ビッグデュオ・インフェルノ
びっぐでゅおいんふぇるの
ACT.23・24に登場したメガデウス。
かつてビッグオーとの死闘に敗れ大破したビッグデュオの残骸をパラダイム社が回収、修理すると共に強化した機体である。
原型元が深紅のカラーリングだったのに比べ、こちらは色調が全体的に薄まっていてピンクに近くなっている他、両腕のプロペラ機部のペイントがファイアーパターンに塗り替えられている。
完全新造された頭部は、左目が眼帯を付けたかの様に巨大化していて、そこにはアークラインの強化型装備アルテマス・アークラインを装備。また頭部両脇のパーツは飛行時のフェイスガードも兼ねる。
加えてコクピット基部には、パラダイム社の社章が刻印されている。
『メガデウス・ドミュナス』(パイロット)はシュバルツ・バルトでは無く、アラン・ゲイブリエルへと変わった。
しかし、アランは正規のドミュナスではない為にそのままでは動かせなかった為、幾つものコードで身体をコクピットと接続、正しくビッグデュオ・インフェルノと『一体化』する様な強引な手段で無理やり動かしていた。このやり方は半機械人間(サイボーグ)であるアラン位でしか出来ない無茶な物らしく、操縦法を確立する目的でメガデウスのインターフェース技術のメモリーを有するジェイソン・ベックを出獄させた可能性がある。
ともかく動かし方を確立した後、アランの操縦でロジャー邸を襲撃してドロシーを連れ去ろうとする無人兵器部隊の後詰めとして出撃、ビッグオーとのリベンジマッチを開始する。
まずは上空へ舞い上がり有利な環境からフライング・パンチを放ってビッグオーを地面に突き倒し、右腕の内部機関を故障させて封じるも、コクピットのある首装甲を破るのに手間取った隙にモビーディック・アンカーを複数機撃ち込まれて持ち上げられた上でキャノン&ミサイル・パーティが直撃。胸部装甲と顔の下半分を損傷して操縦しているアランが剥き出しとなる。
だが怯まないアランは、両腕をナイフエッジに変えての連続ドリル攻撃を仕掛けるが、左腕のみでガードするビッグオーに中々ドリルが刺さらずやがて一瞬の隙を見計らってラッシュを止められ、すかさず左腕で頭部を掴まれて近くのビルに押し付けられた上でゼロ距離よりO・サンダーを浴び、頭部を千切り取られる。
ところがそれでもアランは止まらず、無防備になっていたビッグオーの腹部をナイフエッジで貫いて形成逆転。その勢いで今度こそ止めを刺そうと迫る。
しかし直後、ビッグデュオはアランの操縦を拒絶。更にコクピットの各部から膨大なケーブルを出してアランを飲み込み、両腕のジェットエンジンを起動して空高く飛んで行ってしまう。
そしてケーブルに飲み込まれたアランはもがき逃れようとするも、そこへ現れたシュバルツの幻影(亡霊?)に存在を否定されつつ圧死。コクピットのモニターには「YE GUILTY(汝、罪あり)」と記されていた……
メガデウスはドミュナスを選ぶ…
人が創りし神の力……御するに足る資格、真実の一つに到達しうる者……
────お前はそうではない!!
その後、アランの遺体をケーブル諸共機内へと排出したビッグデュオ・インフェルノはひたすら空高く昇り、パラダイムシティの『真実』へと到達。それを“喜劇”と笑うシュバルツと共に『真実』の一つに激突、爆散した。
空戦対応機だったビッグデュオが原型な上、ガトリング・メガトンミサイル等の重量がある実弾武装を取り外された為、その分軽量になり機動性は原型を凌駕、メガデウス一を誇る。
火力は低下しているが、代わりにプロペラを兼ねるマニピュレーターを鉤爪へと変更、殴る・掴む等に最適な物とした事でザ・ビッグの基礎性能を有効活用した格闘戦能力が向上している。
総じて、空戦・爆撃能力に偏り過ぎてメガデウスとしての汎用性が下がっていた原型機の短所を改良、汎用・経戦能力のバランスも整えた堅実な作りの改修機とも言える。
武装
- プロペラ・アーム
マニピュレーターの指その物が、猛禽類の足を思わせる鋭利な刃と化したカッタークローの様な武装へ変化。改修元より物を掴み易く禍々しくなった事でパンチによる攻撃の他、引っ掻く、突き刺す等格闘戦における攻撃手段のバリエーションを増やす事に一役買っている。
- ガトリング・ライフル
改修元の装備と思わしき、腕部に内蔵された機銃。シルエットが酷似しているメッサーシュミットと同じ場所へ搭載されている。
- アルテマス・アークライン
威力が増した強化型のアークライン。通常のアークラインとは異なり、両目ではなく砲身の様になった左目から照射される。従来の様な真っ直ぐな光線ではなく、曲がりくねったかの様な特殊な軌跡を描くのが特徴。
しかしそれでもザ・ビッグ相手には有効な威力が得られず、精々牽制程度にしか使われなかった。
- フライング・パンチ
高空より、自由落下とジェットエンジンの加速を加えて繰り出すストレートパンチ。シンプルながら十分に加速を付ければ敵を地面に倒れ伏させ、追撃にも繋げられる有用な技。
スーパーロボット大戦Zでは、後述のナイフエッジを展開した上で繰り出す技にアレンジされた。
- ナイフエッジ
前述の鉤爪をパージして展開される、鋭く長い爪状のマニピュレーター。各ナイフエッジの先端を一つに合わせた物をプロペラ・アームで高速回転させドリルの様に使用する事も可能で、鉤爪と比べ貫通力に特化したオプション装備。アランが我が身に内蔵している武器と同じ感覚で使えるのもあってか、この武装をいたく気に入っている様子。
カラーリングも相まって、かつてビッグオーが戦ったドロシー1を彷彿とさせる武装だが、ザ・ビッグの基礎性能に加えて操縦するアランが狂気半分の気迫の為、これより繰り出される猛攻の威力と激しさは桁違い。しかしドリルが『錘の刺さった部分から回転で穿つ』物の為、そもそも錘が刺さり難い装甲部位を持つビッグオー相手では微妙に相性が良くない武装でもある。
事実、アランはこの武装でビッグオーの首や腕の装甲を破るのに固執した結果、手順が悪くなった隙を突かれ反撃を諸に喰らう羽目となっている。