「その背にあるのは誰だ!!」
「俺はそんな愛に…愚かなほどの愛に生きた事を後悔はしない」
「このヒョウ最期の力 みせてくれよう!!」
岸尾だいすけ(DD北斗の拳2)
公式サイトでの解説
【流派】北斗琉拳
【技】闇琉天破、擾摩光掌、万手魔音拳など
修羅の国・第二の羅将。ケンシロウの兄にあたり、北斗宗家の長男として誕生するが脆弱ゆえに北斗神拳伝承者から外され、ジュウケイの許で北斗琉拳を学ぶ。少年時代に己の記憶を封じたカイオウの策略で、リンを追って修羅の国にやってきたケンシロウと激突。この戦いの最中に記憶を取り戻し、その後はケンシロウの協力者となってリンの救出に赴く。これらの戦いを通じて深い傷を負ってしまい、最後はカイオウと和解して息絶えた。
概要
ラオウの死から数年後の物語『修羅の国編』に登場。
ケンシロウの実兄で、修羅の国・第二の羅将(羅将瞑王)。ケンシロウと同じく北斗宗家の男子として生まれたが、「惰弱ゆえ北斗を継ぐにふさわしくない」とされ、北斗神拳を継ぐことができなかった。
北斗を継げなかった時点で、廃嫡されている可能性が高い。
更に、師ジュウケイに優しすぎる性格が拳士に相応しくないと見なされ、記憶を奪われた。(後に記憶を奪ったのは正確にはジュウケイではなくカイオウだと判明するが。)
他の羅将と共に北斗琉拳の使い手。また、北斗宗家の血を引いているので北斗神拳や北斗琉拳の源流である北斗宗家の拳も扱える。
記憶を奪われた後もケンシロウと同じく優しい心は変わらず、部下や国の住人からの信頼も厚かった(アニメ版だとヒョウが野蛮人になっているが、あれは殆どがアニオリで原作ではそうでもない)。
同門であるハンとカイオウを兄弟同然に思っており、ハンの亡骸の前に仇討を誓っていた。また、カイオウの妹・サヤカとは恋仲であった。
修羅の国に来たのがラオウではなくケンシロウだと知り記憶の封印を解こうとしたジュウケイと対決。ジュウケイの呪文によって動きを封じられ、記憶を取り戻す術をかけられた。
しかしカイオウの策により記憶は戻らず、北斗琉拳への裏切りに怒りジュウケイを惨殺した。
その後、カイオウに敗れて瀕死の状態でシャチに連れられ逃亡中のケンシロウに遭遇し、再び記憶が蘇り始めた。
しかし、北斗宗家の血を恐れるカイオウによってサヤカを殺され、その犯人をケンシロウと思い込まされ、激しい憎しみによりカイオウ同様魔神と化してしまった。
ケンシロウとの対決
自分を諌めようとした準将ナガトとその側近達を粛清し、ナガトの治めていた村を焼き討ちした。
更に、ケンシロウをおびき寄せる為に支配地域の住民を酷使して北斗琉拳の聖地・泰聖殿の復旧を行うなど非道の限りを尽くした。
亡きジュウケイとの盟約により魔界に入った北斗宗家の血を絶つため襲いかかって来た黒夜叉を魔闘気で作り出した自壊羅糸により腕を切断し返り討ちにした。
とどめを刺そうとしたところにケンシロウが割って入った為憎悪をむき出しにしてケンシロウと対決。
しかし、カイオウとの戦いを経たケンシロウには奥義暗琉天破をはじめとする北斗琉拳の奥義は通じず次第に劣勢を強いられていった。
ケンシロウとの戦いの最中北斗宗家の血が目覚め、同時に記憶も取り戻したが、戦闘を続けていたため、ケンシロウが相討ちとなる事を恐れたシャチの一撃により致命傷を負ってしまう。
ケンシロウ一行の仲間になった後
シャチの一撃により治療しても助からないレベルの致命傷を負ってしまったヒョウだがシャチを責める事はしないどころか自害しようとするシャチを止め、ケンシロウに事の真意を聞いた後、ケンシロウと和解し、漸く涙ながらの再会を果たす。
実は記憶を取り戻した際に自分の犯した罪の重さを感じており、ケンシロウに倒されるつもりで戦っていたことが判明。シャチの介入なしでも倒されるつもりだったようだ。
和解後は味方キャラになったためかマントを羽織らなくなったほか、戦闘の負傷が残っているため服はボロボロ(右の肩当てと右の胸当てがない)の状態となっている。
和解後も部下はいるかもしれないが、作中では全く登場しなくなった。
重傷といっても一応一人で立てるどころか人を抱っこするくらいの余裕はあるものの、基本フラフラであり、吐血をすることもあるほか、他の人の手を借りたほうが動きやすい体になっている模様。
トキとは違い、普通に怪我人らしい場面は多い。
ケンシロウとの和解後は北斗宗家の秘拳の在り処を教えた。
その後はその秘拳の場所に向かうシャチや、カイオウに襲われたシャチを助けに行ったケンシロウと一旦別れ、カイオウとケンシロウの最終決戦でカイオウによって死環白を突かれたリンを守る為に黒夜叉と共にカイオウ配下の修羅やリンを狙う修羅、カイオウ配下の陸戦隊と死闘を演じた。
