概要
海鳥の一種。カモメと名に付くが、カモメ科ではなく、独自のトウゾクカモメ科に分類され、カモメよりも寧ろウミスズメ科に近縁である。
名前は、カモメに似た姿と、他の海鳥を襲撃して獲物や子供を奪い取る習性を盗賊に見立てて名付けられた。
日本国内では、太平洋側の海上で見られる。
形態
形態はカモメ科に似る。
嘴がほかのトウゾクカモメ科より分厚い。
成鳥夏羽は独特なスプーン型の中央尾羽を持つ。
幼鳥や若鳥は成鳥よりも尾羽が短い。
体色は、白褐色がベースのカモメと違い、黒褐色ベースで、腹や首周り(翼下面と初列風切)は白い。
淡色型、中間型、暗色型の3タイプがある。
生態
海上の空高くを単独で飛行する。
カモメ、アジサシ、ミズナギドリ、カツオドリなどの海鳥を空中で襲撃し、獲物を放したり吐き出したりしたところを空中で奪い取って食べる生態を持つが、狩りをしない訳ではなく、自ら魚介類を狩ることも多い。
繁殖期には、海辺で子育てをする小型哺乳類や他の鳥類の巣を襲撃し、卵や雛・幼獣を狩ることもある。
繁殖期は6~9月頃で、北極のツンドラ地帯の地上に営巣し、卵を2つ産む。
余談
ネット上では、進撃の巨人の主人公、エレン・イェーガーと、トウゾクカモメの学名、ポマリン・イェーガーに、どちらもイェーガー(元々はドイツ語で猟師、猟兵のことを指す単語であるが、第一次世界大戦勃発後は転じて戦闘機、駆逐戦車などを指す語句となった)が名前に入る事から、進撃の巨人最終話の最後にミカサのマフラーを巻いてあげた鳥がトウゾクカモメなのではないか?という考察が出回っているが、作中に登場した鳥の体色や尾羽の形状などは、どこからどう見てもトウゾクカモメには見えず、姿はユリカモメのように見える。
足に水掻きがないので、カモメどころか海鳥ですらない可能性もあり、そもそもトウゾクカモメの学名はステルコラリウス・ポマリヌス(Stercorarius pomarinus)で、ポマリン・イェーガー(Pomarine jaeger)は英名である。
主な種類
トウゾクカモメ属
- トウゾクカモメ
- シロハラトウゾクカモメ
オオトウゾクカモメ属
- オオトウゾクカモメ(ナンキョクオオトウゾクカモメとも)