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概要編集

映画『RRR』作中のダンスパートで流れる歌。作曲は『バーフバリ』でもS・S・ラージャマウリ監督とタッグを組んだM・M・キーラヴァーニ。


タイトルの「ナートゥ」とはテルグ語で地方、転じて故郷などを意味する言葉。

作中ではナートゥというジャンルのダンスが存在するように語られているが、実際のところインドにはナートゥというダンスは存在せず、RRRのオリジナルである。


登場シーンあらすじ編集

(Netflix配信、ヒンディー語吹き替え版)

イギリス人のパーティーに乗り込んだビームとラーマの主人公二人。

しかし、イギリス人で一番ダンスがうまいと評判のジェイクがサルサフラメンコを引き合いに出し、「野蛮なインド人に高尚なダンスなど理解できるはずがない」とビームを馬鹿にする。

ビームと違い英語を解するラーマは弟分を助けるため、ドラムで周囲の耳目を引き付けると、ジェイクに歩み寄り、あえて慇懃無礼な口調でこう問うのだった。


「サルサでもフラメンコでもない」

(Not salsa, not flamenco, my brother.)

「”ナートゥ”をご存じか?」(眉ピク)

(Do you know "Naatu"?)


少々面食らったように「”ナートゥ”?」(What is "Naatu"?)と返したジェイクに、さらなる返答として二人が歌いだし曲がスタートする。


特徴編集

いかにもインドといったメロディーやひたすら連呼される「ナートゥ」という単語が印象的。

しかし、この曲を強く印象付けているのは、そのダンスの振り付けであろう。

連呼される「ナートゥ」という単語に合わせ、華麗かつ激しく体を動かす振り付けが特徴。これはイギリス人たちが舞踏会で踊るようなおしとやかなダンスとは対極的なモノであり、またたく間に淑女たちを魅了した。

主人公二人が踊ったこのダンスは足さばきに長け、当時代に女性の前で踊るには些か(歌詞にある「トウガラシ入りの雑穀パン」のごとく)刺激が強い物であり、男性陣には大いに不評だった。しかし最終的には渋顔紳士諸君も巻き込んだ大ダンスバトルへと発展し、雄牛の如く大量の土煙を上げながら輪になって踊りだす。


激しいダンスの末、最後の三人である主人公コンビとジェイクを除いた全員がだんだんと脱落していく。

しかし、当初こそしかめっ面だったその顔は、みな一様に楽し気で満足そうなものだった。


ちなみに二人のダンスをやめさせようとしたときのジェイクのセリフ「You two. Out!(出ていけ!)」は「YouTubeアウト!」に聞こえるという声も。


日本語字幕では開始前のラーマのセリフは「ナートゥをご存じか?」と訳されており、ファンの間では名セリフとして評価が高い。

これは字幕の字数の制限や意訳から偶然生まれた「名訳」であり、経緯としては同じ監督の前作である『バーフバリ』の「国母」(原文では「ラージャ・マータ」=王の母)や「この宣誓を法と心得よ」(原文を直訳すると「これこそが我が言葉であり、我が言葉こそが法である」)などと同じである。

詳しく知りたい人は関連記事のリンクをどうぞ。


表彰編集

第95回アカデミー賞歌曲賞を受賞。インド映画がアカデミー賞を受賞するという史上初の快挙を成し遂げ、オスカーのステージにてナートゥが披露された。

始まる前には司会者が「ナートゥをご存じでしょうか? もしそうでないなら、今から知ることになるでしょう」と名台詞を引用し、かくして全世界がナートゥを存じ上げることとなった。


また、表彰式では司会者の話が長すぎる際、屈強な男たちがナートゥを踊りながらステージに乱入し、司会者を巻き込んで強制退場させるという、斬新な用途でも使用。多くの映画ファンの腹筋にダメージを与えた。


ダンスの解説編集

監督曰く「高難易度のダンスには敢えてしなかった。兄弟姉妹、親子、家族、友人、大事な人、どんな二人でも踊りたくなるような門戸の広い踊りにしたかった」という。事実ナートゥダンスはテンポも激しく一見踊り辛そうにも見えるが、肝心なのはリズム感とステップであり上半身の動きは比較的自由である。したがってリズムに乗っていれば作中の二人のように早く踊る必要はない。


