概要
アンダーワールドは陽光と大地の恵みが豊かな人界と枯れ果てた大地のダークテリトリーに分かれていた。人界の果ての山脈によって双方は隔てられ、人界の東の大門はいかなる手段をもってしても破ることは出来なかった。
しかし、東の大門が崩れ落ちようとする時……かつて世界を創造し、三女神によって闇の世界へ追いやられた暗黒神ベクタが人界の光の巫女を求めて復活したのであった。自ら皇帝として君臨したベクタはダークテリトリーの全軍を率い、光の巫女を手にして人界に復讐をすべく全面戦争を仕掛けた。
これに対して公理教会を束ねる整合騎士率いる人界軍はダークテリトリーの軍勢を相手に奮戦し、戦いは熾烈を極める。が、ここで予期せぬ敵が現れる。突如として出現した正体不明の謎の戦士達は人界とダークテリトリーのどちらも手当たり次第に襲いかかり、戦場は大混乱に陥る。
ベクタは闇の民の望みを叶えると口にしたが、始めからそのようなつもりはなく、光の巫女を掌中に収め、ダークテリトリーの南の果ての祭壇から巫女を連れ去った後に、アンダーワールドそのものを滅ぼすつもりでいた。ベクタはそのための尖兵を異界から送り込んできていたのだった。
しかし、人界を創造した三女神創世神ステイシア、太陽神ソルス、地神テラリアもまたそれを察知し、世界の消滅を阻止するべく、志を同じくする異界の戦士達を召喚して人界に降臨する。
三女神は光の巫女を戦士達の元へ避難させると共に人界とダークテリトリー、そして2つの世界の垣根を越え、世界を守るべくベクタが率いる軍勢を迎え撃つ。多くの戦士が倒れ、三女神も傷ついていく………そして、三女神は己の全ての愛を一人の剣士に与え、全てを託した。その剣士は光の巫女と共に公理教会の不正をただし、光の巫女自身も愛している黒の剣士であった。彼は命を散らせた友の剣と願いを背負って暗黒神ベクタを討ち取り、世界の破滅を阻止する。
光の巫女もまた必ず帰還するという誓いの元で三女神に導かれ、異界へと旅立っていった。人界とダークテリトリーの戦いから始まり、異なる世界をも交えたこの戦いは後の歴史で異界戦争と呼ばれるようになる。
そして、最高司祭が数百年に一度の眠りについた人界は公理教会を人界統一会議に改め、ベクタに仕える暗黒界十候の大半が戦死したダークテリトリーと和平を結ぶ。長きにわたる人界とダークテリトリーの対立が終わり、双方は交易を始めて少しずつ歩み寄っていくこととなる。後に星王と呼ばれる王によって世界は長い平和を手にする。そして、星王はいずれ再び異界の扉が開く時が訪れ、二つの世界に革新がもたらされると予言している。
この後に、アンダーワールドでは新たなる大戦が起こることとなる。
関連動画
関連タグ
アンダーワールド 創世神ステイシア 太陽神ソルス 地母神テラリア 整合騎士
もう一つの概要
上記の概要は内部世界における出来事。実際には人工フラクトライトの進化を促すラースが戦争という極限状態を引き起こすために試みた最終負荷実験。
通常の人界ならば、充分に撃退可能だったのだがその迎撃を行う公理教会そのものがダイブしていたキリトの手によって半壊状態に陥ってしまい、ラースにとっては最悪の状況であった。とはいえ、その人界も公理教会によって腐敗しきっていたため、たとえ撃退できても結果は最悪だったかもしれない。
元々予定されていた最終負荷実験を行う際にラースの最終目標である『A.L.I.C.E.』奪還を目論むグロージェン・ディフェンス・システムズが研究施設のオーシャン・タートルを襲撃。襲撃者の一部がダークテリトリーのスーパーアカウントでログインする。
