概要
SAOのギミックとして登場。
武器スキルを習得したプレイヤーが所定の準備動作を行うことによって発動し、発動したあとは体が勝手に動いて攻撃動作を行う。その速度および威力は、ふつうに武器を振るったときのものを上回る。さらに、派手なライトエフェクトやサウンドエフェクトも発生し、使用者の厨二心を大いに満足させてくれる。
発動すればあとはシステムが体を操縦してくれるため、自分では何もしなくても一連の動作を終わりまで行うことができるが、それに合わせて自らも体を動かすことによって速度や威力をさらに上乗せすることもできる。
ソードスキルごとに武器の種別が決まっており、規定の種類の武器以外ではソードスキルを発動させることはできない。たとえば両手剣で片手剣用のソードスキルを使うことはできない。
さらに格闘ゲームの必殺技のように、発動終了後に硬直が発生し動けない時間ができる。また一度発動したソードスキルを途中で止めた場合も硬直時間が発生する。ただし技後硬直の時間は使用者の技量如何で短縮される。
ソードスキルには技ごとにクールタイムが設定されており、同じ技を連発することはできない。
武器スキルの熟練度を上昇させると新しいソードスキルが使えるようになる。また発動速度や射程も上昇する。
そのほかに武器スキルの熟練度がある程度上昇するとスキルModというオプションを取得することができる。要するにスキルのカスタマイズである。スキルModは武器スキル以外のスキルにも存在するものであり、武器スキルにおいても必ずしもソードスキルにだけ適用されるわけではないが、なかにはクールタイムを短縮する等ソードスキルの性能に大きくかかわるものもある。
各作中作での扱い
SAOがクリアされた後も他のゲームに舞台を移して物語は続くがそれらのゲーム内でもソードスキルは引き続き使用され、その扱いにはさまざまな違いがある。
なお、ガンゲイル・オンライン(原作版)は当然ながらソードスキルは実装されておらず、主にキリトが光剣(フォトン・ソード)による自力再現を行うに留まる。
アルヴヘイム・オンライン
当初はソードスキルは実装されておらず、自力でソードスキルの動作を再現している場面はあるが、ゲーム上「すごく洗練された剣技」という以上の意味はない。
新生ALO開始からしばらくしてソードスキルが実装され、各ソードスキルは技ごとにダメージの一定割合に炎や氷などの属性が付与されるようになった。
また自分で新しいソードスキルを考案・登録できる「オリジナル・ソードスキル(OSS)」のシステムを導入したりといった改変が行われた。
アンダーワールド
技の名前は変わっているもののソードスキルが実装されている。この世界では連撃数の多いソードスキルを発動するには優先度の高い武器が必要である点が特徴。同時に一部の両手剣スキルが片手剣でも使用可能。
また、ソードスキルの性能が《心意》の影響で大きく違ってくるといいう特有の現象も起こる。
人界ではソードスキルの名前が変わると共に流派が現れ、「ハイ・ノルキア流」、「セルルト流」、「バルティオ流」と武器の種類などを問わずにそれぞれの流派の技とされている。尚、キリトがSAO時代に使っていた技は本人が「アインクラッド流」として伝えている。
しかし、ある理由による人界側の腐敗によって、ソードスキルは単発技が主流で、しかも見栄え優先のせいで見世物にまで落ちたために、実戦を意識した意表を突く技や連続技が「邪道」、挙げ句に「卑怯」呼ばわりされてしまい、見せかけの剣にまで堕ちてしまった。
ユナイタル・リング
ソードスキルそのものはこれまでと同様だが、魔法もソードスキルと同様に体を動かすことによる発動となった。やはり動きが正確なほど威力と命中精度にボーナスがつく点も同様。
ソードスキルとの違いは発動までに属性などを指定する複数のジェスチャーが必要な点。
片手剣ソードスキル
- スラント
単発斜め斬り。右上から斬り下ろす描写が多いが左上から斬り下ろしているケースもある。また右上からの斬り下ろしと左下からの斬り上げの二つのバリエーションがあり、なおかつ左下からの場合は抜き打ちもできると説明されている箇所もある。
