概要
1962年7月7日生まれ、青森県青森市出身、本名:関直美(せきなおみ)(ペンネームはいとうせいこうが命名)。法政大学中退。
1980年代後半から2000年代前半にかけて、消しゴム版画作家、コラムニストとして活躍した。
子供の頃から手先が器用で絵がうまく、高校時代にクラスで消しゴム版画が流行った際には、同級生からバンドのロゴの模写など依頼が多数寄せられていた。またテレビっ子(※当時の青森県は民放が2局しかなく、テレビに関してはあまり恵まれた環境ではなかったと振り返っている)で、熱心な深夜ラジオリスナーであり、サブカルチャーにも強い関心を持っていた。
高校生の時の消しゴム版画は一過性の遊びで終わったが、大学進学後に再び趣味として彫るようになり、大学と並行して通っていた広告学校(広告批評主宰)の友人の手帳に押したところ好評を得る。この友人はライターのえのきどいちろうの交際相手(後の妻)であり、彼女を通じてえのきどと面識を持ち、「シュワッチ」に所属することになった。
同時に、えのきどが雑誌『ホットドッグ・プレス』の編集者だったいとうせいこうに関を紹介、いとうによって「ナンシー関」のペンネームをつけられ、同誌にてイラストレーターとしての活動をスタートさせる。主に芸能人や文化人の似顔絵を製作した。
その後コラムニストに活動の主軸を移し、消しゴム版画は自身のコラムの挿絵として製作されるようになったほか、他者の挿絵としても多くの作品を手掛けた。
コラムニストとしては、主にテレビ番組や芸能人に関する評論・エッセイが中心であり、やや辛辣な言い回しを交えつつも、主題に対する愛情を込めた、シニカルかつユーモラスな文章で高い人気があった。独特な視点による鋭い評論には、ナイナイの岡村隆史、ダウンタウンの松本人志、リリー・フランキーなど芸能関係の人物からも定評があった。
2002年6月11日夜、友人と食事をした後、一人自宅に向かうタクシーの中で意識を失い、そのまま救急搬送される。しかし回復せず、翌12日の午前0時47分に虚血性心不全で死去。享年39歳。
生前、特に晩年は、ストレスから暴飲暴食に走り、1日20〜30本もタバコを吸うチェーンスモーカーであるなど、決して健康的とは言い難い生活を送っていたことが友人等によって語られている。