ラース側も精神崩壊したキリトの回復とアリスの確保をかねて彼と関わりが深い三人の少女に人界のスーパーアカウントを使用させて対抗する。更に襲撃者はアメリカ、中国、韓国のVRプレイヤー達を新規ゲームのテストプレイや日本ハッカーの妨害という触れ込みで戦力として投入、同時に研究を知っていたSAO生還者達の訴えを受けた日本のVRプレイヤー達もUWを守るために参戦、もはや単なるAI開発の枠を超えたVRワールド内における一種の世界大戦にまで発展してしまった。
主要人物
CV:茅野愛衣
すべての鍵を握る光の巫女。
CV:松岡禎丞
人界人の半数を犠牲とする最高司祭の迎撃計画を阻止した黒の剣士。
その戦いの直後、魂を焼き切られて抜け殻となってしまった。
三女神と暗黒神
スーパーアカウント01。使用者はアスナ。
スーパーアカウント02。使用者はシノン。
スーパーアカウント03。使用者はリーファ。
スーパーアカウント04。使用者はガブリエル・ミラー。
グロージェン側に奪われ、暗黒界軍を率いる。
整合騎士及び人界軍
- ベルクーリ・シンセシス・ワン(CV:諏訪部順一)
- ファナティオ・シンセシス・ツー(CV:生天目仁美)
- デュソルバート・シンセシス・セブン(CV:花田光)
CV:Lynn
寡黙な女騎士。
CV:田村睦心
心に傷を負った騎士。
CV:益山武明
最も若いナンバーを持つ青年騎士。
CV:近藤玲奈
学院生の身ながら志願して従軍。キリトの直接警護を担当。
CV:石原夏織
同じく、キリトの直接警護を担当。
- ソルティリーナ・セルルト(CV:潘めぐみ)
- ゴルゴロッソ・バルトー(CV:杉崎亮)
- ウォロ・リーバンテイン(CV:村田太志)
暗黒界軍
- 皇帝ベクタ
CV:石田彰
暗黒神。詳細は上記。
CV:小山剛志
ベクタことガブリエルとともにダイブしたリアルワールド人。
CV:八代拓
十侯の一人。拳闘士ギルド第十代チャンピオンの男性。心意により拳撃以外の攻撃を受け付けない。
CV:榎木淳弥
十侯の一人。オーク族長の男性。オークの中ではイケメン。
オークを差別する人族への憎しみを抱いていたが、リアルワールドからログインしてきたリーファと出会い、心を動かされる。
CV:東地宏樹
十侯の一人。暗黒騎士団団長の男性。人界との和平を望む穏健派。
CV:甲斐田裕子
十侯の一人。暗黒術師ギルド総長の妖艶な女性。残酷な性格であり、さらなる力を得るためベクタに従う。
CV:水内清光
商工ギルドの頭領。十侯の中で唯一の非戦闘員で兵站の手配を担当。
CV:星野貴紀
ジャイアント族の族長。
- フルグル
CV:遠藤大智
十侯の一人。オーガ族長。
- コソギ
CV:真木駿一
十侯の山ゴブリン族長ハガシの息子。後任として参戦する。
- シボリ
CV:山根雅史
十侯の平地ゴブリン族長クビリの後任。
十侯(フユーダル・ロード)
以下は戦争直前に死亡した面々。
CV:はらさわ晃綺
暗殺者ギルドの頭首。元の名は「フェリウス・ザルガティス」。
- ハガシ
CV:かぬか光明
山ゴブリン族長。シャスターの心意の竜巻に巻き込まれて死亡。
- クビリ
CV:後藤ヒロキ
平地ゴブリン族長。ハガシと同じくシャスターの心意の竜巻に巻き込まれて死亡。
その他の闇の住人
CV:千本木彩花
シャスターの副官。
- レンジュ
CV:大西沙織
オーク族の女性。リルピリンの部下で遠縁に当たる。
- ダンパ
CV:宮園拓夢
イスカーンの副官で、細い糸目をした人族の大男。
- ヨッテ
CV:大内茜
イスカーンの部下で、兎隊十人組長を務める人族。
赤い騎士
正式な名称は不明。米中韓のVRMMOプレイヤーがダイブに使用するアバター。
