概要
シナリオ監修に水野良、アートディレクション・キャラデザはペルソナシリーズで人気を博す副島成記、BGM作曲は崎元仁・岩田匡治という豪華な制作陣が揃っているのだが……実に知名度の低い作品である。
作品の特徴を簡潔に列挙すると、
- 副島氏の描いた登場人物たちの美麗な立ち絵
- 2Dドット絵(擬似3D)で描かれた入魂のキャラグラフィック。(良く動きます)
- 一見複雑ながら、実はシンプルにまとめられている洗練された戦闘システム。
――といった部分が魅力的である一方、
- RPGでは一般的となりつつある、ストーリー・登場人物の解説モード(図鑑的なもの)が一切ない
- アイテム合成は攻略本を利用しないと、凡人(筆者含む)には活用が難しい
――という具合に、プレイヤーを突き放したような部分も多々見受けられるという、良くも悪くも職人気質な印象が強い作品。
プロローグ
古より「虚霧の海」と呼ばれる白き恐怖に覆われた地・レーバ大陸。「虚霧の海」に呑み込まれた世界は白塵と化し、やがて、すべてが霧散する。その絶対的な恐怖から、人々は望みを失い、恐慌をきたし、互いに相争った。
自暴自棄となった人々により地獄と化した世界。しかし、そこに一条の希望の光が差し込んだ。それは、"滅びを許容することで、人は天に召される”という終末思想を掲げるエクウェ教。その教えは人々から恐怖を取り払ったが、同時に生きる希望をも奪い去った。
滅びを待つだけの無気力な世界。そこに、一人の覇気溢れる男が現れる。男は軍を組織し、大陸を治めていた王国を滅ぼすと自らが王となった。だが、それだけでは飽き足らず、気力を失った人々を次々と虐殺しはじめた。そして今、軍靴の足音は少年スフィーダの住む村にも迫ろうとしていた……。
登場人物
スフィーダ(CV:高橋直純) 主人公。二刀流の剣士。
リーン(CV:川澄綾子) ヒロイン。弓使い。精霊と人の調停者。
ヴィゼ(CV:小杉十郎太) 片目が義眼の錬金術士。その力で世界を救おうとする。
アドニス(CV:豊口めぐみ) スフィーダとは知己の錬金術士の娘。片腕が義手。
グレイ(CV:堀川りょう) 槍使い。スフィーダ、アドニスとは親しい友人同士。
ギャラント(CV:立木文彦) 斧使い。風格ある武人。
ティア(CV:桃井はるこ) ネコミミ格闘少女。役回りの良く分からない子。
ルーメン(CV:伊藤美紀) エクウェ教教主。覇王により幽閉されている。
プリエ(CV:南央美) 僧侶。幼い頃から御付としてルーメンに従っている少女。
セイオン(CV:櫻井孝宏) 滅亡した王国の王位継承者。レジスタンスを組織し覇王に抵抗する。
ジェイド(CV:若本規夫) 金のためならどんな仕事でも引き受ける闇の仕事人。
ヴァイパー(CV:茶風林) 残忍かつ凶悪な人物。覇王の下で虐殺部隊を率いる。
エキドナ(CV:園崎未恵) 剣術の達人。かつて覇王に挑み、敗れ、自らその配下となった。
クロワール(CV:速水奨) 弓の名手。覇王第一の側近として権力を振るう。
ディグニス(CV:大塚明夫) 戦いと破壊を求める覇王。その真意は不明。
ネブラ(CV:篠原恵美) ルーメンの影となる存在。ある目的のために暗躍する。