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概要

フランス海軍が建造した最初の超弩級戦艦の艦級。

前級「クールベ級」の改良版として設計されたため、船体構造の大部分が同一である。相違点は、前級で船体中央部に設けられた単脚檣の位置が煙突の背後から前へ移動したこと、主砲口径を30.5cmから34cmにアップした関係で砲塔数が6基から5基に減少したことが挙げられる。これにより火力で隣国ドイツで主流だった12インチ砲戦艦に対し優位に立ったと見ることも出来たが、本艦が竣工した時には世界が超弩級戦艦時代に突入し、英独では15インチ砲を採用していたため、戦力的価値が低いと評価された。本級の船体は前級に引き続き長船首楼型船体で、垂直に切り立った艦首形状を持っていた。

前弩級戦艦時代のフランス戦艦伝統の「グランド・テル」と形容される複雑な艦上構造物はなりを潜め、装甲司令塔と煙突と単棒檣の前後マストと砲塔以外はない、簡潔でいて重厚な外観となっていた。

武装

本級の主砲には新設計の「1912年型 34cm(45口径)砲」を採用した。その性能は重量555kgの砲弾を最大仰角12度で14,500mまで届かせることが出来るこの砲を前級と同じく連装砲塔に収めた。主砲身の俯仰・砲塔の旋回・砲弾の揚弾・装填は主に電力で行われ、補助に人力を必要とした。砲身の俯仰能力は仰角12度・俯角5度であるが、後述する近代化改装や砲弾の更新により最終的に最大仰角23度まで引き上げられ、重量砲弾化された575kgの砲弾を最大射程26,600 mまで届かせることができた。

副砲は「カネー Model 1910 13.9cm(55口径)速射砲で、その性能は重量39.5kgの砲弾を仰角25度で16,100mまで届かせることができた。

砲身の俯仰能力は仰角25度・俯角7度で、旋回角度は左右160度の旋回角度を持っていた。装填形式は自由角度装填で、発射速度は人力装填のため毎分5~6発であった。これを舷側ケースメイト(砲郭)配置で片舷11基ずつの計22基を配置した。

その他に対水雷艇用に47mm単装速射砲を7門、対艦攻撃用に45cm魚雷を発射できる水中魚雷発射管を単装で4基を装備した。45cm魚雷の射程は射程5500mでこれを24本搭載した。他に航路閉鎖用に機雷30発を搭載・投下できた。

装甲

防御方式はクールベ級と同じく全体防御方式を採用しており、水線部に艦首から艦尾部までの舷側全体に装甲が張られた。水線中央部の1番から5番主砲塔の間が270mm、艦首・艦尾部では180mmであった。当時の水雷防御として水線下の水密隔壁に8mm装甲板が張られた。 また、最上甲板の中央舷側部には1番主砲塔側面から5番主砲塔側面にかけて180mmの装甲が張られており、副砲ケースメイト部は重防御であった。主砲塔の前盾には400mmから250mmもの装甲が張られ、バーベット部も270mmである。 甲板部の水平防御は日露戦争時の戦訓を取り入れて三層全ての甲板に装甲が施され、船首楼甲板:30mm、第一甲板:40mm、主防御甲板は傾斜部が70mmで平坦部は45mmである。

同型艦

一番艦・プロヴァンス 二番艦・ブルターニュ 三番艦・ロレーヌ

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