劇中ダンスはサルサやフラメンコに張り合うがごとく実行されたが、曲自体はスペイン楽器の旋律がちゃんと流れており、わずかながらも女性陣がフラメンコドレスをなびかせるシーンがある。

悪玉親分であるはずのジェイク自身もまたナートゥに興じて必死に張り合うが、ラーマやビームはこれを拒むでも講釈たれるでもなく満面の笑みとサムズアップで迎えている。何千年と言う歴史の中で多民族多宗教多部族が共存していかねばならなかったインド故だろうか、ガンジス川のように寛大なこの演出は見る者に不快感を抱かせないような配慮を感じさせる…


ま、サルサもフラメンコもライミー(英国野郎共)のモンじゃねえしな!!

こまけえこたぁいいんだ、皆でナートゥナートゥ踊ろうぜ!


そのダンスシーンの余りの強烈さから、本作の視聴者は必ずナートゥを連呼するほど。

ちなみに日本人はもちろん海外の踊ってみたでも大人気。国内外でも再現動画を上げている人も。


...せっかくなので、興味がある方はサルサフラメンコも見てあげてほしい。ナートゥに負けない激しさがそこにある。


余談編集

作中では前半の転機の盛り上がりシーンとして描かれているが、実は撮影順では最後で、撮影は20日にも及んだ。

主演の二人は練習は二日間ぐらいと言ったが、撮影の合間を縫っても練習しているので、結構な日数になる。ナートゥダンスは振り付けの難しさよりもとにかく揃って精度の高い同調性が求められ合わせるのに大変苦労した模様。

ナートゥダンスは100通りの振り付け候補があったが、その中で2、3つの振り付けを採用し、よりわかりやすく誰にでも真似してもらえるような楽しく踊れるようにしたとのこと。


ジェイク役のエドゥアルド・ブハック(Eduard Buhac)、実はルーマニア人。というのはRRR親記事の余談でも触れられているが、ジェイク役はオファーではなく、ロンドンで開かれたオーディションで決定。とにかくダンスのうまいイギリス人(に見える人)という限定的なオーディションであった。それで決定したのが、エドゥアルドである。

彼は、英語圏で俳優になりたくてロンドンのLAMDAに進学し、プロフェッショナル演技コースを卒業し、ロンドン在住の俳優・脚本家・監督をしている。大作になるにちがいないとオーディションを受けて合格。2週間ウクライナに滞在して撮影をしたRRRに関わる唯一のルーマニア人である。

彼は後にでアカデミー歌曲賞を受賞した際に、自身のインスタグラムで「#iknownaatu(ナートゥを存じている)」というタグをアップしている。


ダンスの出演者は他にウクライナのバレエダンサーが多数を占める。


動画集編集

公式YouTubeで公開されている、「サルサでもフラメンコでも~」からバトル決着までの本編映像。

言語ごとに歌手や歌詞も異なる。聴き比べてみるのもいいだろう。

  • テルグ語版(オリジナル)(ナートゥ)

  • マヤーラム語版(ナートゥクートゥ)

なぜかこのバージョンだけ冒頭のセリフがサルサではなくサンバになっている。

  • カンナダ語版(ハリナートゥ)


  • テルグ語版(歌詞&メイキングビデオ)

セリフ無しで聴きたい人はこちら。


関連イラスト編集

RRR絵とか漫画まとめナートゥ


このシーンは『RRR』作中屈指の印象に残るシーンであるためか、ファンアートやパロディが多い。

“ナーツゥ”をご存知か?ナートゥをご存じか?

RRR観てきましたセンシティブな作品


関連記事編集

大ヒット映画「RRR」話題の名字幕「ナートゥをご存じか」は、なぜ「ご存じか」だったのか? 翻訳した2人に聞いてきた


関連項目編集

RRR(インド映画)

挿入歌 テルグ語

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