CV:川島零士
概要
パトリック・シャドーとは『シャドーハウス』の登場人物。
貴族の真似事をして暮らす顔のない一族である「シャドー家」の一員で、リッキーの主人。ケイトとは同期。
性格
横柄な性格で誰に対しても偉そうであるが、その内面は繊細である。優秀なリッキーを信頼していて、彼の意見をよく求めている。尊大な態度を取りつつも、根は義理固く生真面目。恩を感じれば生き人形相手であっても礼を述べたり頭を下げる事も。自身の生き人形であるリッキーを深く信頼し、「顔」として以上に大切に思っている。
すす能力は覚醒しておらず、これは他の同期が次々と能力を覚醒している事もあってかなり引け目に感じている。彼のすすは霧靄のように薄く広がるのが特徴。
周囲に比べて身体能力は低いが思考能力は高いので、すす能力が無くともリッキーのサポートを受けつつ物事を進んで解決にあたる行動力がある。
「お披露目」の時は生き人形が助けに来るまで箱の中に閉じ込められていたが、リッキーが助けに来る前に不安と恐怖から取り乱しそうになる。その際に通りかかったエミリコに励まされた事で、シャドー家の者でありながら生き人形に「個」が存在する事を認めてしまい、同時に特別な感情を抱くことになる。主人としての矜恃から、リッキーにはこの事を知られまいと胸の内に秘める事を決めている。
ケイトからは「高慢だけど義理堅いところがある」と評されており、同期の中での信頼も厚い。この事から、ケイトが不在となる間の代理として「星つき」に任命された。
容姿
黒いシルエットのような外見で顔立ちは不明だが、髪型はリッキーと同じオールバックだと思われる。
身長は同性の同期ジョン・シャドーより低い。
服の色は緑。
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※ネタバレ注意
兆候
長らくすす能力が発現する場面が見られなかったパトリックだが、その「兆候」は表れ始めていた…133話でケイトとの待ち合わせ前に、先に部屋を訪れたエミリコと鉢合わせた事で二人揃って転倒、その体勢はパトリックがエミリコに押し倒されてしまったような形となってしまい、エミリコに想いを寄せていたパトリックが混乱しつつも思考を巡らせた瞬間…
"ぽわん"
そんな可愛らしい音を立てながら、彼の頭上に現れたのは「ハート形のすす」。
驚くパトリックを尻目に、エミリコは「すす能力が覚醒したのではないか?」と提言するが、その後は何をしてもすすが飛び出す事はなかった為、パトリック自身は「気持ちが表に出てしまうすす能力」という推測を一瞬立てたものの、結局「ハート形のすす」について言及される事はなかった。
※さらにネタバレ注意
覚醒
その些細なきっかけが、明確な覚醒に至ったのは163話。パトリックを密かに、しかし盲目的に愛する余りに、(第三者の犯行も合わせて)館を巻き込んで暴走したマーガレットの蔓状のすす能力に飲み込まれたパトリックは、薄れゆく意識の中である光景を思い浮かべる――エミリコがこれまで向けてくれた様々な表情を。
「こんな時までエミリコのことを思い出すなパトリック!!」
「忘れるんだ!!」
エミリコを想いつつも、直前にマーガレットから向けられていた想いに向き合う覚悟を決めていたパトリックの感情に応えるが如く、その体から大量のハート型のすすが溢れ出し、誰も手出しできなかったマーガレットのすす能力を吹き飛ばしてしまった。
そして、再び襲い来る蔓状のすす能力はハート型のすすが盾となって防ぎ、そのお陰でマーガレットの元に辿り着いたパトリックはマーガレットに「(エミリコへの想いを封印して)生涯マーガレットを愛し続ける」と宣言。これを聞いたマーガレットは暴走を止めたのであった。
この光景を離れて見ていた研究班の生き人形が一人、ジェレミは呟いた。
「すす能力を無効化するすす能力、ですか…」
すす能力
上記の通り、「すす能力を無効化するすす能力」。彼の体から発されたハート形のすすが相手の能力による攻撃を打ち払い、そして防ぐ。現時点では物理的な攻撃を防いでいる描写しかないため、物理系すす能力系なのか、精神系すす能力系なのか(それに対しても有効かどうかも含め)未だ不明。
ただ、能力バトル系の作品における「無効化」能力は「能力に頼った力の使い方をする能力者」に対しては強力な対抗スキルであるため、ジョンのような戦闘能力が無い分計算高い彼にとってはぴったりの能力だと言えるだろう。
発現したばかりではあるが、様々な人物達への「純粋な想い」と、それ以上に守るべきものを優先する事を決意した「高潔な意志」から生まれたといっても過言ではないこの能力を今後、パトリック本人がどのように行使していくかが注目される。