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テレビゲーム15

てれびげーむじゅうご

かつて任天堂が開発・販売した家庭用ゲーム機、テレビゲーム15と、その姉妹機テレビゲーム6について記述します。
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概要編集

正式名称『カラーテレビゲーム15(フィフティーン)』。1977年7月1日発売で定価は15,000円。


任天堂がはじめてテレビゲームビジネスに参画することとなった製品であり、現在の任天堂の原点ともいえる商品。これの姉妹品に廉価版のカラーテレビゲーム6があり、その価格設定はテレビメーカーを含む当時の家電業界に大きなショックを与えた。


開発秘話編集

もとは電卓メーカーのシステックと三菱電機が開発していた玩具用のLSIを、システックが倒産したことをうけ、三菱電機が任天堂に製品化を打診したことで開発が始まった。

任天堂が選ばれた理由は、すでに電子技術を活用した製品を販売する玩具メーカーであり、かつ、16式フィルムやEVRプレイヤー(CBSコロンビア開発のフィルム式ビデオプレーヤー)を使ったコイン式映像遊戯機械(アーケードマシン)の開発・販売を行っていたためであった。

EVRはVTR(ビデオテープレコーダー)と市場の覇権を争っており、EVRメーカーでもあった半導体メーカーが、自社が開発したLSIの用途が遊びを目的としたものであることから任天堂に持ち込んた。


自社製品の差別化による安価な消費者への供給編集

当時、半導体はとても高額で、日本の各メーカーは半導体製品(ここでは主にゲーム機)を自社開発するより、すでに成功し市場が形成されているアメリカの製品を日本市場に持ち込むことで自社開発のリスクを回避しようとし、他方テレビメーカーも、テレビゲームをテレビの付加価値の高い周辺機器として販売しようと目論んでいたため、どうしても2万円以上の高額な商品とならざるを得なかった。

とくにテレビはカラー化以降、一般家庭に普及が進み、各メーカーはポストカラーテレビとなるあらたな製品を探していた。


任天堂は、玩具開発の経験から価格が1万円を超えるとビジネスの魅力に乏しいことを理解していた。

しかし、半導体メーカーが提示したLSIの価格ではどうしても1万円以下に価格を抑えることができず、半導体メーカー側にも任天堂の「大量販売するには価格を抑えることが必要」という主張を受け入れるだけの実績と経験が無かった。


そこで、どうしても安価で製品をとどけたい任天堂は、苦肉の策として6種類のゲームしか遊べないが、価格は一万円を切る(9,800円)「カラーテレビゲーム6」か、値段は15,000円と高いが15種類のゲームが遊べる「カラーテレビゲーム15」の二種類を同時販売する戦略をとった。


商品は2種類あるが、実は内部は全く同じものであり、電子回路の接続を変えて一部の機能を封じて「見た目上の廉価版」を用意した。もし、一台当たりの生産コストが全く変わらないのにテレビゲーム15より廉価版のテレビゲーム6のほうが売れれば、このビジネスは失敗。任天堂は大赤字に終わるはずであった。

しかし、この身銭を切る持ち出し一方の販売戦略は意外なことに多くの消費者が「テレビゲーム15」を選んだことで成功し、最終的に100万台の大ヒットを飛ばす(※)。


また、テレビゲームが1万円以下で発売されることはそれまでの常識を覆し、各方面に驚きをもって迎えられた。

このとき多くの新聞がこぞって報道した。1977年4月27日付けの日経産業新聞は「テレビゲーム任天堂ショック。カラーで九八〇〇円とは。業界、口あんぐり、価格戦略見直し迫られる」と見出し。家電業界は驚愕し、価格戦略の見直しを迫られた。たとえば松下電器は2万円台でテレビゲームの製品化を狙っていたが断念せざるを得なくなる。


※ちなみにこれは行動経済学でいう「ナッジ」の考え方にあたる。ただ単に15,000円で15種類遊べるのと、9,800円に5,000円を足せば6種類が15種類に増えるのでは価値判断の前提が変わり、消費者はそこまで値段が変わらないならせっかくだから良いものを買おうという気になってしまう。この当時はまだそんな言葉はなかったが、商売としては古くからある発想であり、いわゆる「松竹梅」の値段付けも竹を選ばせて利益率を上げるためのるための手法である。


その後編集

テレビゲーム15以降も任天堂と三菱電機の関係は続き、はじめは三菱の技術者に書いてもらっていた回路図も、三菱の技術者の手ほどきをうけ任天堂の技術者自力で設計できるまでになった。

この経験は任天堂の半導体の品質管理技術として今も生きている。

のちに任天堂はファミコン用LSIの開発をリコーに委託するのだが、そこで任天堂に半導体技術を教えてくれた技術者たちと再会を果たすことになる。


コラボレーション編集

マグナボックス社の家庭用ゲーム機・Odysseyのライセンスを取得して発売された製品だが、システム面は寧ろOdysseyのクローンゲームであるPONGに類似しており、PONGクローンとして認識される。上記の価格戦略以外には任天堂としての独自性に欠ける作品であったため、コラボレーションなどは少ない。


数少ないコラボ例としては、『おどるメイドインワリオ』で、おなじみナインボルトステージのプチゲームとして登場している。

また、大乱闘スマッシュブラザーズシリーズでも『for』以降「アシストフィギュア」として参戦している。

何らかの形でスマブラに登場したゲームとしては、それまでのシェリフを塗り替えて最古となった。


関連タグ編集

任天堂 レトロゲーム

Odyssey(ゲーム機) PONG

アシストフィギュア


外部リンク編集

カラーテレビゲーム15 - Wikipedia

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