UWでの名称は、ザッカライト流《蒼風斬(ソウフウザン)》。
- ホリゾンタル
単発水平斬り。右から斬っている描写が多いが、左手の鞘から抜き打ちで発動している箇所もある。
- ホリゾンタル・アーク
2連撃。左から斬る→右から斬る
4連撃。右から斬る→左から斬る→一回転して左から斬る→右から左上へ斬ると説明されているが、発動時に剣を左脇に構えるという描写もある。片手剣スキル熟練度150以上で使用可能。
- バーチカル
単発の垂直斬り。垂直とあるが、実際は利き手側に少しだけ傾く。剣を振りかぶり振り下ろす。UWでの名称は、ノルキア流《雷閃斬(ライセンザン》。
- バーチカル・アーク
2連撃。真上から斬り下ろし→垂直に斬り上げる。軌跡はV字に似る。
垂直4連撃。斬り下ろし→斬り下ろし→斬り上げ→斬り下ろしと描写されている箇所と斬り下ろし→斬り上げ→斬り下ろし→斬り下ろしと描写されている箇所がある。片手剣スキル熟練度150以上で使用可能。
- レイジスパイク
下段突進技。剣を左に構え低い体勢から10メートル突進して突く。威力はあまり高くない。片手剣スキル熟練度50以上で使用可能。
- ソニックリープ
上段突進技。約10メートル突進して斬る。上方向へ突進することも可能。上段の技とされているが左下から斜めに斬り上げていると見られる使用例もある。
単発重攻撃。左手を前にかざし右手の剣を肩の上に大きく引く構えから単発の突きをはなつ。刀身の倍以上の射程と両手槍に匹敵する威力を有する優秀な技。発動時にジェットエンジンにたとえられる独特の効果音が発生する。片手剣スキル熟練度950以上で使用可能。
キリトが愛用している技の一つで、アンダーワールドでは心意によってSAO時代の装備が現れるまでに研ぎ澄まされ、炎の巨人と化したチュデルキンを一撃で撃破している。リーファも同様に心意によって長距離攻撃にまで発展させている。
- スネークバイト
2連撃。剣を左脇に抱えるような構えから右へ斬り即座に左に切り返す。
- シャープネイル
3連撃。右下から斬り上げ→左から薙ぎ払い→右上から斬り下ろしと描写されている箇所と、左上から垂直斬り→1撃めの右側を垂直斬り→1撃めと2撃めの間の位置を垂直斬りと描写されている箇所がある。ライトエフェクトの色も場面によって赤だったり銀色だったりと一定していない。
- サベージ・フルクラム
3連撃。右から水平斬り→剣を垂直または右上に跳ね上げて切り裂く→垂直斬り下ろしとなっている箇所と、左から水平斬り→真上に切り裂く→突きとなっている箇所がある。
- デッドリー・シンズ
7連撃。
- ハウリング・オクターブ
8連撃。高速5連突き→斬り下ろし→斬り上げ→全力の上段斬り。
- ノヴァ・アセンション
最上位ソードスキル。10連撃。1撃めの上段斬りは非常に発動が速い。
- ライトニング・フォール
重範囲攻撃。前方宙返りして逆手に持った剣を真下に突き下ろす。落下点から周囲にスパークが飛び散る。
- セレーション・ウェーブ
範囲攻撃。剣を地面に打ち下ろすと鋸刃のようなライトエフェクトが放射状に広がって敵を足止めするとともに多少のダメージを与える。
- スピニング・シールド
防御技。剣を体の前で風車のように回転させ盾にする。
- メテオブレイク
7連撃。使用には片手剣スキルのほかに体術スキルも必要。本文中の記述を追うと右上から斜め斬り下ろし→左下から斜め斬り上げ→左肩で体当たり→右から水平斬り→右肩で体当たり→左から水平斬りで締める……となるが7連撃のはずが6撃しかない。残り1撃については不明。
細剣ソードスキル
- リニアー
基本技。体の中心に剣を構え、捻りを入れつつまっすぐ突く。
- ストリーク
斜め上への突き技。
- オブリーク
単発下段突き。リニアーに比べて攻撃範囲は狭いが、威力は上。
- フォーリウム
斬撃技。左腰に剣を構えて発動、ゆるやかに弧を描きながら上方へ斬り上げ頂点で鋭角に反転して右下へ抜ける独特の軌道。細剣スキル熟練度150以上で使用可能。
- パラレル・スティング
2連突き。上下二か所を突く。
- ダイアゴナル・スティング
上下2連突き。