USプレイヤーに対しては「レーティングなしの殺戮ゲーム」、CH・KOプレイヤーに対しては「米中韓合同で開発中のゲームが日本人にクラッキングされた」との触れ込みで募集された。
低レベルのアカウントであり装備は全員同じ。現実の顔とは異なっているが、ステータスが引き継がれていないためコンバートではない。
韓国人プレイヤー。友人(アニメでは莓莓香)からクラッキングの件を聞き、半信半疑ながらダイブ。
日本人への憎悪をPoHに煽られる周囲と違い冷静さを保ち、状況把握に努める。
- 莓莓香(メイメイシャン)
アニメオリジナルキャラクター。
中国人プレイヤー。ムーンフェイズの友人で、彼同様に事態を静観して戦闘には参加せず。
ラース
グロージェン・ディフェンス・システムズ
裏で非合法な汚れ仕事専門の部隊を擁しており、彼らはいつ国や会社に切り捨てられてもおかしくない、脛に傷を持つならず者同士で構成されている。
NSAからの秘密裏の依頼を受け、そのような部隊を使って「A.L.I.C.E」の奪取及び関連施設を破壊すべくオーシャン・タートルを襲撃する。
- ガブリエル・ミラー
CV:石田彰
今回の襲撃の最高作戦責任者。上記を参照。
- ヴァサゴ・カザルス
CV:小山剛志
VR戦闘の専門家。上記を参照。
- クリッター
CV:千葉一伸
現実側から実働部隊をオペレートするハッカー。
現実側での施設占拠を担当。ダイブはしないが、彼らの行動により事態は混乱を極める。ハンスはオネエ。
CV:沼田祐介
厳密にはPMCメンバーではない。裏工作担当。アイツの元部下、あの人にアレでああしようとした紫のアイツその人である。現実サイド・UWサイドともに事態をここまで悪化させた張本人である。
リアルワールドからの援軍
アニメ版のみ参戦。
用語
アンダーワールド(SAO)を参照。
もう一つの関連タグ
ソードアート・オンライン キリト アスナ リーファ シノン アリス・シンセシス・サーティ ユージオ ガブリエル・ミラー ヴァサゴ・カザルス
その後の世界(ネタバレ注意)
以降、WoUエピローグ以降の重大なネタバレが含まれます! |
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異界戦争が終結しアンダーワールドが新時代を迎えたと思ったのもつかの間、
人界統一会議による新体制に猛反発した既存の四帝国は、彼らを反逆者と断じる勅令を発布。人界全土を巻き込んだ大戦「四帝国の大乱」が起きてしまう。
最終的に皇帝たちを討ち取ることで戦いは終結する。
改革も進み、今度こそ平和になったかと思われたアンダーワールド。
しかし、そこには将来的な食糧問題や人界と暗黒界の格差、差別意識、そして四皇帝家の残党らしき一味の暗躍など解決すべき課題が山積していた。
ひとまず平和になった世界を未来へつなげるための、戦後の戦争の物語「ムーンクレイドル」編の幕開けである。
なお、「四帝国の大乱」は「ラフィン・コフィン討伐戦」同様に後の禍根を残した大事件であるが、原作では詳細が明かされていない点も同様である。
また、ムーン・クレイドル編自体がアリシゼーション編の後日談(ともしかすれば後の展開への伏線)の体が強く、単体の物語としてはほぼ未完結である。
新規登場人物
- ネルギウス・シンセシス・シックスティーン
※右側
深緑色の鎧に身を包む騎士。神器《萌嵐槍》を操る。
100年以上整合騎士を勤め上げてきた高潔で実直なベテラン。
しかしその性格とキリトと顔を会わせる前にアドミニストレータが討ち取られたことが重なり、彼の反逆者としての認識を拭う機会を失ってキリト処刑を最も強く主張する強硬派の筆頭となってしまった。
