曖昧さ回避
- 1988年に公開されたアメリカ映画で、コメディ風味のゾンビ映画。※メイン画像およびこの項で解説
- ゾンビ化した警察官のキャラクター。『真・女神転生シリーズ』にはこの名で登場する。キャラクター等については →ゾンビポリス
概要
原題は『Dead Heat』。監督はマーク・ゴールドブラット。
日本では1989年に『ゾンビコップ』という邦題で劇場公開された。1992年にはフジテレビで放映され、DVD等に収録されている吹替音声はその時のものが使用されている。
あらすじ
ロス市警の刑事コンビであるロジャーとダグは宝石強盗の犯行現場に向かうが、2人の強盗たちは異様にしぶとく、警察隊の集中砲火を浴びてもひるまず反撃を続ける有様だった。1人が手榴弾誤爆で爆死した後にもう1人を自動車で轢殺し、ようやく鎮圧に成功するが、この件に限らずロスではここ2週間、類似した特徴を持つ犯罪者による強盗事件が続発していた。
その後、強盗たちはかつて検死官のレベッカが検死した人物と判明し、彼らの体内から大量のサルファ剤(抗菌剤)が検出されたことから、ロジャーとダグはそれを大量購入したダンテ製薬が怪しいとにらみ、立ち入り捜査を開始する。
しかし有力な情報は得られず、諦めきれないダグが社内の奥に侵入すると、奇妙な装置の上に横たわる死体を発見。すると死体が突如蘇り、襲いかかってきた。そこへ加勢したロジャーは揉み合いの末に減圧室へ閉じ込められ、何者かの手で起動したそれにより窒息死してしまう。
悲しみに打ちひしがれるダグは、レベッカの調べで先ほどの装置が蘇生装置であることを知り、迷いながらもロジャーに使用した結果、心臓は動かず体温もないゾンビとして蘇らせてしまう。
肉体の腐敗が徐々に進行するロジャーが、刑事として行動できるタイムリミットは約12時間。それまでに黒幕を見つけだそうと捜査を続行するのだが…
主要キャスト
役名 | キャスト | 吹き替え |
---|---|---|
ロジャー・モーティス | トリート・ウィリアムズ | 秋元羊介 |
ダグ・ビグロー | ジョー・ピスコポ | 江原正士 |
レベッカ | クレア・カークコンネル | 藤生聖子 |
ランディ・ジェームズ | リンゼイ・フロスト | 佐藤しのぶ |
アーネスト・マクナッブ | ダーレン・マクギャビン | 吉水慶 |
スール | ケイ・ルーク | 石森達幸 |
アーサー・P・ローダーミルク | ヴィンセント・プライス | 八奈見乗児 |
余談
- マーク・ゴールドブラットの初監督作品。彼は編集技師としてより著名な人物で、当事典に記事が存在する作品から一部を挙げるだけでもターミネーター、同2、コマンドー、スターシップ・トゥルーパーズ、アルマゲドン等でその手腕を振るっている。
- どのシーンでも口が減らないダグを演じたジョー・ピスコポはコメディアンとしても高い知名度を持ち、この映画以前のキャリアでは米国のバラエティ番組サタデーナイトライブにてエディ・マーフィーと共にレギュラーを数年務めていた時期もある。
- メジャーなゾンビ映画のように感染でゾンビ化するのではなく、特殊な機器の作用により死者が理性を保ったままゾンビ化するのが当作品の特徴の一つである。蘇生の対象は人間にとどまらず、料理屋の食材である豚や鶏、魚等も蘇るシーンがある。
- 肉体的死を迎えつつも理性を残したゾンビが登場するため、彼らが人としての姿や営みを守るべく行う涙ぐましい試行や短い余生と向き合う苦悩もこの映画を印象づけるものとなっている。その一方で戦闘シーンはゾンビの不死性を活かした、豪放なものが多くなっている。
※以下ネタバレ注意
- バディムービーとしての要素も色濃く、どのような境遇に追い込まれようと軽口を叩き合う刑事たちの、哀しくもどこか爽やかな幕引きはファンの間で語り草となっている。またラストシーンの会話は原語と吹き替えとで一部意味合いが違っている。原語ではダグの下ネタをロジャーが冷やかすようなやりとりだが、吹き替えでは下ネタにロジャーが乗る展開になっており、最後は原語に無いダグの奇声で締めくくられる。DVD字幕も独特の翻訳で、上述のどちらとも異なった後味を残す表記になっている。