概要
上海アリス幻樂団による「 音樂CD 」である「ZUN's Music Collection」に登場するマエリベリー・ハーンのファーストネーム。
マエリベリー・ハーンは作中では主に「メリー」と呼ばれ、他の登場人物である宇佐見蓮子から「マエリベリー」と呼ばれることは無い(最新作が「旧約酒場」時点)。
「メリー」と「蓮子」
蓮子が「マエリベリー」ではなく「メリー」と呼ぶ理由について、メリー自身は「 この国の人には私の名前は発音しにくいらしい 」と考察しており、さらに「 もう私の本名も忘れてるんじゃないかしら 」と、殆ど「メリー」と呼ばれている様子であることを独白している(「夢違科学世紀」)。
その一方で、蓮子から「メリー」の愛称で呼びかけられる頻度は高い。
上記最新作時点かつ明確に作中で一貫した登場人物と作品を跨いだストーリーとが展開されている「ZUN's Music Collection」第二作目「蓮台野夜行」以降、「ZUN's Music Collection」にはメリーと蓮子の二人以外に個人名などを持つキャラクターなどは登場してない。登場するのはメリーの「 夢 」の中の人物たち(「夢違科学世紀」他)であったり第三者的視点(「卯酉東海道」)であったり、あるいは異生物と思しき存在(「夢違科学世紀」、「鳥船遺跡」他)であったりと、メリーの愛称や個人名を通してまでメリーに呼びかける機会をもたない人物、あるいは言語を介したコミュニケーション能力の有無さえ明確には描かれていない存在である。
「ZUN's Music Collection」と同様に上海アリス幻樂団の作品である東方Projectでは、名前で呼び合うことはあっても近しい縁で対面している際などは「あんた」や「お前」など、個人名でない呼び方で相手の人称を指し示すことも多い。あるいは「巫女」(博麗霊夢、東風谷早苗)や「黒白」(霧雨魔理沙)、「メイド」(十六夜咲夜)など、個々人の特徴や職業などを用いて個人を指し示す機会も多いため、より個人名が使用される機会は少なくなる。
そんな中にあって、「ZUN's Music Collection」にて蓮子は積極的にメリーに「メリー」と呼びかけている。それは対話だけでなく蓮子の思考の中でメリーについて考える際にもいえる。思考の中で例えば「彼女」のような三人称的な呼び方を用いる事も無く、明確に「メリー」の呼びかけを用いてメリーの事を考える。
メリーもまた「蓮子」と呼びかける機会がその他の呼びかけ方よりも多く、二人が自然に互いの愛称または名前で呼びかけあっている様子が描かれている。
蓮子からの呼びかけ方
例えば各作品では次のようなケースが見られる。
セリフ・思考文ともにいずれも蓮子からメリーに対する人称である。次のものはあくまで一例であり、各作品ではさらに多くの「メリー」の愛称を用いた呼びかけが使用されている。
出典 | セリフ例 | 備考 |
---|---|---|
蓮台野夜行 | 「 メリー、蓮台野にある入り口を見に行かない? 」他 | |
夢違科学世紀 | 「 メリーの想いが色んな世界に揺らいでいる 」他 | ※1 |
卯酉東海道 | 「 メリーと一緒なら。 」他 | |
大空魔術 | 「 だからこそ、メリーの眼が羨ましいのよ。 」他 | |
鳥船遺跡 | 「 メリー、何言ってるの? 」他 | |
伊弉諾物質 | 「 それってメリーにとってはいつもの事じゃあ…… 」他 | |
燕石博物誌 | 「 二人の本を作りたいって言ってきたのはメリーでしょ? 」他 | |
旧約酒場 | 「 あら、後でメリーも体験を語るのよ 」他 |
※1:蓮子の思考の中での呼びかけ
一方、蓮子がメリーを作中で「メリー」以外の呼び方で呼びかける機会は次の通りである。
出典 | セリフ | 備考 |
---|---|---|
蓮台野夜行 | (なし) | |
