概要
学園都市統括理事長・アレイスター=クロウリーの居城たる建造物。
学園都市第七学区に存在する。
外壁は『演算型・衝撃拡散性複合素材』と呼ばれる特殊装甲で覆われており、その堅牢さは「核兵器を受けても耐えられる」とも噂される。
実際、一方通行の地球の自転のベクトルを利用したビルの砲撃を受けた際も、絶対能力者に覚醒しつつある御坂美琴の雷撃を受けた際も共に傷一つ付かず、内部に対する振動もほとんど無かった。
内壁は蜂の巣状になっており、最低限の気密性は内壁のみでも確保される。
内部構造
アレイスターの生命維持装置である水槽と滞空回線(アンダーライン)で学園都市全域を観察、問答型思考補助式人工知能(リーディングトート78)によって「計画(プラン)」を進行させている。
建物内で酸素・電気を含む生活に必要なもの全てを生産できるため、各種インフラが内部で完結している。窓もドアも廊下も階段も通気口も設けられておらず『空間移動』系能力者でないと内部に入ることも出ることも出来ない。
尚VIPなどの送迎(転送)は結標淡希が担当していたが、彼女が暗部組織『グループ』に堕ちてからも続けているかは不明。
内部は階段やエスカレーターが続いていたり、壁に埋め込まれた梯子・キャットウォーク・ダクトが足場になっていたり、清掃用のゴンドラやクレーンのフックが下がっていたり、独立して人を引っ張るほどの人工重力を持つミニチュアのお星様が漂っていたり、上っていくだけで周囲と隔絶した空間に飛ばされる螺旋階段があったりと、既存の物理を大きく逸脱した構造をしているが、「仕掛け」がなければ見た目通りの体積である。
エイワス曰く『ユークリッドの崩れた箱庭』
結標によると、この建物はそもそもビルではないらしい。
各種宇宙線防御などの話から手塩恵未は宇宙船などを予測したと思われるが、それすら正解ではないようである。
後に地下にロケットブースターを装備していたことが明らかになり、当たらずとも遠からずといった具合か。学園都市外部の人間である上里から見ても「循環環境が整っていればもはや人工第三惑星」と評されるほどである。
その正体は地球にいながら地球からの法則や力から解放された領域として、既存の地球上では行使できない魔術を行使するための儀式場。
アレイスター曰く、地球で使用する魔術は地球の力に縛られるので、地球を脱出することでより強力な魔術を振るおうとしたらしい。
一部をエンデュミオンに先を越されており、その時は多少焦った様子。
ロケットブースターを破壊されても、内部空間をユークリッド幾何を無視し無理矢理伸ばすことで宇宙へ到達できる。
外部からの干渉を受け付けないためアレイスターの居城であると同時に、いかなる手段を持っても殺害できないフロイライン=クロイトゥーネを封じておく『牢獄』の役割も持っていた。
『とある魔術の禁書目録 幻想集約』オリジナルシナリオにて、レディリー=タングルロードも収監されていた事が明かされている。
コラボイベント『とある邂逅の世界祝福』ではめぐみんが窓のないビル目掛けて爆裂魔法を放とうとしていた。
作中の出来事
一端覧祭準備期間中である11月『グレムリン』の標的であるフロイラインを保護するため、上条当麻とトールによって破壊工作を受け、史上初めて外壁を損傷するダメージを負うことになった。
直後、フロイライン自身が外壁を破って脱走したため、蜂の巣状の内壁のみで気密性を保っている状態に追い込まれている。
12月9日「新約16巻」木原唯一が上里翔流に復讐するため、学園都市にエレメントを放ち窓のないビルの地下におびき寄せ相対する。
激闘の末に敗北するが、下部のロケットブースターを点火させ上里勢力諸共道連れにしようとしたため、上里が「理想送り」によってブースターを新天地へと飛ばした。
12月11日「新約18巻」土御門元春が学園都市から脱出しようとするも、土御門舞夏に呪詛の魔術剣が刺された事で解呪のためアレイスターの根城たる窓のないビルへ潜入する。
この時は上記の上里が飛ばしたロケットブースターがあった箇所から入り込んだ。
そんな折、御坂美琴と食蜂操祈は奪取したA.A.A.を解析しており、送られてくる信号が窓のないビルから発せられていると突き止めた事で、彼女たちの合体技「液状被覆超電磁砲」で窓のないビルの外壁を破壊された。
12月11日同日「新約19巻」分化したアレイスターを五人ほどブースター代わりに消費し、物理的に炎を噴射させることで宇宙に打ち上げられる。
打ち上げられたビル内部でエイワスの足止めを受けたコロンゾンは振り切って超高速運動をしつつ地球にUターンしビルを学園都市に衝突させるが、ウラシマ効果による時間のズレが「新天地」の時間と重なった事でビルは新たな天地の地球に激突。これにより『窓のないビル』は学園都市から姿を消した。