概要
ATLUS『ペルソナ』シリーズのスタッフによるパズルアクション+アドベンチャー。
2011年2月17日発売。プロデューサー兼ゲームディレクターは橋野桂、アートディレクションは副島成記、作曲は目黒将司と『ペルソナ3』 『ペルソナ4』の開発チームが製作している。
アニメーションパートはSTUDIO 4℃が製作。オープニングムービーのBGMはL-VOCALの『Yo』が採用されている。
なお、本作はPS3版とXbox360版でパッケージイラストが異なる。PS3版は浮気相手のキャサリン(Catherine)が、Xbox360版は恋人のキャサリン(Katherine)がメインに描かれたものが使用されている。
リメイク版
OP
TGS 2018での完成披露プレミア
修羅場、極まる
発売から7年後。なんとリメイク版が発売されることになった。
タイトルが『キャサリン・フルボディ』で制作担当はアトラスの新スタジオ『スタジオ・ゼロ』
発表当初は2018年冬発売予定だったが先延ばしとなり、2019年2月14日発売予定となった。
ストーリーは前作と変わってないがシナリオが追加されている。
新キャラクター『リン』のエンディングと二人のキャサリンの新たなエンディングが追加されている。アニメーションも追加され、声優も前作から続投し、一部新録されている。新たなパズルステージと新しいトラップも追加されている
Switchで修羅場、極まる
なんとニンテンドースイッチに移植が決定。
2020年7月2日に発売された。体験版も配信されている。内容に変化はないが新たにCatherineの理想の声が追加される。シナリオの後半から録画禁止区間もある。(理由は以下参照)
ストーリー
民間人が5万ドルで宇宙旅行へ行ける近未来…
主人公・ヴィンセントの住む街では、
「ただ寝ていただけの若い男性が、苦悶の表情を浮かべて老人の孤独死のように死んでいる」
という奇妙な事件が多発していた。
そしてその陰で流行り始めた奇妙な噂、
「落ちる夢を見たとき、すぐに目を覚まさないとそのまま死ぬ」
そんな中、ヴィンセントは行きつけのバーで5年来の恋人・キャサリン(Katherine)から結婚願望があることを仄めかされ、頭を悩ませていた。
今はまだ気楽な独身生活を楽しみたいヴィンセントは答えを出せず途方に暮れるが、その最中出会った謎の美女・キャサリン(Catherine)に誘われるまま、彼女と肉体関係を持ってしまう。
そしてその夜以来、ヴィンセントはその奇妙な悪夢にうなされる日々を送ることとなってしまう。
悪夢パート
このゲームのメインパート。ヴィンセントが見ることとなる前述の『落ちる夢』はパズルアクションで構成されている。立方体状の『石』を操作し、階段状につなげて登り最上段のゴールを目指す。
時間経過で下から徐々に石が崩れていき足場が無くなり、落ちると死亡=ゲームオーバー。落ちるだけでなく、操作ミスで落下する石に潰されたり、トラップにかかっても死亡するので注意。
ロードランナー、倉庫番、ソロモンの鍵、バベルの塔などの要素を混ぜて3Dにした感じ。
登場人物
- ヴィンセント・ブルックス / Vincent Brooks
本作の主人公。32歳の冴えない独身サラリーマン。作中では再就職したばかりで所得はあまり高くなく、お金が全く貯まらないことに悩んでいる節がある。
地方都市の一般的な家庭に生まれ、小学校時代は活発的な性格をした周囲のリーダー的な存在で彼に憧れる者も多かった。だが高校時代に両親が離婚。原因は母親の浮気だったが父親にも非があった。その際、友人達と離れ離れになるのを嫌がって実家を飛び出し、それ以来現在までアパート暮らしを続けている。
恋人であるキャサリン(Katherine)から結婚を迫られているが、気楽な一人暮らしを楽しみたいと思っており、前述の出来事を今も僅かながら引きずっていることもあってあまり乗り気ではない。
突如現れたもう一人のキャサリン(Catherine)との出会いから、夢と現実で悪夢のような世界に巻き込まれていく。
そしてフルボディではリン(Qatherine)という女性とも出会い、さらに修羅場と化す…。
- キャサリン / Catherine
本作のヒロイン。金髪で両側にカールさせた短い髪をしている謎の美女。
恋人のキャサリンとは名前の綴りが違う。
年齢は22歳で職業は不詳。魅力的なプロポーションと小悪魔的な雰囲気でヴィンセントを誘惑し、一夜の関係を持ってしまう。