夢違科学世紀 | 「 貴方みたいな考えの学者の所為で、 」(以下略) | |
「 貴方の言っている事は矛盾している。 」 | ||
「 その証拠に貴方は主観を認めないで夢にしちゃっているじゃない。 」 | ||
卯酉東海道 | (なし) | |
大空魔術 | 「 その世界を見られるのはメリー、貴方しか居ないわ 」 | ※1 |
鳥船遺跡 | (なし) | |
伊弉諾物質 | (なし) | |
燕石博物誌 | (なし) | |
旧約酒場 | (なし) |
※1:ただし人称としてのものではなく強調としての「貴方」
地の文などでの呼び方
先述のとおり、「ZUN's Music Collection」ストーリー部分の地の文でも、二人のフルネームが登場しない「蓮台野夜行」や以後のフルネーム登場する作品での二人を紹介する部分以外で「メリー」の呼び方が多用されている。
「彼女」でメリーを表現することはあっても、「マエリベリー」の呼び方でメリーを指し示すこともまた少ない。「鳥船遺跡」(フェアリー冒険譚)で一度だけ「マエリベリー」の呼び方が見られる。
その他の呼び方としては「大空魔術」(向こう側の月)における地の文で、一度だけ「魔術師メリー」の呼び名が使われた事がある。
この他、地の文とは異なるが、作者であるZUNのあとがき部分でも、「メリー」の呼び方が使用されている(「夢違科学世紀」あとがき他)。
また、こちらも地の文とは異なるが、「旧約酒場」(魔界地方都市エソテリア)でも、メリーが「マエリベリー」と名乗った部分がある。
二次創作では
二次創作においてメリーを指す場合も愛称である「メリー」または「マエリベリー・ハーン」の呼び方が使用されることが多い。
一方二次創作では蓮子以外のキャラクターとメリーが対話する様子が描かれる事もあるため、その際、例えば「マエリベリーさん」などのニュアンスで「マエリベリー」の呼び方が使用される事もある。
ただし原作におけるメリーの所在地が日本であり、日本文化の場合友人関係などでなければファミリーネーム(姓)で呼びかける事が多いため、そういったケースの場合でも、例えば「マエリベリーさん」ではなく「ハーンさん」などの呼び方が使用される事も多い。
一方作風によっては、メリーが蓮子以外の他者には誰であろうとあえて「マエリベリー」の呼び方による呼びかけを求め、「メリー」の愛称で呼びかける事は蓮子にしか許さない、といった、いわゆる「蓮メリ」の性質を強調する意味合いであえて「マエリベリー」の呼びかけが登場する事もあるなど、二次創作においては呼び方という要素もベースにした様々なストーリーが生み出されている。
Pixivでは
pixivにおいてもメリーを指し示す場合は「メリー」または「マエリベリー・ハーン」の呼び方が多用される。
ただしpixivの検索システムの都合上、「メリー」のタグ名は「マエリベリー・ハーン」と同一のものとは認識されない。そのためいずれか一方だけが使用された作品の場合、もう一方の検索方法による検索では他方の呼称によるタグのみを用いているとヒットしない。
加えて「メリー」のタグは人名・キャラクター名・愛称・その他のものとして他の創作作品ともタグの用法を共有している。
これらの要素からみる時、タグ登録に困った際などは「マエリベリー・ハーン」のフルネームを優先させると良いだろう。余裕があるならば、両者のタグ検索を包括する目的も視野に、フルネームである「マエリベリー・ハーン」のタグと愛称である「メリー」のタグの両方を使用すると良い。
メリーと蓮子の活動である「秘封倶楽部」などのタグを併用しつつ上記二つのタグを組み込んでおくと、より検索対応力が向上する。
関連タグ
八雲紫(※)
※:紫は二次創作においてメリーとの関連性が様々に想像されており、ピクシブ百科事典における「八雲紫」記事には「マエリベリー」の名前を基にした考察も記述されている。詳細は同記事を参照。