ボウイナイフ
ぼういないふ
ナイフの一種で、ダブルヒルトを持った刃渡り20~30cmほどの大型のシースナイフ(鞘付きナイフ)。
背の部分に湾曲した逃げを持つクリップポイントと呼ばれる形状のナイフで、刺したり切ったりすることに特化している。正確に定義するならば大型のダガーに分類されるとも。
ボウイナイフという名は1836年にアラモの戦いでデイビー・クロケットらと共に戦った開拓者ジェームズ・ボウイが愛用していたという謂れに因んでいる。
発祥には諸説あるが、ジェームズ・ボウイの兄がバッファロー狩りに出かけた際、それまで持っていた小型のナイフではさっぱり太刀打ちできなかったことから、屠殺用の大型ナイフを改造したモノを特注したのが始まりと謂われている話が最も有名。
ハンティングナイフ・サバイバルナイフの原型であり、西部開拓時代に武器と作業用を兼ねて盛んに使われた。特にバッファロー狩りや、多くの牛を連れて長距離を移動する危険な旅に従事するカウボーイ達にとっては必需品でもあった。
後に時代が下ると共にナイフ素材及び加工技術が発達し、更にナイフの種類も用途別に細分化していったことで、やがて道具としては廃れていった。より便利で扱いやすいものが充実した現代では、よほど他に使える武器や道具が無いような状況でもないかぎりは実用性はほぼ皆無と言ってもいい(というよりもわざわざこれを選ぶ必要が無い)。
しかし、アメリカのフロンティアスピリッツを象徴する工芸品でもあるため、今なおインテリア用品やコレクターズアイテムなどとして生産され続けており、コレクターも相当数存在する。
何しろ見た目がデカくてケレン味たっぷりの無骨なナイフなので、フィクション作品での出番はかなり多い。
映画『ランボー』シリーズでシルベスター・スタローン演じる主人公ジョン・ランボーが持つ大型のサバイバルナイフ(ランボーナイフ)も正確にはコレの一種である。