CV:西田雅一
概要であるッ!
“見通す悪魔”の異名を持つ地獄の公爵にして、正真正銘の大悪魔。七大悪魔の第一席で、自称「魔王より強いかもしれないバニルさん」。一人称は「我輩」。
昔馴染みのよしみで名目上魔王の配下になってはいるが、幹部らしい仕事は殆どせずに魔王の部下をイジめたりしてその悪感情を貪る(詳細は後述)など、悠々自適に暮らしてる。
一応仕事を頼まれる事もあるが、基本的に指示通りに行動する事は無い。
神と悪魔は天敵同士であるため、女神であるアクアとは犬猿の仲で、顔を合わせる度に喧嘩をしている。
スピンオフ『この仮面の悪魔に相談を!』では、主役を務めている。
人物
作中における悪魔は人間が発する悪感情全般を糧とする(アクア曰く「寄生虫」)が、個々の悪魔ごとに好む感情が異なり、バニルの場合は人をからかい騙した時に発する怒りや羞恥、失望などの悪感情を好み、見通す能力をフル活用して人々をからかう事を生きがいとしている。
故に、悪感情の源泉である人間は彼にとって大切な存在(本人曰く「美味しいごはん製造機」)であり、極力傷付けない様にしている。
それどころか時には人間を守るために魔物を掃討したり、子供の登下校を見守ったり、ご近所を騒がすカラスを退治したりしているため、アクセルの街の子供とご婦人の間ではちょっとした人気者。
永い年月を生きた結果強い破滅願望を抱えており、至高の悪感情を食しながら消滅したいという夢を実現させるために、日夜必要な金銭を得ようと努力している。
ちなみにその計画とは、『部下の悪魔達を配置した難攻不落のダンジョンを作り上げ、最奥でバニル自らが歴戦の冒険者達を迎え撃ち、激戦の果てに敗れ去った後、その背後にある宝箱を開けスカと書かれた紙切れ1枚の中身を見て、呆然とする冒険者達を見て消滅したい』という悪辣極まりないもの。
なお、さしもの彼もとんでもないドMであるダクネスの身体を乗っ取った際には、その性癖に散々振り回されており、度々邪魔をしてくるダクネスにツッコミを入れる(身体だけは)1人漫才状態になっていた。
その後、消滅した様に思われたが、新しくなった仮面と共に(『II』の文字が入り、白黒が左右逆になっている)何事も無かったかの様に登場し(この世界の悪魔は本体を地獄に残し、何らかの方法で作った体に精神のみを憑依させた状態で顕現するため、本体を倒されるか残機が尽きない限りは復活可能)、能力を用いてダクネスを悶絶させた。
前述の様な愉快な性格の一方、借金を楯に悪徳領主のアルダープに婚姻を迫られるダクネスを救おうと悩むカズマの前に鞄を携えて現れ、借金の理由(過去にベルディアとの戦いでアクアが破壊した壁や建物、及び機動要塞デストロイヤーによる被害の補償)を語ってカズマを煽った上で、鞄の中の金とカズマ達の全財産を合わせた総額が借金額と同じだと教え全ての知的財産権を安値で買い叩くという、エゲツない程に狡猾な手腕を発揮する。
更にダクネスを取り返された上に、大勢の前で醜態を晒したアルダープの前にダクネスの姿で現れる事で彼の失望を喰らいつつ、アルダープに神器で召喚され契約していた友人にして地獄の公爵であるマクスウェルとの契約を解除するよう誘導。
マクスウェルとの契約解除により自身が破産・破滅した事実を突きつけた上で、今までマクスウェルを騙す事で溜め込んでいた契約の代価(マクスウェルが好む恐怖と絶望の感情を死ぬまで提供し続ける)を払わせ、アルダープの恐怖と絶望を食らってはしゃぐマクスウェルと心底恐れ慄くアルダープを「両想い」と面白おかしく称するなど、決定的に人間とは異なる悪魔の一面を見せつけた。
(とは言っても被害者は曲がりなりにも女神である者の加護を悪用し、同胞をただでこき使い、国の乗っ取りまで図っている人物であるため、バニルでなくともバレた時点でなんやかんやでこうなっていた可能性が高い。)