- トライアンギュラー
3連突き。
- カドラプル・ペイン
4連突き。
- ニュートロン
4連突きの後、身体を左右に一回転してから一突きの5連撃。技の出が速い。
- クルーシフィクション
6連突き。縦に3連突き→横に3連突き。攻撃箇所が十字を描く。
- スター・スプラッシュ
8連撃。中段3連突き→下段切り払い攻撃を左右に往復→斜めに斬り上げ→上段2連突きと描写されているが、別の場面では斬撃の動作は含まれないとされ、事実斬るための刃がついていないエストックで使用されている。
- シューティングスター
突進技。ソニックリープと同じく上方にも突進できる。
- フラッシング・ペネトレイター
全身から光の尾を発しながら突進して剣で攻撃を行う最上位細剣技。威力、貫通力、速度全てに優れているが発動させるには十分な助走が必要となる。
両手剣ソードスキル
- アバランシュ(英語で「雪崩」を意味する)
上段ダッシュ技。突進して斬り下ろす。
UWでの名称は、ハイ・ノルキア流《天山烈波(テンザンレッパ)》。両手剣のソードスキルだが例外的なケースとしてアンダーワールドで隻腕の剣士が片手持ちで発動させたことがある。
- カスケード(仏語で「連滝」を意味する)
単発上段斬り。
- カタラクト(英語で「大雨・洪水」を意味する)
2連撃。上段斬りを連続で繰り出す。
- サイクロン(英語で「大暴風」を意味する)
旋回斬り。剣を右後方に倒し水平に斬るか、もしくは斜めに斬り上げる。UWでの名称は、セルルト流《輪渦(リンカ)》。キリトは片手剣に分類される夜空の剣でこれを使用している。
- バックラッシュ(英語で「反動・逆戻り」を意味する)
単発技。敵に右の背中を向けた体勢から反時計回りに回転しつつ水平斬り。UWでの名称は、バルティオ流《逆浪(ゲキロウ)》。
- トーレント(英語で「急流・激流」を意味する)
ノックバック用スキル。柄での打撃によって相手を弾き飛ばす。
短剣ソードスキル
- ケイナイン
下段からの突き上げ技。
- ファッドエッジ
4連撃。短剣を右脇に引きつけ手首を返して発動。やや正確さに欠ける。
- ラピッドバイト
短剣の中級突進技。
曲刀
- リーパー
片手用曲刀の基本技。剣を振りかぶって斬る。
- フェル・クレセント
曲刀の上位スキルである突進技。4メートルの距離を0.4秒で詰めて斬撃を放つ。原作で最初に登場するソードスキル。
- トレブル・サイズ
3連続範囲攻撃。こまのように回転しながら左から右へ3回斬る。
カタナソードスキル
- 絶空(ゼックウ)
刀を左腰に構えて、半身の姿勢から踏み込んで放つ抜刀術。居合抜きとれているが刀が鞘に収まっていない状態からも使用可能。
- 辻風(ツジカゼ)
垂直斬りから水平斬りに繋がる2連撃。垂直斬りは上下どちらからでも構わない。水平斬りも左右どちらからでも構わない。刀を振り抜いた時に鎌鼬のようなエフェクトが発生し、遠距離からでも敵にダメージを与えることが出来る。
- 幻月(ゲンゲツ)
単発技。同じモーションから斬り下ろしか、斬り上げランダムに発動する。直前まで同じモーションなので見極めが極めて難しい。ただし、使用者の任意で上下を決定できるかは不明。技後硬直が短い。
- 浮舟(ウキフネ)
刀の切っ先を地面すれすれに滑らせてから、相手を斬り上げる。斬り上げた相手を宙に浮かせ動きを封じることが出来るため、スキルコンボの起点となる。
- 緋扇(ヒオウギ)
三段突き。上段下段の神速の二段突きから、一拍溜めて中段突き。カタナスキルの中でも極めて強力なスキルで、第一層フロアボス、イルファング・ザ・コボルトロードが使用したときは、レイドリーダーのディアベルのHPを一撃で半分以上削り取った。
- 旋車(ツムジグルマ)
重範囲攻撃。垂直にジャンプして体をひねる→着地と同時に周囲360度を薙ぎ払う。使用時に竜巻のようなエフェクトが発生する。攻撃範囲の広い強力なスキルだが、事前動作に必ずジャンプが含まれるので、圧倒的なスピードと斬れ味が売りのカタナスキルの中では見極めが簡単なスキル。
体術ソードスキル
- 閃打(センダ)
