概要
ソードアート・オンライン第五部「ユナイタル・リング」編で登場したアンダーワールド(UW)の新たなる姿。
「ムーンクレイドル編」後編の時点ではUWは閉ざされた世界であり、人界の周囲に「果ての山脈」が、その外に暗黒界が、そしてその果ては文字通り世界の終わりである《世界の終わりの壁》に取り囲まれた極めて狭い世界であった。
しかし、この大気圏いっぱいの高さにそびえ立つ「壁」をキリトが超えたことで拡張した、またはアンロックされたのが「惑星カルディナ」である。
カルディナの外には人類の居住できるもう一つの惑星「伴星アドミナ」が、そして広大な宇宙空間が広がっている。
リアルワールドでの襲撃事件とその後のハードウェアへの物理的な封鎖というイレギュラーな状態にあるとはいえ、現実世界の人類によって管理されているはずのアンダーワールドがこのような広大な世界へと進化したカラクリは原作28巻時点でも詳細不明である。
キリトはムーンクレイドル前編の時点で「暗黒界の外側に何もないのなら『果て』は虚無で良いはずだが、実体のある壁がある」「アンダーワールドの地平線が弧を描いている=世界は球形の惑星であるはず」「そうであるならば、壁の向こうを観測さえできればメイン・ビジュアライザーの余力如何ではワールドマップが拡張される可能性はある」と推測している。
WoU編にてアドミニストレータの残留思念が、自身が持っていたカーディナル・システムの権限をキリトが継承したことを示唆する発言をしていた(※)ことも含めると、世界全体に干渉する権限を持ったキリトが「この先には土地があるはずだ」と信じたことでシステムがその心意に応えたのかもしれない。
(※)「私から受け継いだ、お前の神威なる力の全てを」。カーディナルはアドミニストレータが「不朽の壁」を生成したことを「その神威をもって」と表現していた。
主要な住人たち
整合機士
星王が統治した時代を経て整合騎士団が改編された集団。
宇宙戦闘機「機竜」を運用しており、騎士というよりも軍士官の集団となっている。
世代が進んで数が増えたためか、番号がなくなっている模様。
200年後のアンダーワールドにおける整合機士長。仮面の男。
死んだはずの“彼”にそっくりな瞳をしている。
彼自身は養子だが、その家系は初代騎士長ベルクーリを祖とする。
彼の他にも父オーヴァースは星界統一会議議長、姉フルフィースは黒耀軍(旧暗黒界軍)副司令官とそれぞれ要職に就いている名門。
ローランネイ・アラベル CV:近藤玲奈
スティカ・シュトリーネン CV:石原夏織
ロニエとティーゼの七代先の子孫。宇宙軍に所属する整合機士達。
200年後の世界で初めてキリトたちと出会ったUW人。
カセドラル
80階にて姉の帰還を待っていたアリスの妹。
神聖術士団2代目団長。
カセドラル高層部の守人。
かつての《昇降係》。整合機士団第一機竜工廠初代工廠長。
ぺトラス
カセドラル地下に設置されたとある設備の保守係。かつては獄吏で、MR編でも薔薇園の庭師としてわずかに登場した。
かつての整合騎士
来たるべき脅威に備えて眠りにつくことを選んだかつての守護者達。
ロニエ・アラベル・サーティスリー
ティーゼ・シュトリーネン・サーティツー
アグマール一派
かつての皇帝家の末裔を名乗る謎の軍団。
真偽は不明であるが、その非道さだけはかつてのUW貴族と皇帝家そのものである。
旗艦である巨大空中戦艦「プリンキピア」はラテン語で「原理」を意味する。
アンダーワールドに存在するのは日本語と英語のみのはずであるが…
この他にも、旗艦にこそ及ばないが複数の空中戦艦を擁しており、市街地上空で撃沈すれば二次被害による惨劇は免れることはできない。
アグマール・ウェスダラス六世
トーコウガ・イスタル
拳銃を携えた麗人。エオラインとはなにやら知己のようだが…
???ー?・ムイキーリ
ノーランガルス皇帝家末裔を名乗る女。そのファーストネームは…?
星王&星王妃
30年ほど前までUW全土を統治し、UWに宇宙進出するほどの発展と繁栄をもたらした偉大なる王とその妻。その正体は…
用語
- 機竜
神聖術で駆動する機械式飛行艇。これにより「世界の終わりの壁」を超えUWという世界が更に拡張されることになる。
ムーンクレイドル編時点では某動画の技術部もかくやな自由研究に過ぎず、繰り返される騒動でデュソルバートに頭を抱えさせるハメになった。
アドミニストレータと同じ道をたどって(しかし成功して)いるのは皮肉というべきか。
- 整合機士
内部時間で異界戦争から200年後、宇宙進出を果たしたUWにおけるかつての整合騎士。宇宙戦闘機にまで発展した機竜に搭乗するなど、現実世界における軍士官のような扱いになっている。
かつての整合騎士たちが使用していた強力な武器。現在は封印されている。
- 造器
機竜開発に端を発する素因封密技術を用いて神聖術を自動化した機械や家電製品。自動車や街灯、冷蔵庫に冷暖房など多岐にわたる。
その多くがアリスが発見した《ホロウスフィア》術式を用いる。
これの発明により心意を数値化できるようになっている。
- 心意兵器
極めて強大な何らかの兵器。心意=イマジネーションによる《世界の理》の上書き現象を兵器化したものらしく、何発も命中するとその分上書きの効果も増大しほぼ破壊不能のはずのカセドラルの外壁をも破壊しうる。
個人がこれと同等の心意数値を持っていた場合、まず計器の故障を疑うレベルの代物。
- 最上位システム管理命令
セントラル・カセドラルの天命が規定値を下回った場合に発動できる緊急システム。
これによってカセドラルの「攻撃機能」と「退避機能」が使用可能になり、攻撃機能を使用すれば上記の巨大空中戦艦「プリンキピア」を一撃で撃墜可能とのこと。
ただし威力調整は不可能なため、撃墜してしまった場合、セントリアに多大な被害が出てしまう。
退避機能はカセドラルそのものを飛ばし、宇宙空間へ脱出させる。
その承認にはキリトとアスナ、そして整合騎士のいずれかがウインドウに触れて認証する必要がある。
別名《SSSオーダー》システムコールが『アクティベート・スプリーム・システム・スーパーバイザー・オーダー』であり、この略称だと思われる。
地理
- セントリア
現在もカルディナの首都であり、飛竜厩舎があった場所が宇宙軍基地になっていたり街灯や機車で近代化されているなど街並みは変わりつつも、カセドラルと《不朽の壁》を中心とした構造はそのまま。アラベル邸や修剣学院、《跳ね鹿亭》など200年変わらない施設もあるらしい。
- 外大陸
機竜によって《終わりの壁》を超えた先にある土地。古代の神獣が多数おり、入植にあたり星王は彼らと粘り強く対話を続けたという。
しかしエオライン曰く、人界の土地も余裕があり暗黒界の緑化も進んでいてこっちはほぼ未開拓。
そもそもUWの人口上限はライトキューブの数(およそ20万)とイコールであり、日本で最も人口の少ない鳥取県(2023年)と比べても半数以下なので大陸ひとつでは丸ごと余るのも道理である。同じ理由でアドミナの人口も5000人ほど。
- オーリ
アドミナの首都。
- 黒蓮二型宇宙要塞
カセドラル上空三十キロルに存在する要塞。
コールサインは《ブラックロータス02》通常は隠蔽モードで隠されており、有事の際にカセドラルとドッキングする。なお、カセドラルのコールサインは《ホワイトコスモス01》。