概要
MARVELコミックの同名ヒーローチームを主役とした人気タイトル「ファンタスティック・フォー」の実写映画版。
過去3回・4作がつくられているが、『スパイダーマン』シリーズや『X-MEN』シリーズ、MCUと比べると、評価も含めていまひとつ不遇な扱いである。
2024年現在、新作が制作中。
1994年版
最初の実写化だが劇場公開もソフト化もされておらず、公式にはいまだ日の目を見ていない。
というのも、経営難のMARVELから映画化権を買い取った製作会社が、一定期間実写映画を製作しなかった場合はMARVELに戻ってしまう取り決めだったこの権利を手元に留めるためだけにとりあえず作ったため。「映画を作った」という事実だけが重要で、公開する気がそもそもなかったようだ。
実際、製作費はわずか140万ドル、プロデューサーはB級映画の帝王ことロジャー・コーマンで、その出来は非常に安っぽい。
2005年版
- ファンタスティック・フォー[超能力ユニット]
- Fantastic Four
- ファンタスティック・フォー:銀河の危機
- Fantastic Four: Rise of the Silver Surfer
他ヒーローの実写化成功を受けて再び企画され、『X-MEN』シリーズを成功させていた20世紀フォックスによって制作。1994年版と違って1億ドルの巨費が投じられた大作で、発展したCG技術を駆使してメイン4人の超能力が見事に映像化されており、一定の人気を得た。
これを受けて2007年には続編が制作され、1億3000万ドルという前作以上のA級予算でシルバーサーファーとの戦いが描かれた。
しかし、視覚効果はともかくとして映画作品としての評価は2作ともいまいちであり、特に『銀河の危機』の興収が前作以下に終わったこともあって、3作目が企画されることはなかった。
キャスト
※吹替はソフト版 / 第1作のみテレビ放送版
キャラクター | 演 | 吹替 |
---|---|---|
リード・リチャーズ | ヨアン・グリフィズ | 石川禅 / 森川智之 |
スーザン・ストーム | ジェシカ・アルバ | 宮島依里 / 坂本真綾 |
ジョニー・ストーム | クリス・エヴァンス | 神奈延年 / 松風雅也 |
ベン・グリム | マイケル・チクリス | 天田益男 / 辻親八 |
ヴィクター・ドゥーム | ジュリアン・マクマホン | てらそままさき / 楠大典 |
シルバーサーファー | ダグ・ジョーンズ | 右門青寿 |
スタッフ
- 監督:ティム・ストーリー
- 製作総指揮:スタン・リー、ケヴィン・ファイギ、クリス・コロンバス、マーク・ラドクリフ、マイケル・バーナサン
- 脚本
- 第1作:マイケル・フランス、マーク・フロスト、サイモン・キンバーグ
- 第2作:ドン・ペイン、マーク・フロスト
- 音楽:ジョン・オットマン
2015年版
- ファンタスティック・フォー
- Fantastic Four
上記のリブート版として制作・公開。MCUの人気を受けてか、20世紀フォックスが権利を持つヒーロー作品でユニバースを形成することを目指しており、(本作中では明言されていないものの)『X-MEN』シリーズと世界観を共有する作品となっていた。
ただメイン4人+Dr.ドゥームがコミック版・2005年版より若く設定され、能力を得るきっかけも「宇宙ステーションでのミッション中に未知の宇宙線を浴びた」から「リードの開発した物質転送装置によって別世界に飛ばされた」に変更されるなど、大胆に脚色された。ジョニーに至っては人種まで変更されている(スーザンとは義姉弟の間柄に)。
しかしそれが裏目に出たのか、2005年版をも遥かに下回るすさまじい不出来と評価され、ゴールデンラズベリー賞で「最低監督」「最低前日譚・リメイク・盗作・続編」「最低作品」の3冠に輝く不名誉に預かってしまった。
興収面も、1億2000万ドルの製作費に対して世界累計興収がわずか1億6000万ドルという大コケっぷりで、続編の企画はすぐさま消滅。ユニバース構想も闇に葬られた。
キャスト
キャラクター | 演 | 吹替 |
---|---|---|
リード・リチャーズ | マイルズ・テラー | 木村昴 |
スーザン・ストーム | ケイト・マーラ | 堀北真希 |
ジョニー・ストーム | マイケル・B・ジョーダン | 櫻井トオル |
ベン・グリム | ジェイミー・ベル | 遠藤純平 / ゴリ(ガレッジセール) |
ヴィクター・フォン・ドゥーム | トビー・ケベル | 阪口周平 |
スタッフ
- 監督:ジョシュ・トランク
- 製作総指揮:スタン・リー、ケヴィン・ファイギ、アヴィ・アラッド
- 脚本:ジョシュ・トランク、ジェレミー・スレイター、サイモン・キンバーグ
- 音楽:マルコ・ベルトラミ、フィリップ・グラス
2025年版
20世紀フォックスがディズニーに買収されたことで、『X-MEN』と同じくマーベル・スタジオが製作するMCUの一環として展開が可能になり、2020年に都合4回目となる実写化が発表された。
紆余曲折を経て、単独映画の全米公開は2025年7月25日に予定されている。
原題は『The Fantastic Four: First Steps』。
ティザーポスター等はレトロフューチャーな作風で、これまでとは別アースの1960年代が舞台となる模様。
キャスト
- リード・リチャーズ:ペドロ・パスカル
2022年5月に公開された『ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス』では並行世界【アース838】のイルミナティの一員として、ジョン・クラシンスキーが演じた。
- スーザン・ストーム:ヴァネッサ・カービー
- ジョニー・ストーム:ジョセフ・クイン
過去作で演じたクリス・エヴァンスはスティーブ・ロジャース / キャプテン・アメリカを、マイケル・B・ジョーダンはキルモンガーをそれぞれMCUで担当している。
- ベン・グリム:エボン・モス=バクラック
MCUにはスピンオフドラマ『パニッシャー』のデヴィッド・リーバーマン / マイクロ役で出演経験あり。
- シャラ=バル / シルバーサーファー:ジュリア・ガーナー
よく知られている男性(ノリン・ラッド)の、コミックにおけるパートナー。
- ギャラクタス:ラルフ・アイネソン
『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』ではヨンドゥ・ウドンタのモブの部下を演じていた。
- TBA:ジョン・マルコヴィッチ
頓挫したサム・ライミ版『スパイダーマン4』ではヴァルチャーを演じる予定だった。
- TBA:ポール・ウォルター・ハウザー
- TBA:ナターシャ・リオン
『ブレイド3』では人間の科学者サマーソルドを演じていた。