さらに異界戦争では強硬派がカセドラルと果ての山脈の警護に回るなど尽くキリトとすれ違い続けたために登場はムーンクレイドル編からとなり、同時に未だに彼をあまり信頼していない。
野菜っぽい人。なぜなら、鎧も髪も深緑。神器の名も、ホウレンソウを彷彿させる。
さらには、萌嵐槍は、巨大なネギを元にアドミニストレータが作ったものだという。
- エントキア・シンセシス・エイティーン
※上の画像左側
ネルギウスの相方。彼同様の理由で本編への登場はムーンクレイドル編から。
軽い性格でネルギウスを「ネギオ」と呼んではやめろと言われるのがお約束。
キリトを「キリト先生」と呼び、自分のことは「エンキ」と呼ぶように頼んでいる。
- クルーガ・ノーランガルス六世
元ノーランガルス北帝国皇帝。大乱にてロニエとティーゼに討たれ戦死したはずだったが…
- ゼッポス
元ノーランガルス北皇帝家侍従長。投降を拒んで戦死したはずだったが…
- ホーザイカ・イスタバリエス
元イスタバリエス東帝国皇帝。やはり大乱でネギオとエンキに討たれたはずだったが…
- アルダレス・ウェスダラス五世
元ウェスダラス西帝国皇帝。大乱ではファナティオに記憶解放術で城ごと破壊される。
結果、当然のごとく遺体は見つからなかった。
また、元西帝国近衛騎士団の数人も行方をくらましている。
新規用語
- 五族会議
異界戦争終結後に発足した暗黒界の統治組織。
- 人界統一会議
異界戦争終結後に発足した人界の統治組織。かつての公理教会を中核とし、キリトが代表、アスナが副代表を務める。
そして、永き時が流れ―――
戦いの最終局面にてグロージェンの手により限界加速フェーズが起動。アリスのログアウト直後に加速が開始され、UW内の時間速度は現実比で500万倍となり200年が経過する。
UWの新たなる統治者「星王」とその妃、そしてUWの根幹システムの秘めていたポテンシャルによってアンダーワールドは壁のある箱庭から2つの惑星からなる宇宙へと拡張。文明は飛躍的な発展を遂げることになる。
- アビッサル・ホラー
宇宙空間の特定ルートを周回する巨大宇宙獣。絶大な再生力をもった不定形の闇の塊。
WoUのエピローグにしてUR編のチュートリアル。
20巻以前はこの怪物の討滅とアリスの凱旋を以てSAOの物語は幕を閉じていた。
星王をもってすら滅ぼしきれなかった、もはや生きた災害とも呼ぶべき存在。
そのカラクリは一度倒しても小さな個体に分裂して逃走、そのすべてを殲滅しなければ完全に滅ぼせないためで、広範囲殲滅の手段に欠ける星王と妃ではとどめを刺せなかったのが真相である。そのため帰還したアリスが記憶解放術で小個体を殲滅することでようやく討滅された。
その来歴から、ファンの考察ではガブリエルや四皇帝とその残党の負の心意が残留思念として形をなしたものという説がある。
……あったのだが、アニメで判明したその姿はなんとHFでプレイヤーが散々お世話になった目玉道場の主(とその後のゲームシリーズでも常連の触手目玉系モンスター)の同族。第四の壁の向こうから殺したかっただけで死んでほしくはなかった負の心意を取り込んだのは間違いなさそうである。
現実への影響
一方現実ではアリスのライトキューブをラースが確保に成功し、グロージェンは撤退。UWそのものの消滅も一旦は回避された。
アリスとフラクトライトの存在はマスコミの元で公のものとなり、宗教を始めとしたあらゆるジャンルに衝撃をもたらし、彼女はその矢面に立たされる。
世界はこれから現れる人工フラクトライト達を始めとしたAIの人権を巡る議論へ向かっていくこととなり、異界戦争の中核を担った少年少女達は、後にアンダーワールドで発生するソードアート・オンライン本編最後の戦い、知性間戦争に身を投じることとなる。