黒夜叉の戦死を悲しんでいたところ、陸戦隊の生き残りに不意打ちで攻撃され止めを刺されそうになったところを、リンとケンシロウを負って修羅の国に渡って来たバットに救われた。
バットと共に黒王に乗り、ケンシロウとカイオウの決戦の場に赴き、ケンシロウに敗れ瀕死のカイオウに自らの無力さゆえにカイオウに屈辱の人生を歩ませてしまった事を侘び、滂沱の涙を流すカイオウの腕の中で静かに息を引き取った。
死後、亡骸はカイオウと共に彼が死に場所と決めたカイオウの母者の墓標(火山帯)で溶岩の中に消えて行った。
イチゴ味でのヒョウ
ラオウ一行が修羅の国へと向かう船路で、彼らに奇襲をかけて初登場。
「救世主ラオウは修羅の国に辿り着く事なく、ここで海の藻屑と化すのだ!!」
そのまま原作そのものの魔闘気を見せつけるも、超人的なラオウの闘気に闇琉天破を破られ北斗剛掌波により膝を着かされてしまう。
……とシリアスな展開を繰り広げたは繰り広げたのだが、ラオウが出てきたのを見ても「ラオウ…!?救世主ラオウ…………救世主ラオウは修羅の国に辿り着く事なく、ここで海の藻屑と化すのだ」となんとなく決め台詞を繰り返すだけで誰だか分かっていなかった。名も無き修羅が頷くのを見てどうにかラオウだと分かったらしいが、またその台詞をフルで言い放つ体たらく。
その後も目指すボートを間違えてジャギたちの方へ上がろうとしたり、自陣営の大型船に戻った後ジャギたちに逆奇襲された際は食事中だったせいか事態が呑み込めず、壁を破ってラオウが現れてもフォーク片手にキョトンとしていた。
さすがあのケンシロウの実兄……。
余談
作中で優しい設定はあまり目立たない(アニメではロックと対決し倒したことなどもあり更に顕著)が、原作では魔界に入る前に戦った相手はジュウケイしかおらず、ジュウケイを手に掛けてしまってはいたが、それは予めカイオウが罠を仕込んでいた破孔をジュウケイがうっかりついてしまったせいで一時的に魔神になってしまっただけに見える(ヒョウが正気のままだったら命を奪っていたかまでは怪しい)ため、アニメはともかく原作設定ではカイオウとは真逆で、本来は人を手に掛けるような性格ではなく、本当に優しく、いい政治家なのであろう(市民に慕われていたかまでは描写が殆どないため不明だが、少なくとも部下や、その家族からは慕われていた)。
シャチが片目を失う一件も実際にケンシロウという侵入者を匿っていたシャチに職務質問していただけであり、別にシャチに片目を取れなどとは一言も命じていない(取る様子をずっと見てはいたが)。「もうよい」と途中で止めた時は内心ドン引きしていた可能性もある。
しかしヒョウが本当に安全な人ならシャチも片目を取ってまでその場を凌ぐなんてことはせず、大人しくヒョウに捕まってカイオウとの再戦に備えて檻の中で療養するか、事情を説明して力をつけるまで匿ってもらうなど、味方につけると思われる。
そうしなかった理由は、ヒョウはカイオウに忠誠を誓っているため、ヒョウ自体は無害でも、ヒョウに捕まったらカイオウにそのまま身柄を引き渡される危険性があったからであろう。
つまり、ヒョウがあまりいい人に見えない時があるのは、大体カイオウのせいだと思われる。
ヒョウはケンシロウと和解してもなお、打倒カイオウを表向き宣言していても、カイオウとの訣別まではしきれていない節があるため、ヒョウが仲間になれたのは記憶を取り戻したことでケンシロウを侵入者でも仇でもなく実弟、つまり身内として認識し、カイオウより大事な存在である実弟のケンシロウの手伝いをしたいという気持ちが出てきたのが大きいと思われる(シャチに対しては残念ながらケンシロウはおろか、ハン、カイオウほどの身内意識もなかったようだ)。
つまり、もしケンシロウがカイオウよりも大切な存在ではなかった場合は味方になることは無理だったと思われる。
真犯人がカイオウだったことや、カイオウに裏切られた怒り、実弟のケンシロウに濡れ衣を着せられた怒りや、実弟と戦わされた怒りなども少しだけ関係はあるだろうが。
初登場時、ハンの遺体に向かってハンの仇を絶対に討つ、我が敵はケンシロウと高らかに宣言しておりケンシロウと仲良くなるのは無理ゲー感を出していたが、その宣言は次の話ではもうなかったことにされていた。ハン哀れ。
外見
ウェーブがかかった黒髪で、額に×型の傷がある。
作中では「ケンシロウにそっくり」と言われているが、正直あまり似ていない。
但し目と鼻の形はケンシロウそっくり。また彼の眉は細いことが多いのだが、たまにケンシロウに匹敵する太さになる。また、幼少期の顔つきもケンシロウと似ている。
チビッ子が言ったことだから仕方ないね。