彼女の自由な振る舞いは、ヴィンセントの生活の全てを掻き乱していく。
理想の声
キャスト一覧は『Catherine(キャラクター)』の記事へ
- キャサリン・マクブライド / Katherine Mcbride
CV:三石琴乃 (フルボディ 15秒CMのナレーションも担当)
本作のヒロイン。ヴィンセントの恋人。薄いブラウンのロングヘアで、アンダーリムタイプの眼鏡をかけている。
浮気相手のキャサリンとは名前の綴りが違う。
年齢はヴィンセントと同い年で32歳。
中堅アパレルメーカー「バンタムスーツ」に勤めており、ヴィンセントとは高校時代の同級生で、5年前の同窓会をきっかけに交際を開始した。
ヴィンセントの好みの角砂糖の数を覚えるほど細やかな気遣いのできる女性で、恋人にはとことん尽くす。
真面目に結婚を考えているが、彼の煮え切らない態度に不満を覚えている。
名前について、こちらの場合の発音は「キャスリン」また縮めて呼ぶ場合は「ケイト」。
- オーランド・ハディック / Orlando Haddick
CV:平田広明
バーの常連であり、ヴィンセントの旧友。勤務先にヴィンセントが再就職してきたため、普段から彼とよく共に行動している。
実はバツイチで、前妻はオーランドがベンチャー事業に失敗した際、まだ子供がいなかったのを幸いとばかりに逃げるように蒸発していた。
そのため結婚には懐疑的で「結婚は人生の墓場」と豪語し、悩むヴィンセントに対しては結婚に否定的な助言が多い。
- ジョニー・アリガ / Jonathan Ariga
CV:子安武人
ヴィンセントとオーランドとは旧知の仲の男。バーの常連である。父親が経営している中古車販売店に勤めており、いつか後を継ぐつもりでいる。「結婚は運命の相手とする」と高い理想を公言しており、現在付き合っている彼女にも「結婚する気は無い」と伝えてあるらしい。本人曰く、浮気はしていないというが……
- トビー・ネビンス / Tobias Nebbins
CV:谷山紀章
ジョニーの職場の後輩で、バーの常連。
年齢は23歳で青いつなぎを着ている無邪気な好青年。結婚願望は人一倍強く、「彼女ができればすぐにでも結婚したい」と理想ばかりが先走る。
年上の女性が好みで、本人曰く「キツめのお姉様に罵られながらヒールで踏まれるのが憧れ」との事…。それを聞いたジョニーは「変態」「こういうのがホラー映画で最後に1人だけ生き残る」と評した。
この作品はホラー映画ではなくホラー&アダルトなゲームだが、彼の運命は……
CV:若本規夫 (フルボディ 第3弾PVのナレーションも担当)
ヴィンセントが毎夜訪れるバー「ストレイシープ」のマスター。多くの修羅場を経験してきた経験を活かし、悩み相談に乗ってくれる。トレードマークのデカいグラサンはエリカ曰く、過去に別れた女からの復讐を恐れてつけているものらしく、人前では取ったことがないという…。
実はその正体は……。
- エリカ・アンダーソン / Eric Anderson
CV:皆川純子
バー「ストレイシープ」で働く気さくなウェイトレス。ヴィンセント達と幼馴染。
町の噂に詳しく会話に割って入ってくる。
高校時代、命がけで惚れた相手がおり、上京したその相手を追って地元から失踪。そのまま音信不通となり、ヴィンセント達の間では「エリカ死亡説」まで流れたが、ある時突然帰って来た。
なお、トビーが好意を抱いている相手なのだが……
フルボディでは新規に追加された回想シーンでヴィンセント含む幼馴染全員の高校時代の容姿を見る事が出来るらしい…。さらに特定のルートでは………気になる人はソフトを買おう。
- ミッドナイトヴィーナス / Midnight Venus
「ゴールデンプレイシアター(ゴールデン遊戯劇場)」のストーリーテラー。
巨大な赤いアフロが特徴の女性で、ヴィンセントの悪夢は彼女の案内によって始まる。
フルボディではツインテール如く赤いアフロが二つの状態の髪型に変更している。
- リン / Qatherine
CV:平野綾
フルボディでの新キャラクターで3人目のヒロイン。最近、バー・ストレイシープに雇われたピアノ弾き。
非常に素直で穏やかな性格。名前以外は記憶を失っており、何者かに追われている。
難易度
このゲームは発売当初から鬼畜ゲームとしての素質があった。
それは、せっかくイージーであるUNDOボタンが全くといって良いほど効果をなしていないことからも察してもらえるだろう。