容姿
口元が開いた仮面を被り、黒いタキシードを着た長身の男(悪魔は性別というものが決まっていないため、厳密には男性ではない)。
ちなみに上述のスピンオフでは、ルナにせがまれて少し素顔を見せたのだが、婚期を逃しそうで焦っていた彼女が「この際悪魔でもいいから」と必死に喰い付いていた事から、どうやら相当の美形らしい。
ウィズとの関係
ウィズとは彼女が人間だった頃からの旧知の仲にして、現在はウィズの数少ない友人。
また、魔王軍の幹部同士でもある(もっともウィズもまた、魔王城の結界の維持を魔王から頼まれてやっているだけのなんちゃって幹部なのだが)。
上述の夢を叶える資金を貯めるために、普段はウィズの店を手伝っている。
だが折角バニルが計上した店の黒字も、ウィズの呪いじみた商才の無さにより毎回赤字にされている。回避しようにも、ウィズには見通す能力が通用しない(詳細は後述)上に全く懲りないため、毎度の如く欠陥商品を仕入れてくる。そしてその度に、彼女にキツい仕置きを行うのが毎回の定番と流れとなっている。
しかし片やアンデッドの王、片や大悪魔という最強にして最恐のコンビでもあるため、本気の戦闘においては向かうところ敵無しだったりする。
現に原作16巻では、カズマの頼みで高難易度のダンジョンに共に赴く事になった際は着々と攻略していき、最深部で待ち構えていたヴァンパイアの始祖すら難なく倒している。
ちなみに、上述のカズマから買い叩いた知的財産権を転売する事で得た莫大な利益も、すかさずウィズが大量の最高品質のマナタイト(1個数千万エリスの使い捨てアイテム)を購入した事であっさり使い切られてしまった(バニルとしては、見通す能力の反動とも予想している)。
しかしこのマナタイトは、カズマが物語終盤で魔王城の結界を破るのに使用する目的で全財産の殆どを使って買い占めたため、結果的に二転三転して再び莫大な利益を得ている。
能力
上述の異名の通り、相手の行動や思考、未来と過去も見る事ができ、人の心を見透かした様な独特の喋り方をする。
しかしウィズの様な自分と互角、またはそれ以上の強さの持ち主には能力が通じない。
見通す能力の他にも光線を発する『バニル式殺人光線』や、本体である仮面を被った人物を意のままに操る、幻覚を見せる事で他人に化けるなど多彩な能力を持つが、見通す力を直接使用した金稼ぎはロクでも無い目に遭ったり、何らかのしっぺ返しを喰らうという反動がある。
スキル・技
- カースド・ダークネス
スピンオフで使用された魔法。対象に呪いをかける。作中ではルナの代わりに受付を担当した際、問題行為を起こしたにも拘わらずクレーマーじみた言いがかりをつけてくる男女の冒険者に使用し、男の方にはアレが消失する呪いを、女の方には逆にアレが生えてくる呪いをかけた(バニル曰く、「1ヶ月放っておけば元に戻る」との事)。
- バニル式殺人光線
破壊光線を放ち相手を攻撃する。アニメ・漫画・ゲームの各媒体では、何故かウルトラセブンのワイドショットの様な構えで光線を出している。ちなみに普段は、上述の理由でウィズをお仕置きするのに頻繁に使用されている。
バニルの技の中で最も使用頻度が高く、彼を代表する技と言っても過言ではない。
- バニル人形
バニルをデフォルメ化した二頭身の人形。喋る事は出来ないが、自我は持っている模様。触れると爆発する仕組みとなっている(劇場版『紅伝説』では、シルビア戦において任意で爆発させていた)。
バニルは初登場時した際に、キールダンジョン内のモンスターを駆除するのにこの人形を使用しており、それがダンジョンの外にまで溢れ出て騒ぎとなってしまった。