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CV:東地宏樹

概要

地球連邦軍の特殊部隊ECOAS(エコーズ)」の920隊司令。階級は中佐。38歳。

「ラプラスの箱」の袖付き(ネオ・ジオン)への譲渡阻止及び奪取の命を受け、ネェル・アーガマに乗艦する。

高い対人戦闘能力のほか、携行対MS兵器の扱いに長けており、ほぼ生身でクシャトリヤやシナンジュといった高性能MSに損害を与える腕前を持つ。

年端もいかない少年を戦場に送りだすことに良心の呵責を感じることもあるが、そうした感情はおくびにも見せないプロの軍人。

ユニコーンガンダム及びラプラス・プログラムの持つ本質についていち早く感づき、バナージに対して「自分で自分を決められるたった一つの部品だ」と人の心の大切さを説く。

首相官邸ラプラスの残骸調査にユニコーンガンダムにてバナージと同乗し出動、フル・フロンタルとの戦闘では降機してバナージを援護するがシナンジュのビームアックスに焼かれ、戦死した。

死後も魂はバナージを見守り続け、その僅かな残滓はギルボアと共に彼のニュータイプへの覚醒を促す呼び水となった。

ガンダムシリーズにおける主人公に大きな影響を与える大人の役どころであるといえよう。

名台詞

「我々はこれを人質救出作戦と捉えています」

バナージが拘束されている袖付きの拠点・パラオの攻略に際して。ネェル・アーガマ単艦のみの絶望的な作戦を前にしたオットー艦長に対し、自分たちはバナージに助けられた借りがあると語り、「ラプラスの箱」のためでなくバナージのための作戦と激励する。

一見すると強面と寡黙な態度から冷徹な印象を与えるダグザの、良心的な一面が垣間見える台詞。

「頼んでいるつもりはない」

OVA版にて。首相官邸ラプラスの残骸における調査の際に、NT-Dによる再度の暴走を恐れてユニコーンに搭乗することを嫌がるバナージにあっさりと言い放つ。

バナージに「責任」を突き付け、目の前の困難から逃げだそうとしていると厳しく当たるダグザだったが、プロの軍人の立場として言わなければならない言葉でもあり、同時にその裏には「自分に息子でもいれば味わっていた気分なのかもしれない」という感情も秘められていた。

「俺たちは連邦という巨大な装置の部品だ。部品はなにも望まない。装置全体の決定に従い、与えられた命令を実行するだけのことだ。いつか壊れる日が来るまで…」

原作小説版にて、エコーズが発足した頃にスウィートウォーターで行った任務を、副長のコンロイと共に振り返る中で。テロの首謀者を暗殺する際に偶然、多数の児童を巻き込み死傷させてしまったことから、エコーズに「人狩り(マンハンター)部隊」の二つ名が冠された任務であり、ダグザらエコーズ隊員にとってもトラウマに等しい一件だった。

今回のラプラスの箱の回収任務においても、既に部下の犠牲を払ってきた。この先、更なる犠牲を払ってでも任務を全うするべく、信念を曲げまいとするダグザだったが……

「正義は風向きひとつで揺れ動く。秩序を守るためには我々のような存在が必要だ。そうした現実を呑み込み続けて、おれたちは自らが現実になった。だが……」

上記の発言の後、コンロイのバナージに対する「傷つきたくないから殻に閉じこもっている。あれでは何も救えない」の発言を受けて。

ダグザには組織の部品になろうとして何も考えようとせずにただ現実を呑み込んでいるだけで結局は「大人」という殻に閉じこもっている自分達よりも、現実を呑み込めずに必死に足掻いているバナージの方がずっと現実に向き合っているように思えた。

「個人の力では変えられないし、変えようとする気すら起こさせない。どんな組織でも起こることだ。が、かといって、維持存続の本能に呑み込まれた歯車を、悪と断ずることもできない」

バナージと共にユニコーンのコクピットに同乗し、ラプラスの調査に向かう道中にて。「連邦の歯車」の立場から、連邦政府とラプラスの箱の存在意義をバナージに語る。

「補助席がもろい分、身体は頑丈だ」

ラプラスの残骸にて、フロンタル隊の急襲を受けるユニコーン。フロンタルのシナンジュに対抗するためにはNT-Dを発動させなければならないが、デストロイ・モードのユニコーンの超絶的機動力では同乗しているダグザがただでは済まないと迷うバナージに対してこう述べる。

「乗り手の心を試しながら、箱へと導く道標。こいつを作った奴は、とんだ食わせ物らしいな」

バナージが全力を出せるようにダグザはコクピットを降り、自身が気づいたユニコーンとラプラス・プログラムの隠された本質を語る。

単なるジオン根絶のための殺戮マシンなどではない。ユニコーンを制御するのは乗り手の「生身の心」であり、同時にそれを試すための道標なのだと。

「歯車には、歯車の意地がある。お前もお前の役割を果たせ」

「ここが知っている……自分で自分を決められるたった一つの部品だ。無くすなよ」

ダグザはバナージの胸を指差して人の心の大切さを語った後、それまで見せることのなかった柔和な表情でバナージを送り出した。この台詞はある意味、かつてのデラーズ紛争で、ガトーコウを痛罵する意味で発言した「連邦の歯車となって戦う男」という言葉に対する、一つの返答と言えるかもしれない。

「意地でも、借りでもない。自分の心に従っただけだ。歯車にも生まれるのだな、望みというものが…」

シナンジュに挑む直前の独白。

「おまえは私の希望……託したぞ、バナージ」

バナージがユニコーンのサイコフレームを通して受信した、ダグザの遺志。ダグザがシナンジュのビームアックスに焼かれて消えていったのを目撃したバナージは、NT-Dを発動させてシナンジュに挑む。

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  • 今は、鈍色が導くままに/G

    遅ればせながらUCを見ていますが、ep3まで見てダグザ中佐にやられました。  バナージを見ていると、カミーユが思い出されてならないのですが、フォーを失った後に悟ってしまった(ように見える)カミーユやアムロの悩みを、バナージが再体験というか、彼を通してカミーユやアムロの描かれなかった葛藤の過程を見ている気持ちになります。アムロはシャアがいたので、自分のあるべき位置を外れることはなく選び取っていった気がしますが、カミーユは明確な座標・道しるべが無かったよなぁ、としみじみしてしまいました。その点、UCは周りの大人たちそれぞれに父性が感じられて、バナージは幸せ者だなと思います。アムロやカミーユなんてブライトさんしかいなかったもんね。クワトロ(対カミーユ)・シャア(対クエス)はお父さんになりきれなかったし。  ……と真面目なことを書いていますが、バナージちゅーしろ!ダグザさん今ベスポジにいる!!!!(最後のアレ)と思っていたりしました。あ、今回はダグザさんとランデブーする直前を書いてみました。何番煎じか分かりませんが、個人的にこのキャプションが書けたので満足です。最後に、バナージの一人称が「僕」なのはわざとです。独白なのでこちらにしました。

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