概要
漫画『ブラッククローバー』の登場人物。主人公・アスタやユノたちの住むクローバー王国の500年前に存在した王子であり、初代の魔法帝。
かつて王国を襲った巨大な魔神を討ち倒し、国と国民を守り抜いたことから、人々からは英雄として称えられている。
彼が倒した魔神の巨大な頭蓋骨が現在もアスタとユノの故郷であるハージ村のはずれに存在し、その上には彼を模した石像が建てられている。
ここより下は、重大なネタバレが存在します。
実は石像は、彼の奉公人であったセクレ・スワロテイルが魔神との戦いで致命傷を負っていたルミエルを救うため、魔石を使って力を高めた自身の魔法で封印した姿であり、ルミエル本人が石像となっていたのである。
そしてセクレは、魔石を使った反動によりアンチ鳥の姿となってしまい、後にアスタや彼が所属する魔法騎士団・黒の暴牛の面々と出会い、共に行動していた。
そして、「影の王宮」の出現に伴い元の姿へ戻れるようになったセクレと、彼女に叩き起こされたフィンラルによって「白夜の魔眼」が用済みとばかりに放置していた魔石を石像に嵌めた事で復活を遂げる。
プロフィール
※CVについては余談を参照。
人物
王族ではあるが、そうとは思えないほど気さくで好奇心旺盛な人物で、珍しい魔法を見た時には目を輝かせる。
また、王族・貴族にありがちな階級や種族に関する差別意識もほぼ無く、身分の異なる人々や異種族であるエルフにさえ分け隔てなく接することができる人物で、四つ葉の魔導書(グリモワール)に選ばれ周りから特別視されていることに対しても本人は全く意に介さず、現在の魔法帝のユリウス・ノヴァクロノと同様にどんな魔法であっても可能性に満ちていると考えている。
しかし、彼のこうした進歩的な人柄は、階級社会における下位階級への差別意識が強く、自分たちの権力を維持したい他の王族には良く思わない者も多く、家族からでさえ白い目で見る者も少なくなかったという。
魔力や魔法属性に恵まれない人でも様々な魔法を使える平等な社会を実現するため、魔法の研究と魔導具の発明に日々明け暮れていた。
そして自身の志に共鳴したセクレの協力もあり、魔力を分け与え合うことができる魔導具「燕紋(スワロー・テイル)」を完成させたが、言霊の悪魔・ザグレドに唆された父たちがエルフの虐殺と魔力の強奪へ用いてしまう。
現代で復活した後は、セクレと共に「影の王宮」へ突撃し、アスタ達と共にザグレドへ立ち向かった。
しかし、この戦いで力を使い果たしたことで体は限界を迎えてしまい、アスタ達のような「自分の理想を継ぐ存在」がいる未来は明るいと信じて消滅した。
作中ではノエル・シルヴァとミモザ・ヴァーミリオンを自身の子孫と語っており、シルヴァ家とヴァーミリオン家は、彼の生家であるシルヴァミリオン家が500年の間に分かれた家名であることが示されている。
実際にルミエルの容姿はどこかノエルの面影があり、彼の妹のテティアはライアが姿を重ねるほどミモザに似ている。
自作の服を作るのが趣味であり、普段着ている服も自分で仕立てたものだが、セクレからは不評である。
なお、「金色の夜明け」の団服とそっくりなのは、パトリが意図的に似せたためである。
リヒトとの関係
エルフの長である本物のリヒトとの出会いは、ルミエルの妹であるテティアのマナによる暴走を止め、助けた所から始まった。お互いに四つ葉の魔導書(グリモワール)を所有していた事がきっかけでリヒトを通じてエルフ達と交流を深めていった。更に、妹のテティアもリヒトに助けられた事をきっかけで、彼に惹かれ婚約するまでに至った。ルミエル自身も親友であり義兄弟になる予定だったリヒトを通じて、人間とエルフとの共存する世界を作る事を約束した。しかし、言霊の悪魔であるザグレドに唆された父を含む王族によってエルフ達はリヒトを残して全滅。更には、リヒトとの間に出来た子供と共にテティアも死亡してしまう。(その時に出来た子供の転生先がユノである。)襲撃の際に使用されていた魔導具がルミエルとセクレが製作していた物であった為、親友が裏切ったと絶望したリヒトの魔導書も四つ葉から五つ葉に変わってしまう。しかし、ザグレドの策による窮地を脱し、駆けつけたルミエルを見て彼の無実を知り安堵する。その後、リヒトは禁術魔法によって魔神となり、ルミエルに最後の頼みを伝え、とどめを刺された。
更なるネタバレ
テティアはザグレドに唆された王族達の襲撃で死亡されたと思われたが、リヒトとの間の子供は双子であり、片割れの魔力を感知出来た事で生存が確認、更にはセクレによる魔法で辛うじて生き延びていたことが判明。しかし、セクレはルミエルの封印による影響でアンチドリになっていた為、テティアの近況を知ることが出来なかった。
それから、500年という長い月日が経ち、リヒトとテティアの子孫が登場した事により、現代までその血筋が繋がっていた事にセクレは歓喜の涙を流していた。
魔法
魔法属性は『光』で、伝説と言われる四葉の魔導書(グリモワール)に選ばれている。
作中では光魔法を使う魔導士は数人存在するが、その中では最強の使い手である。光の速さでの高速移動はもちろんのこと、戦闘では主に光を集めて作った大剣を操る。自身の周囲の魔(マナ)を支配する「マナゾーン」も会得済み。
光魔法
- アヴィオールの灯 榮光(アヴィオールのひ グロリア)
マナゾーンを使った、広範囲を光弾による光で包み込む魔法。
合体魔法
- 宿魔の剣 護光(しゅくまのつるぎ ごこう)
リヒトの剣魔法との連携技で、悪魔の魔法に抵抗力のある自身の魔力を宿魔の剣によって絆のある者たちに繋ぎ、分け与える魔法。
余談
CVを担当する「光秀(ひかり・しゅう)」はユノを担当する島﨑信長氏の別名義である(明言こそしていないが、Twitterなどでのファンへの対応から公然の秘密となっている)。
同名義では他に『ソードアート・オンライン アリシゼーション WoU』第1話にも出演している。
質問コーナーにおける田畠先生の回答によると、ルミエルとセクレのモデルになったのは、アイルランドの童話『幸福な王子』に登場する王子の像とツバメであるとのことである。本人曰く小さい頃からこの童話が大好きだったため、自分の漫画に出したいと思っていたらしい。