概要
『パワプロクンポケット』シリーズの第4作目で、収録サクセスは「日の出高校編」と「RPG風ファンタジー編」。
本作からもう一つのサクセス(本作における「RPG風ファンタジー編」)が「おまけサクセス」から「裏サクセス」という名称で定着し、パワポケ3以前のキャラも多数登場するスターシステムも導入された。
また、「ペナント」モードが追加され、デビルスターズも本作から登場した。
『パワポケ2』から追加されていたが、登録した選手ごとのエンディングを見たものしか見られなかった「アルバム」モードが本作から独立したモードになった。
日の出高校編
日の出島に存在する日の出高校が舞台で、父と共にこの島に引っ越してきた主人公がその道すがらに誤ってあけぼの丸の慰霊碑を倒してしまう。このことがきっかけで、日の出高校の野球部では、神隠しなどの怪奇現象が起こってしまう。呪いを解くために野球部を再建しつつ甲子園優勝を目指す。
本作でも所持金システムが採用されており、1年目は主人公の小遣いと存在しているが、2年目以降は部費と合わせて管理するようになる。
彼女候補の好感度が増減する際の表示が「仲良くなった」から「好感度が1上がった」のように具体的な数値に変更された。
第壱話は一年目までに部員を9人以上(最低でも野手が最低8人と投手が最低1人必要)集めればクリア。第弐話は部員が9人(野手8人、投手1人)いる状態で3試合中1勝すればクリアだが、1敗するごとに一人が神隠しに遭い主人公以外の人間からは忘れられてしまい、8人以下になるとゲームオーバーになる。第参話はクリア条件は無く、夏の大会初戦で負けても選手登録できる。
登場人物
日の出高校
主人公
父の仕事の都合で、本土から日の出島へ移ってきた高校生。母はすでに亡く、父子家庭である。不本意にも慰霊碑を倒して呪われてしまったため、それを打ち破るべく野球部再建に奔走する。
メガネ一族のひとりで、本作の相棒。野球部が廃部の危機に立たされた中残留し、主人公と共に部の再建に乗り出す。実はとある彼女候補とは腹違いの兄妹。
野球部のキャプテンだが、最初に神隠しに遭ってしまい主人公以外から存在を忘れられてしまうため、以降は主人公がキャプテンとなる。
野球部の部員。野球部の活動再開後に自ら野球部に戻る。2年目の夏の大会で敗退後に神隠しに遭ってしまうことに……。
野球部の部員で、村長の息子。生意気だが、素直じゃないだけで根はいいやつ。金持ちだがそれに甘えることなく、自分らでできる事にはお金をかけない。
野球部の部員で、見た目通りの力持ちで大男。涙もろくて感動する話には弱い。過去のあるトラウマから血を見ると暴走してしまう。
野球部の部員で、身のこなし、セリフなどが猿そっくりで自宅も山の中にある。キーキー言うけど、声質が高いだけで、実際はきちんと人の言葉を話している。こう見えても成績優秀。
野球部の部員で、日の出高校一の秀才。イベントで神隠しについて調査を進めてくれるものの、自身も神隠しに遭ってしまうパターンがあり、試合以外で部員が減るのは彼のみ。
主人公が三年の時に引っ越してきた主人公の一年後輩で、大神グループ会長の息子。のちのシリーズでも登場するように。
山田が野球部に連れてきた日の出高校の生徒。自称「ぶきみ君」。立場的には山本の代理。
日の出高校の生徒。高校生活の思い出を作るために仲間になってくれる。
色黒な日の出高校の生徒。裏山によく出入りしており、ツチノコやUFOを見たと言って授業をよくサボる。上田とは親戚関係にあたる。『パワポケ13』で開拓高校の監督として再登場する。
ぽっちゃり体形の日の出高校の生徒。実家は天ぷら屋で、おやつとしてコロッケを食べているうちに太ってしまったが、意外と走力はある。
黒野博士が作ったクローン人間。球一、球二、球三郎、球四郎の四人。一章の時に黒野博士の屋敷へ行けば球一・球ニ・球四郎の野手三人が、二章の時に行けば投手の球三郎一人だけが仲間になる。
彼女候補
天本セツの孫で主人公の同級生。いつも笑顔で物静かだが、飄々としたところもある。彼女にしたうえで甲子園優勝まで行くと、彼女の口から呪いの真相を知ることができる。
野球部のマネージャー。家族が「神木電器店」という店を営業しており、彼女もそこで手伝っているため金銭の管理に関してはかなり厳しい。
島岡武雄の姉で主人公より一つ年上で、気さくな姉御肌。柔道部所属だが空手部を掛け持ちしており、どちらも県大会レベルで喧嘩も強い。
主人公たちを暖かく見守るクラス担任で野球部顧問。実際のシナリオと結末は2ルート3パターンに分かれており、いずれも衝撃展開が待っている。