基本技。拳で相手を突く。閃打に限らないが体術ソードスキルはスキルMod《装備条件緩和》を取得すると武器を装備した状態でも空いている手や足で使用することができる。また武器でソードスキルを放った後の硬直時間をキャンセルして発動している描写もある。
- 弦月(ゲンゲツ)
後方宙返りしながら蹴る。立った状態からでも後ろに倒れ込みながらでも発動できる。
- 水月(スイゲツ)
単発水平蹴り。中段の回し蹴り。
- エンブレイサー
零距離技。手刀を相手に突き刺す。
- 空輪(くうりん)
手の指をCの形にそろえて突き出し敵の武器を指で挟んで奪い取る技。体術スキル熟練度100以上で使用可能。他の技とは違い名称のルビはひらがなになっている。
二刀流ソードスキル
- ダブルサーキュラー
突進→右手の剣を左下から斬り上げ→左手の剣で攻撃。
GGOでの変則再現では時計回りに回転しつつ突進→左手の剣で斬り上げ→右手の剣で左上から斬り下ろし。
ホロウ・リアリゼーションでは二本を突き出す突進技となっている。
キリトの代名詞とも言える二刀流上位剣技。16連撃。
アリシゼーション編最終決戦では熱い王道展開により更に進化する。
- ジ・イクリプス
二刀流最上位剣技。27連撃。なお……。
- クロス・ブロック
武器防御スキル。二本の剣を交差させて攻撃を受け止める。
オリジナル・ソードスキル(OSS)
- スターリィ・ティアー
アスナのOSSレイピアによる5連撃。星形の頂点の位置を突く。
- ヴォルカニック・ブレイザー
ユージーンのOSS。8連撃。名称のみで詳細不明。
ユウキのOSS。11連撃。右上から左下へ5連突き→左上から右下へ5連突き→中央へ突き。ユウキは片手直剣で使用しているが突き動作だけの技なのでレイピア等ほかの種類の剣でも使用可能。
その他のソードスキル
- エクスプロード・アロー
両手長弓。火矢を連続して放つ《ソードアート・オンライン》には弓は存在しないはずなので、このソードスキルは《アルヴヘイム・オンライン》において新規に設定されたことになる。
- ダブル・クリーブ
片手斧水平2連撃。本文には「斧が二回転」するとあるが具体的にどのような動作なのかは不明。
- ワールウィンド
多段ヒット可能な両手斧ソードスキル。本文には斧が「旋風のように回転する」とあるが具体的にどのような動作なのかは不明。
- スイフト・ランジ
両手槍単発直線突き。あらゆるソードスキルの中でも最速クラスのスピードを誇る。
- アキュート・ヴォールト
クロー突進技。縦回転しつつ突進して切り裂く。
- シングルシュート
投剣基本技。
- スレットフル・ロアー
盾挑発技。左手の盾を掲げ右手を振り上げ、左手を突き出すことで発動する。敵を攻撃するのではなくmobの注意を自分に向けて防御力の低い仲間が攻撃されないようにするための技。
- ナミング・インパクト
VRMMO《ソードアート・オンライン》の舞台である《アインクラッド》2層に出現するmob《トーラス族》の固有スキル。ハンマーを垂直に振りかぶって地面に打ち下ろし、周囲にいるプレイヤーにスタン効果をもたらす。スタンを連続で食らうと麻痺する。
- ナミング・デトネーション
ナミング・インパクトの上位技。より効果範囲が広い。アインクラッド2層ボスが使用する。
余談
作者・川原礫の別の小説『アクセル・ワールド』でも登場人物であるブラック・ロータスやグラファイト・エッジがVRゲーム《ブレイン・バースト》の中でソードスキルと同じ名前の技を使う場面があるが、双方の作品世界の関連は不明である。
当初、同名のスキルに関しても特性が異なっていると思われていたがSAOアリシゼーション編の文庫化の際、心意によってスキル特性が変化するという属性が追加され、ヴォーパル・ストライクが遠距離攻撃になる等アクセル・ワールドとほぼ同一の特性を持って発動したことがある。
SAOとAWに関連性は無いような発言を行っていたがAW20巻以降では露骨にSAOと同一世界線であることを匂わせており、挿絵にどうみても二刀流のキリトさんが描写されていたりされていなかったり。
関連タグ
SAO ALO アンダーワールド(SAO) ユナイタル・リング