常に高い解像度によって描写された人間性により今に至る迄の大多数の人々が思うサムス像を決定付けた。大方のイメージ通りベースはクールながら芯は熱血であり、時折ノリの良さや茶目っ気ある一面も見せる。また大人として空気を読むシーンも多々ある等丁寧なキャラクター造形が特徴。
ジョイ・アポロニカ
辺境の星に住む少年。優れた武闘家を父に持ち、幼いながらも嘗て父と二人旅をしていたが父を亡くし、故郷に戻ってきていた。その星がスペースパイレーツの襲撃を受け、救援に駆け付けたサムスとの邂逅が彼の運命を決定付ける。
ローラー搭載のブーツで素早く駆け回り、フックを出して崖を踏破し、更に父ランド・アポロニカの形見であるフィールドナックルで戦闘も可能なスピードタイプ。グラブ系で戦うのは作者自身のコメントからなるべく銃や剣を持たせたくなかったとのこと。 ちなみにフィールドナックルは精神を原動力に作る力場で高い防御力も持っている。
子供に関わらず並外れた運動神経と頭のキレを持ち、度胸、勇気、正義感も人一倍強い。メンタルも強く、ほとんど弱音を吐かないのみならず終始様々な活躍を見せ、足手まといになる事も全く無かった。
精神、肉体共にハイレベルながらも母とのすれ違いを乗り越え、仲良くなった友との悲しい別れ、それに必要な覚悟を知ったりと当時の読者に合わせる様に回が進む度心身共に成長しており、サムス&ジョイ第1話とメトロイドEX最終話ではかなりデザインが変わっている。
なお、ジョイをレギュラーキャラにする事についてシリアスな作風を重視した任天堂はやや難色を示したが、よく話し合って熱意を伝え擦り合わせたという。
ディーゼル
サムス行きつけのジャンク屋の店主。触れただけで機械の構造や配電等が分かる「クラフト族」の一人。
クラフト族は高い能力によって送り出したマシン、そして生まれ持った力自体が戦争を助長する事を憂いた長老筆頭に隠居していたが、メカで人を救う信念を抱いたディーゼルは此に納得いかず独立し店を持った。
一向のメカニックを一任されており、行く先々で多種多様のマシンを開発していく。所謂江戸っ子気質で「ディーゼルが飼っているペット」とジョイに誤解された際は激昂していたが、彼に住む場所と仕事を与え時に助言も授ける等保護者的な側面もある。
続編
「メトロイド サムス&ジョイ」は後に奪われたサムスの能力を取り戻していく「メトロイドEX サムス&ジョイ」に続く。
宇宙中の悪が集結しているという過去最大クラスのスペースパイレーツ「グリード団」との激闘が主軸になり、サムスの代表的な能力を物質化した「データカプセル」によって強大な力を得た敵達「六暴星」が各話で登場。
サムス自身は弱体化しているに関わらず更にスケール感を増し、レギュラーメンバーも変わらずストーリーが進んでいく。前編となるサムス&ジョイ同様シンプルな勧善懲悪なバトル漫画だが、終始無双の最強モノだった前編に比べメトロイドEXは取り戻した能力や今あるテクニックで絶体絶命を打倒していく原作シリーズのゲームデザインに近い作風になっている。
余談
現在ではEX以外はKindleで配信されており、見忘れた方はもちろん、EXの配信に繋げる為にも購入はしやすくなっている。また作者本人のTwitterアカウントでも新規のイラストがあり、ファンは必見。
関連タグ
ロックマン(同じ作者がコミカライズを担当してる作品繋がり。こちらも王道な展開である)
パワーストーン(ゲーム)(こちらも同じ作者がコミカライズを担当してる繋がり)