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ペルシャ戦争

ぺるしゃせんそう

狭義でのペルシア戦争は、紀元前6世紀~5世紀ごろにギリシャ諸国とアケメネス朝ペルシア帝国との間で繰り返された戦争を指す。
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概要編集

現在ペルシア戦争として知られる戦役の記録は、古代ギリシャヘロドトスの記した「歴史」が知られている。


それによると、ダレイオス1世の治世、エーゲ海の東にある旧リュディア王国と、沿岸部のイオニア地方の諸都市を支配下に収めたペルシア帝国は、エーゲ海の島々とアテナイスパルタを始めとするギリシャの諸都市国家に服属を要求した。しかし、アテナイはこれを拒否し、紀元前490年頃にペルシアはギリシャへと侵攻、エーゲ海の島々を攻略しながらアテナイへと迫った。

当時ギリシャの都市国家は概ね同じ言語を話し、同じ神々を信仰していながらも互いにいがみ合っており、大帝国であるペルシアに対抗できる状態ではなかった。それでもアテナイはマラトン海岸に上陸したペルシア軍を迎え撃つべく10人の将軍に軍を託し派兵、マラトンの戦いが勃発した。

アテナイは軍事国家スパルタにも援軍を要請し、スパルタはこれに応じたものの、ちょうど祭りの時期だったためすぐに軍を動かすことはできなかった(当時の祭りは神へ捧げるもので、これを怠ると神罰が降ると信じられていた)。


結局マラトンに集結したのはアテナイ軍の他、少数のプラタイア軍だけだった。戦力で圧倒的に劣るアテナイの将軍たちの間では、スパルタ軍の到着まで持久するべきとの意見が大勢を占めたが、ミルティアデス将軍は反対を押し切って攻撃を決行。見事にペルシア軍を打ち破った。(この折にミルティアデスは数に劣る自軍をペルシアの横陣に合わせる為に中央の戦列を少なくし、中央が突破される前に両翼で突破して二重包囲を行い戦勝したという)

この後、エウクレスというアテナイ兵がマラトンからアテナイまで走って帰り、勝利を伝えて息絶えたのがマラソンの由来といわれている。なお、スパルタ軍は200km以上の距離を僅か2日で走破してやってきたが、そのときすでに戦闘は終わっており、渋々ながらアテナイ軍を賞賛して撤収したという。

こうして第一次ペルシア戦争はほぼ終結した。


しかし、ダレイオスの子クセルクセス1世は父の死後、改めて前回とは比べものにならない程の陸海の侵攻軍を編成してギリシャ諸国へと侵攻、今度は北側から諸都市を制圧していく。スパルタとアテナイを中心に諸国はこの事態を前に連合。ペルシア軍はアテナイへの入り口にあたるティルモピュライの戦いでギリシャ連合軍の防衛ラインを突破し、アテナイを蹂躙するなど勝利を収めるものの、アテナイにほど近いサラミス湾での海戦で大敗を喫する。ペルシア艦隊は多数の兵士を運ぶため大型艦が多く、アテナイの名将テミストクレスの策によって狭いサラミス水道に閉じ込められると身動きが取れなくなり、小型艦中心で操船技術に優れたアテナイ艦隊の攻撃で壊滅したという。こうして海軍戦力が壊滅したペルシア軍は、長大な補給線をギリシャにより海上から寸断される事を恐れてクセルクセスをはじめ主力は撤退し、第二次ペルシア戦争は終結した。これは海戦が戦争の趨勢を決めた史上初の例とされている。

その少し後の第三次ペルシア戦争では、先の遠征で帰国せずにギリシャに依然として駐屯していたマルドニオス率いるペルシア軍に対し、プラタイアの戦いではスパルタとアテナイを中心にギリシャ諸都市の連合軍がペルシア軍、そしてペルシア側についたギリシャ人たちと対峙した。しかしペルシア軍に補給路を脅かされたためスパルタ軍以外は後退し、孤立したスパルタ軍8千名のみでペルシア軍30万名を相手取る形となった。それでも「ティルモピュライで玉砕したレオニダス王の仇を討つべし」との神託を得ていたスパルタ兵たちは鬼神の如く奮戦、マルドニオスを討ち取り敗走させるという大勝利を上げた。

その後、テーバイなどギリシャ内に残ったペルシア勢力も一掃される。

これをもって、狭義でのペルシア戦争はほぼ終結する。


創作上での影響編集

・結果としてアテナイはこの戦争で海軍国として強大化。アクロポリスのパルテノン神殿などは、この戦争がなければ作られなかったかもしれない。しかし同時に同盟都市から金を巻き上げるなど増長していき、ペロポネソス戦争と呼ばれる戦いの火種となる。


・この戦争を古代ヨーロッパとアジアの戦いとみなす言説は根強い。そのせいか西洋中心史観からは英雄譚として語られることも多く、古い例ではヘロドトスの「歴史」自身がその影響を受けているともされ、また直近ではテルモピュライの戦いを描いた映画「300」も中東諸国家から差別的だと批判される程にその気が強いと言われている。


・この時代出身のFate/GrandOrderに登場するサーヴァントとして、テルモピュライの戦いで討ち死にしたスパルタ王レオニダスが登場する。歴史上の人物としてはレオニダスを、サーヴァントとしてはレオニダス一世(Fate)を参照されたい。


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