概要![編集](https://s.pximg.net/source/dic/images/icon_edit_partial.svg?20120424)
「ハン・ファン・メーヘレン」とは、オランダの画家、画商。20世紀で最も独創的・巧妙な贋作者の一人であると考えられている。特に、ヨハネス・フェルメールの贋作を制作したことで有名である。
メーヘレンはナチス・ドイツの高官たちにフェルメール作とされていた『キリストと悔恨の女』などの絵画を売った。ヘルマン・ゲーリングのように代金不足から他所で略奪した美術品を支払いに充てる者もいた。
このためドイツ降伏後の1945年5月29日にメーヘレンは国家反逆罪の容疑で逮捕され、後に起訴された。
メーヘレンは悩んだ末に、売却した絵画は自らの手による贋作だと供述。鑑定が行われた結果、彼が売りさばいたフェルメールなどの絵とされてきた絵画が供述通り贋作であることが証明された。こうしてメーヘレンは売国奴から一転してナチス・ドイツを騙した英雄と評されるようになった。
結局、ナチス・ドイツへ絵画を販売した国家反逆罪については無罪となり、1947年11月12日にフェルメールらの署名を偽造した詐欺の罪で、当時の量刑として最も軽い禁錮1年の判決を受けた。しかし既に酒と麻薬で体を蝕まれていたメーヘレンはまもなく心臓発作に倒れ、翌月にアムステルダムで死去した。58歳没。
なお、メーヘレン作の『エマオの食事』に関してはフェルメールの贋作としてではなく、メーヘレン自身の作品として非常に評価が高い。専門家たちが騙されたという教訓の意味も兼ねて、現在もオランダのボイマンス・ヴァン・ベーニンゲン美術館に重要な作品として展示されている。