概要
ロンギスクアマ(学名:Longisquama)は、中生代三畳紀の中期から後期にかけての時期にパンゲア大陸北半球部の東域の一角(古テティス海の北に広がる内陸部)に棲息していた小型爬虫類である。化石は、中央アジア東部のキルギスに広がるマディゲン累層から出土している。
学名は「長い鱗(を有する者)」の意味になるよう造語された新ラテン語 (New Latin) である。
分類学的位置は不明で、大分類である双弓類の基盤的位置、主竜形類の基盤的位置、新しく提唱されている新双弓類の基盤的位置など、どこに位置付けるかを巡っていくつもの説がある。
標本は全てロシア科学アカデミーの古生物学研究所に保管されている。ホロタイプである PIN-2584/4 や、PIN-2584/9、PIN-2584/6、PIN-2585/7、FG-596/V/1 など複数の標本で、軟組織によって構成された長大なクレスト(西洋鎧の兜飾り〈クレスト〉風の突起物)が確認できる。リチャード・プラム、レイズ、スーズなどの研究者は、これを細く伸びた鱗であるとしている (Prum et al. (2001))。一方、これを原始的な羽毛の痕跡と解釈し、樹上棲の主竜形類から鳥が進化したとする研究もある (Jones et al. (2000)) が、分子分岐学的研究などによって否定されている。あるいはまた、一緒に発掘された植物の葉をロンギスクアマの体組織であると誤解釈したに過ぎないとする説も唱えられた (Fraser (2006)) が、これに対して反証する説も発表されている (Buchwitz & Voigt (2012))。