ジョン・ランボー
じょんらんぼー
フルネームは「ジョン・ジェームズ・ランボー」。
初登場は、1972年の出版された、ディヴィッド・マレルの小説『一人だけの軍隊』である。
後に映画化されシルヴェスター・スタローンが主演で彼を演じ、映画の大ヒットとシリーズ化に伴い有名となった。
設定によると、1947年7月6日にアリゾナ州ボーウィに、インディアン部族の一つナヴァホ族の父と、イタリア系アメリカ人の母の間に生まれた。
だが映画第2弾の『ランボー/怒りの脱出』におけるマーシャル・マードックによれば、アメリカ州の先住民族とドイツ系に生まれたという。
17歳でアメリカ陸軍に入隊したが、兵役はレンジフォード高校を卒業した後から始まり、南ベトナムに配属されベトナム戦争に従軍した。
後に一度帰国し、ノースカロライナ州フォート・ブラッグにて特殊部隊『グリーンベレー』の訓練を受けており、ヘリコプターの操縦も教わっている。
その後、再びベトナムに赴き、中国との国境付近で北ベトナム軍に捕まって捕虜となり、たびたび拷問を受けたが脱出に成功する。
ベトナム戦争の終結後は、軍を除隊し帰国したが、彼は他の帰還兵たちと共に反戦的なヒッピーや国民から「赤ん坊殺し」などと罵られゴミを投げつけられて、国民の多くが祖国のために命懸けで戦ったベトナム帰還兵たちを蔑んでいることを知る。
ベトナム戦争での経験と、帰国後の国民の冷酷な反応によって心的外傷後ストレス障害(PTSD)を引き起こしたランボーは、祖国のために懸命に戦ったにもかかわらず、自身や戦友達を軽蔑し貶める政府や国民を憎悪するようになり、それが初代作の物語の始まりとなる。
ある時ランボーが尋ねた戦友は、ベトナム戦の化学兵器枯葉剤の後遺症で死んでいた。気落ちしてある町に差し掛かったところ、よそ者を嫌う保安官から不当な嫌疑で逮捕された彼は、拘置所での虐待を受けたことで心の傷が限界に達した。
怒りを爆発させた彼は、戦地でのゲリラ戦術を駆使し警官隊を翻弄して叩きのめすと、奪った銃器などを使い街を破壊して回った。
よく誤解されているが、初代作でランボーは街で破壊活動を行って民衆を恐怖に陥れたが、一人も人を殺していない。
正確には自分を射殺しようとした相手に抵抗して一人を事故死させてしまったが、少なくとも自分から殺意を持って相手を殺した事は一度も無かった。
しかし、彼一人のあまりの戦闘力に、街の人々はなす術が無く、彼の上官であったトラウトマン大佐が説得したことでようやく終息する。
この時、地獄のような戦場での悲劇・祖国での冷酷で理不尽な仕打ちに打ちのめされ、心がズタズタに傷つけられた彼は胸に秘めた悲しみと憎しみが爆発した涙の叫びで大佐に吐露する。
「何も終わっちゃいない! 俺にとって戦争はまだ続いたままだ!」
胸の内をすべてぶちまけた後、戦争と時代と世論に翻弄され心が深い傷だらけになった一人の兵士・ランボーは大佐にすがりつき泣き崩れるのだった…。
その後、上記の事件に対する刑に服していたが、特赦の見返りに極秘任務を受けることとなる。
映画2作目以降での派手な戦闘シーンの印象もあってか、ランボーの戦い方といえば「派手に銃火器を連射して敵を撃ち殺しまくるスタイル」と思われがちである。
※顕著な例として、『メタルギアシリーズ』などのゲームにおいて隠密行動を取らずドンパチを行い敵を撃ち殺しながら進んでいくプレイスタイルのことは、俗に「ランボープレイ」とも呼ばれている。
しかし実際のランボーは隠密行動やゲリラ戦にも長けており、敵集団に気付かれないように不意打ち・潜入・暗殺などを行うシーンも度々描かれているため、必ずしも「ランボー=派手なドンパチで戦う」というわけではない点には一応注意されたい。
(ドンパチプレイという点では、むしろスタローンのライバル演じるこの大佐の方がしっくりくるだろう。)