この鬼畜難易度な上コンティニュー回数が制限されているため難易度がノーマル以上だとガクッと上がる(イージーでも十二分に難しいのだが)。
このため公式サイトではプレイヒントを公開する、異例の事態になっている(現在はサイトのリンク先がフルボディの公式サイトにつながるようになったため見れなくなっている)。
この事態に関して公式は忘れてはおらず、リメイク版のフルボディでは改善され、『Safety』という難易度が追加。その内容は、
- 罠発動なし
- 時間制限なし
- ゲームオーバーにならない
- アクションパズルスキップ可能
と『パズルゲームが苦手』、『ストーリーだけを楽しみたい』向けにゲーム内での救済処置が施されており、さらにサポート機能も追加された。
『オートプレイ』では自動的に登頂する。『リトライアシスト』はゲームオーバーになった所まで自動的に登ってくれる。前作で効果があまりなかった『自動UNDO』は死亡しても即座に一手前だけ戻せるようになった。『ライン表示』はぶら下がっている時のみ移動出来る部分が表示される
さらに前作から『やりこんだ人』、『パズルゲームが得意』向けにアレンジモードが追加。一風変わったブロックが登場し、全く新しいステージとして楽しむ事が出来る。
小ネタ
- ペルソナ3ポータブル
- 開発時期が重なっており、製作スタッフが同じなため、同作にヴィンセントによく似た男(ただし目じりにほくろがある)が「一人で飲んでいる男」として出演している。彼もまた結婚について困っているらしい。
- 『ネタバレをしたら死ぬ』という噂
- 特に8夜目以降は即死級。しかし最後までプレイした実況動画やエンディング集が多く投稿されていたため、全く効果がなかった。公式Twitterによる『PS4の配信機能は使えるのでしょうか』という質問箱での一問一答に対して、『バッチリ使えます!オンライン対戦を含むバベルやコロシアムモードはすべてシェア機能による配信が可能です!ただしシナリオモード後半のみ、ネタバレ防止のため、制限させていただいています。』と返答している。2月8日にガイドラインを公開。シナリオが増えたのか前作でネタバレ動画が多く投稿されたせいか6日目アパート廊下のセーブポイント以降からエンディングまでは公開を禁じるようになった。前作より短くなっている。またストーリーのイベントシーンがある場合、『ネタバレあり(注意)』等とはっきりと明確に表記するようにと伝えられている。と、思われていたがフルボディ発売後は無印版の動画(主に中盤と終盤)が今更ながら多数削除されている事からより厳しくなっていると分かる(それでも残っている動画は存在するが)ちなみに、Switchでも同じ録画制限(コピープロテクトのHDCPによる禁止区間のシステム)があるかは記事を読んでいるプレイヤーのあなた自身で確かめてみて欲しい。
- ナレーション
- テレビ東京系の番組「モヤモヤさまぁ~ず2」でおなじみの音声合成ソフト「ショウ君」。
- ペルソナQ
- ニコニコ動画
- ペルソナシリーズ情報番組『ペルソナストーカー倶楽部』その第6回にてオープニングに『ゴールデン遊戯劇場』のOPが使用されている。
- 時代設定
- 「民間人が5万ドルで宇宙旅行へ行けるようになった遥か先の未来」となっているが、その割に人々の生活スタイルは現代とさほど変わっておらず、携帯電話やPCもガラケー、デスクトップ型の新製品が絶えず発売されている模様。具体的な年代は明かされてはいないが、ヴィンセント達の行きつけのバーに貼ってあるバイクのポスターに「2060」と書かれており、もしこれが年数を表しているとすれば少なくともこの物語は2060年以降の出来事、という事になる。
関連タグ
キャサリンパッケージパロリンク キャサリンパロ ATLUS キャサリン
- ペルソナ5:DLCでキャサリンコスチュームが販売されている。フルボディにて先着購入DLCで主人公がプレイアブル参戦し、ほかのメンバーも実況として追加される。また、本作のBGMの一部がペルソナ5で使用されている。
- ソウルハッカーズ:とあるEDのヴィンセントとKキャサの結婚式のムービーの新婦入場の際のBGMで2Dフィールドの曲が無加工で使用されている。
- INSPION:フルボディのサウンドデザイン担当
- SEKAI NO OWARI:フルボディ第四弾PVのイメージソングとしてRe:setが使われた。
- 少子化:舞台はアメリカだが、テーマの一つとして組み込まれている。