概要
兵庫県丹波篠山市にある白亜紀前期の地層・篠山層群から産出し、2024に記載されたトロオドン科の獣脚類。
篠山層群から産出・記載された恐竜としてはタンバティタニス(丹波竜)に次いで2番目となり、獣脚類としては初となった。
※ヒメウーリサスは明確には卵化石のためカウントしない。
最初の化石は2010年、地元のアマチュア研究者である松原薫氏と大江孝治氏により、丹波並木道中央公園で造成工事の残土から発見された。この時発見されたのは指先まで関節した左前肢と、大腿骨・恥骨・腓骨の関節し膝関節付近の左後肢であった。
その翌年の2011年に同公園で行われた調査では、同一個体のものと思われる左下腿遠位部と第IV及び第V中足骨を保存した岩塊も発見された。
これらの化石を調べた結果、遠位端ががっしりして厚みのある尺骨、前側縁と脛骨稜が11°よりも下を向いた脛骨体といった独自の特徴が認められ、2024年にヒプノヴェナトル・マツバラエトオオエオルムと命名された。
属名は化石がメイやシノルニトイデスのように眠った姿勢のまま化石化した可能性が示唆される事から「眠れる狩人」を意味し、種小名は発見者である松原氏と大江氏への献名となる。
系譜的にはゴビヴェナトルに近縁だったと考えられている。