いつも泉にいる謎の少女。ルートによっては正体が幽霊だったり泉の精霊だったりする。
本土の町に住んでいる主人公の元同級生。メールやチャットで話すのが好き。何故か赤い服を着た女の幽霊の怪奇現象に巻き込まれてしまい……。
ライバルたち
「大安高校」のバッテリー。
赤坂は主人公が本土にいたときの友人で、捕手にしてキャプテンでもある。熱血バカで、ヒマさえあれば筋トレなどのトレーニングをしている。パワポケ10では彼の従兄弟の赤坂将史が大安高校のエースとして登場している。
真賀津は関西弁を話すエースピッチャー。相手が目上でも自分より格下の学校出身者を見下す生意気な性格だが、試合に負けると敗北を認める潔い一面を持つ。
独特すぎる顔をした「鎮台高校」のキャプテン。 アルベルトから買った人工精霊を使用してくる。その個性的すぎる外見から、裏サクセスではそこそこ登場する。
湖南学園の捕手でキャプテン。チームの行く先ではなぜかいつも謎の殺人事件が起こり、観客にも周知の事実となっており試合前に逃げ出す程。ちなみに、湖南学園の選手は推理小説やハードボイルド作品に関係する人名等が元ネタとなっている。
磯
校名が合併時に新校名で揉めた結果、各高校の下の名前を繋げるだけの妥協案で決まってしまった高校スクール学園高校のキャプテン。この変な学校名を変えるために甲子園で有名になって抗議しようと試合に挑む。後の作品では野球の名門校として知らしめようになり、外見が実写だったりとカオスなチームになることに……。
甲子園大会決勝の対戦相手チーム超最強学園(グレイテストがくえん)の一員。
皇はキャプテンでエースで「エリート中のエリート」を自称するが、試合で負けると「野球のルールがおかしいんだ!」とのたまう負けず嫌いな性格。しかし、実力は本物。
統道は語尾に「ゴワス」を付ける4番で捕手(ただし、サブポジの外野で出場することが多い)。モー娘。の加護ファン。
その他の人物
天本玲泉の祖母。神社の神主をしており、頭に火を付けた蝋燭を白い布で巻いて乗せている。別名「不吉ババア」。
島岡姉弟の父親で、日の出島の村長。鉱山の所有者で島でも指折りのお金持ち。高校時代は野球部だった。
島の研究所にいる怪しい老人で、悪の天才科学者を自称しているが割と善人。
主人公の父
日の出島で開業医をしている医者。もともとは本土の大学病院に勤めていたが、妻を亡くしたことをきっかけに都会での生活に嫌気が差し、日の出島に渡ってきた。裏サクセスでもわき役としてちょくちょく登場している。
よろず屋の店主のおばさんで、アイテム類を販売してくれる。前作でいうところのチャンのポジション。犬を飼っている。後の作品(パワポケ6)では死去していることが判明。
日の出高校の校長先生。元音楽教師で柔道の有段者。
日の出高校の体育教師。深雪先生に好意を寄せている。
日の出島の駐在警官。天本家の遠縁らしい。
大神博之の父親であり、大神グループの会長。本作当時はまだこの時点では会長ということ以外、特に目立った活動はしていないが、後のシリーズでも度々登場し、シリーズに大きな影響を与える最重要人物であることが判明する。
故人であり、太平洋戦争当時の野球部キャプテン。戦争終戦まで生き延びたが、島に戻る途中に乗艦のあけぼの丸が機雷によって沈没してしまい死亡。外見は主人公によく似ている。天本セツとは恋人同士だった。
謎の行商人として登場し、主人公に怪しい物を売り付けてくる。イベントを進めるとみゆき先生の紹介により日の出高校野球部のコーチとしてやってくることも。
RPG風ファンタジー編
選手を3人登録すると遊べるようになる。中世のファンタジーRPG風の舞台で「野球人形」を作る。
隣国と戦争の代わりに野球人形の試合で話を決めている世界で、キングダム王国の野球人形9体のうち1体が何者かに奪われてしまったため、国王は主人公である勇者に欠けた野球人形の代わりに新たに作ることを依頼した。こうして勇者は200日以内にもう一体の野球人形を完成させるべく「心」「技」「体」の3つの球を集めに冒険するのだった。
敵と戦闘しながら3つの球を集める傍ら、途中お金を貯めてパーツを買い、野球人形を強くしていく。
余談
シリーズとしては珍しく、本作の表サクセスは一話完結モノとなっており、後の作品に引っ張る要素が皆無である。
BGMは後にBEMANIシリーズで活躍する広野智章(劇団レコード)と佐藤直之(猫叉Master)などが関わっている。
ミニゲームのひとつ「弾出る飛行機ぴゅんぴゅんぴゅん」はグラディウスシリーズのオマージュになっている。次回作では、その続編が登場している。