概要
「ハン・ファン・メーヘレン」とは、オランダの画家、画商。20世紀で最も独創的・巧妙な贋作者の一人であると考えられている。特に、ヨハネス・フェルメールの贋作を制作したことで有名である。
1945年5月29日にメーヘレンはナチス・ドイツの高官たちにフェルメール作とされていた『キリストと悔恨の女』などの絵画を売った罪で逮捕・起訴された。
しかし鑑定が行われた結果、彼が売りさばいたフェルメールなどの絵とされてきた絵画が彼の手による贋作であることが証明され、メーヘレンは売国奴から一転してナチス・ドイツを騙した英雄と評されるようになった。
結局、ナチス・ドイツへの絵画の販売については無罪となり、1947年11月12日にフェルメールらの署名を偽造した詐欺の罪で、当時の量刑として最も軽い禁錮1年の判決を受けたが、既に酒と麻薬で体を蝕まれていたメーヘレンはまもなく心臓発作に倒れ、翌月にアムステルダムで死去した。58歳没。
なお、メーヘレン作の『エマオの食事』に関してはフェルメールの贋作としてではなく、メーヘレン自身の作品として非常に評価が高く、現在もオランダのボイマンス・ヴァン・ベーニンゲン美術館に重要な作品として展示されている。